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化粧品原料パニック(FILE No.057)

メルマガアーカイブ

美里康人

2006年にスタートしたメールマガジンのアーカイブページ。
『コスメの真実・裏側』は、このメルマガがきっかけで出版された書籍でした。

◆◆FILE No.057 / 2007年6月配信◆◆

化粧品原料パニック

ちょっとおどろおどろしいお題がついていますが
ようは業界のちょっとした小ネタという事でお楽しみ下さい(笑)

化粧品業界にはさまざまな原料や素材がありますが
ほとんどの原料は天然の素材からの由来という事で
色々と生産・流通の変動があり
あまり一般消費者の方々の耳には入りませんが
しばしばある種のパニックが起きます。

最近にあった例としては
まずは10年近く前のホホバ油

天候不順による不作で
価格が高騰しました。
もともと植物油の中でもお値段の高価なオイル
あらゆる化粧品メーカーが困り果てて
取り合いの様相を呈していました。

次いで、数年前のオリーブ油

スペインなどの産地で
気候不順による不作が原因とされていました。
ただし、その真意のほどは不明です。

一説には
エキストラバージンなどが飲食の業界でブームとなり
そのせいで化粧品業界には回らなくなったとか。

もともと化粧品中には数%程度しか配合しないオイルですが
Dのつくメーカーさんのように
基剤に使われている化粧品会社はパニックに陥る
そんな状況と相成りました。

そしてつい昨年には
原油の高騰で流動パラフィンが影響を受けました。

流動パラフィンとは、「ミネラルオイル」の事です。
ガソリンや灯油
そしてプラスチックやビニールなどの石油製品など
生活に密着した製品全てに影響を及ぼしたので
とてもじゃありませんが
化粧品に使われるミネラルオイルにまで回ってこず
品薄とともに価格も高騰しました。

もちろん界面活性剤なども石油と関係しているので
価格はあがる要因となってしまいました。

こうして自然の産物は
気候などの影響によって不作を招いたりといった
そんな変動をもたらします。
その都度、化粧品会社も翻弄されるわけですね。

*

ここで私は二つの疑問を持ちます。
まずは末端の化粧品の価格に対してです。

素材となるところの原料が高騰したからと言って
化粧品会社は商品の価格を値上げしたりするでしょうか?

そんな事例は見たこともないですね。
もちろん私の長い経験の中でも
一度たりともそういうシーンに出くわした事はありません。
化粧品会社としては
コスト高による薄利に
回復するまで我慢を強いられるという事になります。

では、漁業や農業の業界はどうでしょう?

天候や気候の変動で魚が獲れなくなり
農作物が不作になったりはよく聞くお話です。
そして当然のように
翌日からはスーパーに並ぶ商品は
目も飛び出んばかりに高騰しています。

大根が一本数百円もしたという事例は
つい最近にも皆さん体験された事でしょう。
おまけにニュースではその現場に携わる方々の悲惨さが
連日報道されますね。

「いや、価格を上乗せしてるんだからいいんじゃないの?」

根性のひねくれた私はそう思ってしまいます。

こんなわがままな国内市場を形成しているから
いまや中国や中近東からの
価格が安く安定した輸入品がどんどん入ってくる事になります。
それに対して怒りをぶつけるというのは
企業戦士としての努力に欠けているとすら
感じてしまいます。

ここには農水省の裏金問題や天下りなど
色んな構造が絡んでいるのでしょうが・・・。
あまり業界の構造に詳しくない私のお話は
これ位にしておくとしましょう。

*

次の疑問点は
この原料高騰の原因についてです。

例えばホホバオイルにしても
そしてオリブ油にしてもそうですが
もしも不作が原因で高騰しているのなら
次の収穫時期までは価格は戻らないはずですね。

ところがこうした高騰は
いつのまにか収束してくるのが日常茶飯事なのです。
石油の例にしてもそうですが
これは明らかに誰かが操作をしているとしか
考えられません。
いつも産地での収穫状況は
最後までうやむやなままで収束してしまうのが現状です。

そして今まさに
スクワランがその憂き目にあっています。

今日現在においては
まだまだ末端消費者価格や
生詰め商品の在庫不足には影響していませんが
今月から化粧品会社に
一大パニックが押し寄せる模様です。

この原因が何かをちょっと裏筋から調べてみましたが
どうやら鮫を捕獲する漁場の
シンジケートが関わっているとか
確かに、いきなり鮫が漁れなくなるなんて
あり得ない話ですもんね。

でも化粧品に使われるスクワランに関しては
「オリーブスクワラン」という植物由来の代替品があるので
この先どうなるかは予断を許しません。
もともと価格的には鮫由来よりも高価なオリブスクワランでしたが
こうなると価格も逆転し
ユーザーにとってはメリットのあるオリーブ由来に
とって変わってしまうかもしれません。

そんな時にスクワランシンジケートはどうするのか・・・。

はてさてどうなる事やら。

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