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フェイスマスクをオススメしないそのワケ

今日のお題は前回のフェイスマスク繋がりで
シートマスク製品が根本的に抱える大きな課題について
お話したいと思います。

勝負ケアの筆頭アイテム

シートマスクと言えば
皆さんも一度くらいはお使いになったことがあるほどに
すでに定番の勝負ケア用アイテムと思います。

お手軽なプチプラの100円均一に始まり
1回分が1,000円という高付加価値のSK-Ⅱに至るまで
あらゆるコンセプトの商品が市場にあふれていますね。

スキンケア理論的に考えても
不織布に含まれた水分も含め保湿成分や
美容成分との接触時間もうんと長くなりますし
なにより隠蔽効果により皮膚の水分を封じ込めることで
潤い効果に大きな期待が寄せられるのは
理にかなっていると言えます。

前回記事にしたように
不織布自身が、目や小鼻の部位
さらには口元も大きく切り欠きされているため
効果を期待したいところに行き届かない問題はあるにせよ
その効果には期待できる勝負アイテムに
間違いはありません。

シートマスクの中身の課題

ただ、私自身は
メーカーといった得意先様から開発の依頼を受けても
必ず念押しの課題をお話することにしています。
ほかでもありません。
実際に購入頂くエンドユーザーさんのことを
真っ先に考えるからです。

それはやはり
中に封入されている美容液に課題があるためです。

それは何かといえば
皆さんにも少し頭をひねって頂ければ
十分に理解可能です。

根本的コスト概念

さて、その謎をご理解いただくために
まずは皆さんにひとつ質問です。

シートマスクに、何mLの美容液が入っていますか?

商品によって多少のバラつきはありますし
中には複数のシートがひとつに入っていて
100枚入りなんてのもありました。

とはいえ一般的には
1枚あたり20~30mLが封入されています。
で、これで一回分です。

頭の回転の素早いユーザーさんは
ここですでに気付かれたかもしれませんね。

そう、「1回の使用で20~30mLを使用してしまう美容液」
ということです。

皆さんは、勝負をかけたい美容液をお持ちと思いますが
30mLほど入った製品で
おいくらの美容液をお使いでしょうか?

お安い製品でも2~3,000円
中には諭吉さんを投資してお使いの方もおられることでしょう。

ここで思い返して下さい。
一般的に最高級品とされるSK-Ⅱのシートマスクが
1回分で1,000円なんですよね。
これには20~30mLの美容液が入れられています。

「20mLで1,000円の美容液」なんですよ。

え???

もう多くを書く必要はないですよね。
これで高級品のシートマスクなのです。

想像にかたくない実態

上では高級品の勝負マスクの価格を例にあげましたが
なかなかこういった高級アイテムには手は出ませんから
ワンコインのシートマスクを買うとなると
いったい、中身にどれだけのコストが掛けられているか
想像してみて下さい。

例えばドラッグストアにて
ちょっと奮発して1,000円で
5セット入った箱のシートマスクを購入したとします。

計算してみましょう。
1セットあたり200円

ということは
20mLで200円ということ。
イコール、100mL入りで1,000円の
プチな化粧水と同じレベルの中身ということになりますね。

つまり、シートマスクは根本的に
1回分の使用量があまりにも多いため
コストはうんと安く作らなければ
メーカーさん側としては採算がとれないわけです。

中に封入されている中身は
「美容液と思ってはならない」
というのが正しいのですね。

というわけで
私自身がメーカーさんと商談をする際には
決してこちらから能動的には企画しませんし
あまりユーザーさんにオススメすることもありません。

そういう意味でユーザーさんにアドバイスを求められた際には
マスクのシートだけを購入されて
お気に入りの化粧水などをお使いになることを
オススメしています。

100均には密着の良い
くり返し使える良いシリコンマスクが売られていますので
あれがいちおしのオススメ。

そして最後に
シートマスクってこんな原則の上に立つ製品ですから
市販製品のシートマスクの評価をすることも
まずありません。
だって、ウソは書けないですもん。。。

では、また。

by.美里 康人

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