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保湿剤の有名人~その4:アミノ酸(後編)(FILE No.017)

メルマガアーカイブ

美里康人

2006年にスタートしたメールマガジンのアーカイブページ。
『コスメの真実・裏側』は、このメルマガがきっかけで出版された書籍でした。

◆◆FILE No.017 / 2006年8月配信◆◆

保湿剤の有名人~その4:アミノ酸(後編)

さて、アミノ酸についてのお話が長くなってしまっていますが
今回は最終回です。
しっかりと頭に入れておくと
「アミノ酸コスメ」で騙される事もなくなりますし
むしろスキンケアの大切なキーポイントになります。

前回、アミノ酸がコスメに利用されているケースとして以下のように分類し、お話を進めてきました。

  1. アミノ酸をそのまま化粧品に配合し、その効能を期待する商品
  2. アミノ酸を界面活性剤の技術に応用し、よりお肌に安心して使える界面活性剤として利用
  3. アミノ酸に別の成分をくっつけて合成した素材を、保湿剤として利用している場合

今回は、この二つ目のところにお話は入っていきます。

2.アミノ酸系界面活性剤

昨今は、界面活性剤が皮膚のバリア機能を壊すだの
体内に浸透して毒となるだのと偽り情報を垂れ流し
ユーザーに対して危機感を煽るカルト商法が横行していますが
界面活性剤は長年医療の分野や食品などあらゆるところで使われてきており
昔のように皮膚に刺激になるような素材は今や皆無となっています。

もしも言われているような事が本当に人体に起こるのであれば
同じ界面活性剤として体液から石鹸臭がしてもおかしくはないでしょう。
それでも消費者の天然志向ニーズは避ける事はできず
界面活性剤をを製造しているメーカーは
アミノ酸をベースとした原料を開発する事となったのがこの素材です。

では、アミノ酸と界面活性剤はどう関係するのでしょうか?
素朴な疑問だと思いますが、この辺りを少しだけ勉強しておきましょう。

まず、説明するにあたっては界面活性剤についてある程度知る必要がありますが
ここでは簡単に説明しておきます。

界面活性剤とは
分子構造中に水に溶ける成分の部分
油に溶ける部分の両方を備えたものだと考えれば分かりやすいですね。

例えば
水に溶ける砂糖(スクロースといいます)と
油である脂肪酸を化学的にくっつけると
両方の性質を持つ界面活性剤ができるという訳です。

前回も説明した通り
アミノ酸というのはほとんどが水に溶ける性質ですから
この水に溶けるアミノ酸と脂肪酸をくっつける事で
アミノ酸を主体とした界面活性剤を作る事ができます。

まぁ、ここでは簡単に作れてしまうように説明しましたが
実際上これは大変難しい技術で
アミノ酸系の界面活性剤が開発に至って商業化されるようになったのは
まだ十数年の事です。


さてこのアミノ酸系の界面活性剤ですが
現在活用されているのは洗浄剤としての応用が主で
シャンプーや洗顔料として使用されている事がほとんどです。
また一部には、その安全性からクリームの乳化剤としても
応用されているケースも見受けられるようになりました。

アミノ酸系の界面活性剤を見分ける方法としては
商品の全成分表示を見て
以下の名称にあてはまるのが該当すると考えて良いでしょう。
シャンプーや洗顔料にも天然系素材にこだわるのであれば
これらの洗浄成分が水の次に配置されているような商品を探せば良い事になりますね。

「○○グリシン○○」
「○○メチルアラニン○○」
「○○グルタミン酸○○」
「○○メチルタウリン○○」
「○○サルコシン○○」

(*○○の名前はなんでも良い)

ただし注意が必要なのは、この中でも人によって刺激を感じる素材もある事を承知おき下さい。
石鹸と同様に、安全性と刺激の有無とはまた別問題という事ですね。

3.アミノ酸の保湿剤への活用

アミノ酸をベースにして様々な成分をくっつける事で
保湿剤として活用されている素材があります。

PCAソーダと呼ばれる「ピロリドンカルボン酸ナトリウム」も
これにあてはまります。
最近はアミノ酸に油分の持つ性質を合成する事で
皮膚への浸透やなじみをよくした素材も導入されてきています。

さてここで重要なポイントをお話します。

それは、現在最先端と言われるアンチエイジングの話題になります。
そう
この章の最初にお話したコラーゲンやたんぱく質のお話と繋がってきます。

皮膚の構成成分であるアミノ酸がたくさん繋がってできたタンパク質やコラーゲンは
高分子であるがゆえに水に溶けない
そして皮膚に浸透させる事ができない
前回まででお話しました。

また、アミノ酸単体では
今度は水で流れてしまう、皮膚に定着しない、という問題があって
アンチエイジングとしての効果は期待できないと書きましたね。

では
アミノ酸を数個くっつけた大きさ程度にタンパク質を分解したような素材や
アミノ酸に脂肪酸の性質を導入する事で
皮膚浸透・皮膚との定着性・水への溶解性を満足する事ができないでしょうか?

実はこれが今アンチエイジング対策素材として話題となっている
トリペプチド・ヘキサペプチド・オリゴペプチドなどの素材です。
ギリシャ語で、トリ→3ヘキサ→6ですから
3個から6個程度のアミノ酸がくっついたペプチド素材という意味ですね。
(ちなみに、アメリカの”ヘキサゴン”という建物は、六角形なのでその名がついています)

現在、こうしたアミノ酸が3~6個程度くっついた素材
そしてそれに油脂の性質を導入した素材が
シワの改善に効果がある事が分かっています。
果たして本当に、皮膚を構成しているタンパク質と同様
こうした素材が皮膚にくっつく事で再生や修復されているかどうかは
きちんと医学的に証明がなされていませんし
未だに謎となっています。

しかしながら
現実に現象としてシワ改善効果が認められた実例や
臨床試験データがどんどん積み重ねられ
アンチエイジングコスメの有効性一素材として
その地位を確立してきています。

一部の特許には
コラーゲンをこの程度の大きさまで小さく分解した素材をマーキングして塗布する事で
皮膚組織への浸透が確認され
しかも皮膚のタンパク質に定着したといった実験データがあるとされています。
真意は別として
可能性はないとは言い切れないのかもしれませんね。

化粧品におけるこうした素材の全成分表示名称も
「○○ペプチド○○」となっていますので
アンチエイジングアイテムで一度確認されてみればおもしろいでしょう。

ただし、ここでも注意しなければならないポイントが一点。
これらの素材は現状では大変高価な状態で
しかももともとの素材が水溶液状態の原料となっているために
素材の段階ですでに有効成分量としては1%にも満たない事です。

という事は・・・
化粧品に配合されている段階で1%以上になる事はあり得ない訳で
全成分の表記を見ても配合量の推測ができないという事。
もちろん、有効成分として1%以下で十分効果を発揮する成分ではあるのですが
それを見分ける事ができないのが問題点です。

アンチエイジングアイテムはその価格が特に高価ゆえに
ユーザーはまずメーカーの信頼性をきちんと事前に調べておく必要がありますね。
今後もコスメを購入する上で
こうした判断材料の収集は大切なポイントとなりますので
注意しておいて下さい。

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