化粧品開発のご相談はビークラボへ >>

未来にお肌の若返りはあり得る?(FILE No.082)

メルマガアーカイブ

◆◆FILE No.082 / 2008年7月配信◆◆

未来にお肌の若返りはあり得る?

今回は、「情報通と専門家」の回で触れた学会発表の中から、業界の先端技術についてのお話です。
メルマガアーカイブ情報通と専門家(FILE No.080)

皆さんが化粧品に期待する未来には
個々人にさまざまな想いがあると思いますが
結局のところ早い話が
「いつまでも若くありたい。」
「歳をとりたくない。」
このひとことにつきるのではないでしょうか。

もっと煮詰めて言うと
「若返り効果」
ですよね。

で、お肌の上での若返りというと
シミ・シワの改善の2点に集中することになりますね。

もちろん今では
皮膚を切ったり、貼ったり、引っ張ったり、埋め込んだり
まるで建築現場(笑)のような整形手術を行うことで
生まれ変わったかのような風貌に変える事は
さほどおおげさなことではなくなりました。

でも、両親からありがたくいただいたこの体
できれば手を入れて改造はしたくないもの。

この考え方は古いのかもしれませんが
それでもできるだけお肌を傷つけず
こうした願望が叶えられればと思うのは
女性であれば当然の欲求ですね。

この辺りは当然化粧品を開発している現場の方々は
当然よく理解していますし
一日も早く皆さんの想いをかなえようと
日夜研究に励んでいます。

と同時に男性の場合は
髪の悩みが永遠の課題として君臨し続けています。
文化の発達と環境の変化で今では
男性だけでなく女性にもこの悩みは拡大しています。

いずれにしても考えてみれば
これらはまるでSF映画かマンガの世界のようなお話。
とても一般の消費者には想像もつかない未来の世界。
「歳を取らないのなら、寿命もなくなる?」
こんな感じですよね。

そんな一見無謀とも思える皆さんの
夢のような課題を抱える美容業界は
今どこまで進んでいるのでしょうか。

*

以前にも書きました
「皮膚の老化のメカニズム」に対しては
今では皮膚を破壊することなく
内部を見られるところまで進化しています。

つまり、皮膚を破壊することなく
個々人の肌内部の状態を調べることができるというわけです。
これだけでも一般人にとっては想像を絶する科学の進化。

しかし残念ながら
老化が細胞レベルで何が起きて
どういうメカニズムによって変化していくのか
まだまだきちんと解明されていないのが現実です。

そんな現状の中
今回の医学会の発表で
皆さんを少しワクワクさせるような報告がありました。

研究内容としてはあまり皆さんとって
身近ではない事かもしれませんが
発毛医療の現場からの最新の研究内容でした。

でも慌てないで下さいね。
最後まで読むと
ちょっと得した気分になるかもですよ。

* * *

頭髪を含め、体中にある毛というのは全て
毛穴の奥にある「毛母細胞」という部分で作られ
成長して角化することで死んだ細胞となってできていきます。
下の図にある毛穴の下の膨らんだ部分がその毛母細胞。

この毛母細胞というのは当然毛穴がない部分
例えば手のひらや足の裏などにはほとんどありません。
なので毛が生えないわけですね。

で、今までの研究では
毛穴があるところに
この毛母細胞が存在すると考えらてきました。
確かにそれは間違いないことなのですが
毛穴があってこその毛母細胞というのが定説でした。

ところが最近の実験結果から
実は毛穴がないところにも
この毛母細胞が存在しうることが判明しています。
つまり
毛穴がなくてもこの細胞の種は存在しているというわけです。

それを証明したのがラットによる実験結果で
皮膚に存在する毛母細胞を取り出し
毛の全くないところに移植すると
そこにしっかりと細胞が定着し
そして毛が生えてくるのだそうです。

今までの研究における脱毛治療というと
毛穴の根元にこの毛母細胞を植えつけることで
再び毛髪を再生するという医療技術でした。

しかし、これがきちんと確率されると
男性の脱毛、また病気で毛穴が収縮してしまった場合でも
毛穴のないところにこの毛母細胞を移植することで
毛髪が再生されるというわけです。

極端なお話が
手のひらや足の裏でも毛を生やすことができるわけです。
なんだかちょっと怖いようなお話ですね。

でも、さらにここからが女性の皆さんに朗報なのです。

*

上でも書いたように、実はこの毛母細胞
毛穴のところだけではなく
それ以外のところにも存在していることが判明したと書きました。
では、こうした皮膚のあらゆるところに点在している毛母細胞は
なんのためにあるのだろう?というのが新たな疑問。

この細胞の名前にもあるとおり
今までの理論ではこの細胞は
毛を作る目的のための細胞だと考えられてきましたが
毛穴のないところに存在しているということは
存在理由が他にもあるということ。

現段階では
まだまだこの毛母細胞が作られるための条件
その生成過程に関わる酵素や情報伝達物質との関わりなど
複雑な生体のメカニズムが明らかになっていないため
その存在理由ははっきりとしていませんが
少なくても皮膚そのものが作られていく過程において
重要な役目を果たしているだろうことまでは
判明してきたのだそうです。

つまり
ある種の条件を満たし
この毛母細胞を皮膚の内面に移植することで
新しい皮膚の再生が可能になるかもしれないとのこと。
また
この毛母細胞を活発化してあげることによって
皮膚の再生が促される可能性も考えられます。

まだまだ生命の尊厳であるところの
永遠なる寿命を手に入れるには程遠いですが
少なくても皮膚だけでも年齢をおうことなく
若さを保てることができようになればいいですね。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です