ビークラボ株式会社のサイトはこちら

これからのヒアルロン酸(FILE No.053)

メルマガアーカイブ

美里康人

2006年にスタートしたメールマガジンのアーカイブページ。
『コスメの真実・裏側』は、このメルマガがきっかけで出版された書籍でした。

◆◆FILE No.053 / 2007年5月配信◆◆

これからのヒアルロン酸

前回に続き、先ごろ化粧品産業技術展を見聞した際の業界の新しい動向を皆さんに公開していきます。

ヒアルロン酸といえば
もうみなさんおなじみの成分でしょう。

歴史もかなり古く
保湿剤としても一般ユーザーに認知度の高いこのヒアルロン酸ですが
最近はこのヒアルロン酸に新しい動きが出てきています。
今日はその辺りの最新情報をお話しましょう。

新しいヒアルロン酸といえば
「スーパーヒアルロン酸」なる言葉を聞かれた事があるでしょうか?
これは、ヒアルロン酸に油のような性質の物質をくっつけた素材で
資生堂が開発したものです。

なぜヒアルロン酸に油のような性質を付与したかというと
確かにヒアルロン酸は1gで6リットルの水を保つという
大変保湿性能の高い素材ではあるのですが
反面、もともとヒアルロン酸というのは高分子ポリマーであり
当然皮膚内には浸透しませんし
なおかつ水溶性の成分なので
汗や水分で流れ落ちてしまうという問題がありました。

また、皮膚というのはもともと油性の性質をもつため
水性成分は皮膚内に浸透しにくいという事もあります。

小さな知恵袋
お風呂に入って水分が皮膚内に浸透し、体重が増えちゃった、なんてお話は聞いた事もありませんね。
皮膚は油性物質によるバリアを持っていますので、水も内部には絶対に浸透しません。
そのため、水性の保湿剤に油性の性質を少し持たせる事で皮膚との生体親和性が高まり、皮膚の表面に留まる事ができるようになります。

つまりこのスーパーヒアルロン酸は
皮膚に留まっていつまでも保湿性能を発揮してくれるというわけ。

さて、このスーパーなヒアルロン酸ですが
既にもう市場に出てから数年の歳月が経ちます。
で、今回の化粧品産業技術展では
これよりもさらに新しいヒアルロン酸が発表されていました。

その一つは
「オリゴヒアルロン酸」と言われるものです。
以前にもこちらで説明しましたが
「オリゴ」というのは
「分子が数個レベルの少ない繋がりでできたもの」
という意味です。
反意語が高分子・ポリマーというと
分かりやすいかもしれませんね。

そう、よく耳にするオリゴ糖というのも
小さな分子の糖質の事です。

通常のヒアルロン酸が
50万~200万程度の分子数であるのに対し
このオリゴヒアルロン酸は
1000~1万程度だという事です。
つまり分子が小さいので
皮膚内に浸透するのだと述べています。

はてさていくら小さいとはいえ
数千もの分子が連なったヒアルロン酸が
皮膚内にまで浸透するかどうかは
疑問ではありますが・・・
今までのヒアルロン酸よりかは小さいのでしょうが
通常は、数千といえば立派な高分子ですしね。

さらに、もう一つの新しいヒアルロン酸は
「カチオン化ヒアルロン酸」です。

「カチオン」といえば
「界面活性剤なんじゃないの?」
と危惧される方がおられるかもしれませんね。
いえいえ、そういう事ではありません。

ヒアルロン酸が
水に溶けた時にプラスのイオン性を持つように
化学的に修飾したものです。

こうする事でどういったメリットがあるかというと
人の皮膚や髪の毛は
マイナスイオンの性質を持っています。
という事は
プラスに電荷しているヒアルロン酸は
髪やお肌にくっつきやすくなり
離れにくくなるという事です。

という事は、ヒアルロン酸の保湿性が
皮膚や髪の上でいつまでも持続するという事になります。
これはおもしろい素材と感じます。
今後の発展性が気になるところですね。

* * *

という事で
今回は今後のヒアルロン酸が
どう進化していくのか占う意味でも
重要なカギとなる技術展だったように感じた
そういうお話でした。

単に保湿剤としてだけでなく
それをどうお肌に導入していくのか
そういう観点から今後も研究が続けられていく
そんな素材だという事になりますね。

二週に渡って化粧品業界の新しい動向を
まとめてお送りしてきました。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 * が付いている欄は必須項目です