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シワのお直しコスメ

美容業界の成分流行

去年頃から、化粧品販売のシーンでは
流行の成分がありません。

特にネットや通販で流通するコスメは
これが結構重要なのは
よくご存知のことと思います。

「別に意識したことないなぁ…。」
そう感じたユーザーさんでも
思い起こしてみると
時流の流行り成分が配合されたコスメを
何度かネットで検索されたことがおありと思います。

数年前なら
ヒト幹細胞エキスあたりでしょうか。
あとは水素コスメとか。

そういう意味で
ネットでよく見る流行成分がないのは
通販業界的に市場が沈滞する傾向にあります。

一方でよく観察していると
こういう時期にこそ面白い傾向がみられます。

よくあるパターンは
「昔流行ったコスメや成分」ですね。

ということで、今回記事にしたいのは
今の「シワ改善コスメブーム」に乗っかる
【便乗コスメ】です。

シワ改善の部外品アイテムがブーム

ポーラさんを筆頭に
シワ改善の効能が厚労省において医薬部外品で承認され
大手ブランドさんがこぞって開発に乗り出し
次々と商品化されて市場を席捲しています。

とはいえ、このシワ改善の医薬部外品は
各社が独自の技術と成分で開発されていますので
中小の工場やメーカーさんは真似ができません。
なのでこのカテゴリーは
大手ブランドさんの戦場ということになります。

しかしながらこのブーム
中小のメーカーさんも乗っからない手はありませんね。
ここで登場するのが、便乗商法。

「便乗」と悪い言葉を用いましたが
それなりに効果が期待できるのであれば
ユーザーさんにとってそれはオーケーでしょう。
医薬部外品か否かは、ぶっちゃけどうでも良いわけですから。

ただし、「効果があれば」のお話です。

技ありのダマし効果

その便乗商法中の筆頭株
テレビショッピングでもよくみかける
「ストレッチなんちゃら」
これには困ったもんです。

コンセプトは以下。

・メイク下地としてミストするだけで、ストレッチ効果でシワが消える
・メイクのノリもよくなり、下地としても使える

ま、さすがに言葉としては「シワが消える」とは書いていませんが
乾くまで3~5分待つだけで
シワが見事に薄くなるというアイテム。

このアイテム
実は色のついたクリームファンデーションタイプもあります。

さて、これ
本当にシワが伸びるのでしょうか?

テレビショッピングでは
口元や目元のシワが薄くなった
画像も出てますよね?

結論から言いますと
「伸びますよ」

「えー! マジで?」

おっとと、慌てないで下さいね。
もちろん、ウソではありません。

でもこれには
裏腹な難点があります。

以下にクチコミの一部を取り上げてみます。

【★1レビューの一部抜粋】Aさん
この商品は、〇〇〇〇も〇〇〇も信用を無くしますよ。
TVのあの映像を信じてまずお試し。と思ったのに・・・よく考えてみたら・・・しわのとれた状態が続くなら、ボトックス注射もしわ取り整形もいりませんよね。
実際使ってみたら、むしろちりめんジワが目立つように。・・・浅はかな自分を責めています。どなたかも言っていましたが、10000円をどぶに捨てました。

【★1レビューの一部抜粋】Bさん
全くシワが取れません。ひきつりが凄くて笑うと今まで以上に深いシワができます。笑わなければマシなのかと・・・無表情でいることは無いので無理です。・・・1万円捨てました。

もちろん、化粧品のクチコミは
個々人の感じ方の違いですので
変な話、鈍感な方もおられれば
異常に神経質な方もおられるので
そのままを受け取ることはありません。

まして美容効果についてはことさらで
人によって様々であることは鉄則です。

ただ、統計学上のデータとしてn数(件数)が集まってくると
なんらかの傾向が見えてくるのは間違いなく
そこに着目して判断基準にするのは
コスメを見極める重要なポイントでもあります。

そういう意味でこちらを代表とした低評価のクチコミの数々は
この製品の難点を指摘していると判断できます。

しかも、なによりその根拠が
処方設計中にあるから、です。

シワ改善コスメのメカニズムはいかに?

この商品のメカニズムは
『ケイ酸Na/Mg』と『シリカ』にカギがあります。

普通のスキンケアコスメであれば
微量成分として後ろの方になるのが当然の成分が
なんと、水の次の二番目と三番目ですから
いわば主成分といってよい配合量の設計です。

で、ケイ酸ナトリウムといえば皆さんもよくご存じの
いわゆる「水ガラス」です。
【ケイ酸ソーダ】で検索すれば
グーグル先生がすぐに教えてくれます。

つまり
水ガラス様の硬い被膜を形成する成分ですね。

なので、まずは塗布して乾いてくるとともに
強い被膜を作って皮膚の皮をひっぱってくれるわけです。
かなりのクチコミにもあるように
この時に「皮膚が突っ張る」のです。

確かにこの時には皮膚を引っ張ってくれるので
小さいシワなら延びることになります。

ここまではまぁ、ヨロシ。
ところが・・・

この被膜、ビニールのように簡単に破れたりしないのであれば
剥がしたりしない限りは
突っ張ったままで維持してくれます。
しかしながらこの被膜は
水に溶けていたようなボリマーですから
そんなに硬いものでもなく
簡単に切れてしまいます。
いわば、ヒアルロン酸みたいなもの。

つまり、人間は生きているので
笑ったりしゃべったりと、お顔の表情を動かします。
特にもっとも気になる目元や口元(ほうれい線部位)は
もっともよく動くところです。
となると、できた被膜は引っ張られてこの一瞬で
簡単に切れてしまうことになります。

これで、ジ・エンド…。

そしてタチの悪いことに
この立体の被膜は切れたあとも皮膚上に残っているがために
戻ったシワはさらに深く見えて目立ってしまうというわけです。

しかもこの被膜は一見でビニールみたいに
明らかに塗っていることが分かってしまいますから
必ず隠すためにファンデーションを上から塗布します。
それがこの被膜と一緒にヨレてしまうため
ことさら目立ってしまうということになります。

そしてさらに難点なのは
この被膜はツルツルしているために
ファンデーションが非常に乗りにくい。
なので、メイクに非常に苦労させられます。

顔を動かさないようにジーーーっと乾くのを待ち
ようやくできあがったシワ延ばしに今度は丁寧にファンデを乗せ
時間をかけて苦労して仕上げた顔が
ニコリと笑った瞬間に元のもくあみになるという・・・。

なんともモノ悲しい宿命の商品なんですね。

これがなんと1万円!!!

過去の遺物なんですが・・・

このアイテムの元は
実はハルウッド女優が撮影時に使っていると有名になり
20年以上も前にアメリカから入ってきた
マニアックな商品が設計のモデルになっています。

当時はマネモノ商品が通販番組などで
かなり販売されていましたね。
ほんとに一時的な効果なので
どんどん衰退していったシロモノでしたが。

そう、つまりは女優さんがスチル撮影の時に
動かないようにしてポスターや雑誌用の撮影時に使っていた
「一時的な作り顔用の一品」というわけです。
そりゃ、日常ケアに使えるわけはありません。

「ストレッチ〇〇〇〇」というキーワード
よく覚えておいて下さいね。

一日中表情を一切変えず
マネキンのようにお顔を動かさない方には
オススメ致します(笑)

しかし、いくら「儲かりまっせ」と誘われても
自分はこんな商品の開発に手を染めたくないですね・・・苦笑

では、また。

by.美里 康人

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