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水は水だよヲイ!~その2精製水前編(FILE No.003)

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◆◆FILE No.003 / 2006年5月配信◆◆

水は水だよヲイ!~その2:精製水 前編

水についての第二回目は、これも巷で大流行の「精製水」について書きましょう。

まずは「精製水って、実はなんなの?」というところからお話に入りますが、
きっと皆さんは”大変良い水”といった感じで理解されていますかね。
まぁこれはある意味正解ではありますが
実は、もう少し理解を深めておいて頂くと損をしなくて済むのです。

詳しくは後ほど触れるとして、早速本題の精製水の正体について勉強していきましょうか。

まず勘違いしてはならないのは、精製水というのは商品名ではありません。
あ・・・みなさんご存知でしたか・・・
すいません・・・(汗)

それじゃいったい精製水って何かというと、こう定義されます。

精製水とは、日本薬局方や化粧品原料基準で定められた水質基準に適合する水を指す。
精製水とは常水(一般的な水道水)をイオン交換・超濾過(逆浸透法/限界濾過)・蒸留のいずれか
あるいはこれらを組み合わせた方法で処理した水で
電気伝導率・生菌数・有機物の炭素や金属イオン・塩素イオンなどが基準以下である事。

こんな感じでしょうか。
通常、この水の品質を知るのに電気伝導率を測定しますが、1μS/cm以下であるとこの精製水の基準を満たしているという事になります。
そうそう・・・
「純粋な水って電気を通さないんだよねー」
って子供の頃得意げに話してたのがこういう事なんですね。

ですから、この水質基準にさえ合致していれば「精製水」という事ができる訳です。
市販されている日本薬局方の精製水は、ほとんどがイオン交換装置で+イオン・-イオンを除いたイオン交換水を使用しています。

とまぁ、なんだかここまで読んだらさらに精製水がすごいものという印象を持ったかもしれません。
が、実は皆さんが小中学校なんかで理科の実験に使っていた純水と呼ばれる蒸留水は
これよりも品質が高い蒸留水なんですね。
また、LSI技術などに用いられる超純水はさらに蒸留や脱塩処理をして、
電気伝導率は理論値に近い0.06μS/cmといった純度になります。
という事は?
水の品質としてはそれほどびっくりするようなものではないのですね。

さて、精製水がなんたるかのお話はこれ位にして
これを読まれている貴女がこの精製水を購入した事があるとしたら、どういった用途に使われたでしょうか。

石鹸カスの除去?
水道水に含まれる塩素の除去?
手軽な保湿アイテムとして?

こんなところでしょうか。
二番目の、水道水は水としては品質があまりよくなく塩素がお肌を荒らす可能性があるので
といった事を心配される敏感な方はそれはそれでよしとしましょう。
やはり傷があったり、肌荒れやアトピーで傷口が露出している状態の時は塩素も沁みますもんね。
私も経験あります。
ただ、”含まれた塩素がトリハロメタンへと変わる事で発ガンの可能性・・・”
と、これは実際にはあり得ない疑似科学理論のカルトの域になってしまいますので、
あまり胸はって人に話されないのが賢明ですね。

では石鹸カスは除去できるのでしょうか?

これは無理でしょう・・・
油脂と金属が結合して生成した水に溶けない石鹸カスが、精製水で落ちるはずはありません。
いくら水道水よりも純水に近づいて溶解性が高まっているとはいえ、金属石鹸が溶けるわけはありません。
それは精製水にサラダ油かなんかを入れて振ってみれば容易に分かります。
それで分離せずに油が溶ければそんな望みも託すんですけどねぇ・・・残念っ!

そして最後の”保湿アイテムとして”。

え~と、実はただの水というのは体内への浸透性は大変低いんですね。
そうです。病院に入院された方はご存知かもしれません。
例の点滴に使われる生理食塩水というヤツです。
これは純水は体内への浸透が悪いために、電解質を含んだ食塩水を使用するって訳です。
おっと、ここで気付かれた方がおられますね。
そうなんです。ポカリスエットなどのアイソトニック飲料がこの応用。
体内にきちんと水を取り入れるにはこういった電解質の存在が必要という事ですね。
上で書いてきた事を思い起して下さい。
ふむふむ・・・イオン交換でこういったミネラルの類いを取り除いたのが精製水だったですね。
という事は・・・

合掌

次回はさらに、精製水をシュシュっとやってる方に。
そこに問題点がある!・・・そして冒頭に書いた『これを知らねば損をする』内容について進んでいきます。

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