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自然・天然に対するヒトのエゴ(FILE No.044)

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◆◆FILE No.044 / 2007年3月配信◆◆

自然・天然に対するヒトのエゴ

実も心もウキウキ♪の春はすぐそこまでやってきましたね。
でも・・・
「そんな事より、花粉症でお肌ボロボロ」
こんな声が聞こえてきそうです。

春の訪れを憂鬱に思う人が増えた今の時代
なんだか、悲しいですよね。

アトピーの発症率といい
明らかに現代人の体は
どこか変化しているのは間違いありません。

でも
それを化学の進歩とすぐに結びつけるのは
あまりに短絡的過ぎますよね。

こういう事っていい加減な浅い発想で
「天然モノは体によい。」
「化学合成モノは体に害。」
こんなアバウトに分けられるものではありませんね。

今週はちょっと離れて
こんなお話をしてみましょうか。


さて、分かりやすいお話をしましょう。
今のところ地球上の生物の中で
もっとも強いチカラを持っているのは人間です。

身の周りの植物にしても小動物にしても
生命を維持するにはどうしても弱い面を持っているので
生きながらえるための
色んな能力を本能的に持っています。

例えば魚で言うとフグ
人間にも勝てる毒を体内に持っていますね。
さそり・ヘビ・クモなど
小さな生物ほどこうした特化した能力を持っていて
大きな動物から身を守るチカラを身につけています。
蟻酸をもつアリですらそうですね。

植物も同じです。
動物に触られたり
そして食べられたりしないように
特化した能力を持っているものが多いですね。

アレルギー性の強いうるし
毒をもったキノコ
トゲを身にまとうバラ
などなど・・・

人間のチカラから生命を守る
そうした術を身につけた植物はたくさんあります。

もちろん
そうした能力がないために
圧倒的な繁殖力で絶滅を逃れる
これも一つの種を守る一つの能力です。


という事で
自然に存在する動植物は
「人間にとって優しく、栄養になる。」
そんなご都合のいいように存在しているのではありません。
これこそまさに人間のエゴイズム。

彼らは生きながらえるために
もっとも脅威な人間を”敵”としてみています。
決して忘れてはなりませんね。

そう考えていくと冒頭の「杉花粉
これは何百年もかけて人間を攻撃するための
杉の策略と考える事ができないでしょうか。

「ぎゃははは!バカじゃねーの。」

笑い飛ばしたアナタは
杉よりもバカなのかもしれませんよ。

だって樹木の寿命は
人間よりも数倍も長いのですから

どういう事かというと
逆に人間に比べて寿命ははるかに短い動植物
かれらは短時間で命を奪う強い毒を持っていたります。
昆虫・毒ヘビ・キノコ・・・

つまりその殺傷能力は
その生物が生きていく寿命がものさしなんですね。

そりゃそうです。
基準は人間なのではありません。
「自分が生きるのに必死」
そのための能力なんですから。

ですから
樹木が自分達を守る能力は
人間の寿命をものさしに考えてはいけません。

という事は
何百年もかけて人間を淘汰するための
「花粉」という毒を吐き続けている
こう考えても全く不自然ではありません。
いえ、むしろ当たり前の事ですね。

一般的な杉の寿命は500年程度と言われています。
という事は
ヒトが5~6世代変わった頃には
DNA因子におそろしい影響を及ぼす
そんな毒なのかもしれませんよ。

杉花粉によるヒトへの害
これが認知されてわずか二十年ほどです。
くしゃみ・鼻水・肌あれ・・・
これって
杉にとってはほんのプロローグ???
アナタの孫の孫の世代には
マスクなしでは死んでしまうアレルゲンとなる
そんな予感はしませんか?


自然から得られるもののメリットとデメリット
そして
合成で作り出すもののメリットとデメリット

《化学の英知をフルに導入し、自然をうまく活用して生きていく》

結局のところ向かう羅針盤は
そういう方向だと思うのです。
無から有は生まれません。
自然の素材を加工して
合成されるのですから。

その最たる例が石油です。

もちろんそのままでは
人間にとって有害です。
無害で有益のものになっているはずはありません。
フグをそのまま食べる人がいないのと同じです。
全ての自然はヒトのために存在しているのではなく
人間は自然にとって””なのです。

人間が生きながらえるために
ご都合で身勝手で取り入れるのですから
ヒトに与えられた最大のチカラ
「脳」
これをさらに磨いて
きちんと活用して生きなければなりません。

これが「科学」であり
「化学」です。

そしてさらに人間は
他の生物に対しても
「優しい生物」でなければなりません。

これが究極の科学であり
共存共栄と思いませんか?

「天然賛成!・合成反対!」
こんな単純な発想しかできないように
ヒトは作られたのではないはずです。

難しくてよく分からないのであれば
論じる”べきではありません。

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