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汗でカブれる夏の肌トラブル

汗カブレ

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美里康人

夏特有の皮膚トラブル
主には“汗”が招くトラブル、というお話

先週の記事の時はまだでしたが、今週はもうセミの声があちこちで聞こえはじめましたね。
ということは、いよいよ梅雨明けも間近で夏本番。
こうなると、お肌のあまり強くない方は、色々と夏特有の皮膚トラブルに悩まれる方も多いことでしょう。
特に私達のようなアトピー体質は、乾燥からくる冬のトラブルとはまた違う悩ましいシーズンとも言えます。

今回はそんな夏のお肌トラブルの大きな要因となる「汗による皮膚トラブル」のお話をしたいと思います。

汗によるトラブルとは

さて、夏の汗によるトラブルは、ほとんどの場合ムズムズと痒くなる症状がほとんどではないでしょうか。
一般的に“汗カブレ”などと呼ばれていますが、実はその要因にもタイプがあります。

もっともよく知られているのは「あせも」でしょうか。
ただしこの症状は皮膚にカブレを起こした病状とはまた異なり、あまりの大量の汗の発生で汗を出す皮膚の器官「汗管(かんかん)」が詰まってしまい、皮膚の内面に汗が溜まってしまったことで起きる症状と言われています。
なので汗かきの方に多い症状で、そうではない方でもあまりの暑さで大量に汗をかいた時に起きることを、記憶されていることでしょう。

またあせもの場合は、赤ちゃんや幼児に多くみられるのが特長で、大人になるとあまり経験しませんね。
これには理由があって、大人も子供も汗腺の数は同じですので、つまりカラダの小さな子供は汗腺が密集しているためです。
単位面積あたりで計算すると、1歳の赤ちゃんで大人の8倍にも及ぶほど集まっているということになり、これは起きても仕方ないですね。

ただ大人の方でも、日焼けのあとに小さな水ぶくれがたくさん出てムズ痒くなることがあるかと思いますが、実はこれもあせもの一種で、汗の水疱が角質層に溜まっている症状がこれにあたります。
日焼けあとの全面に出現しますので、関節や赤ちゃんのお尻に発生する痒くてたまらないあせもとは異なります。
こちらは表皮層に汗が溜まると言われています。

ここまでは“あせも”のお話をしてきましたが、汗カブレとはこうして誰にでも起きる現象のではなく、お肌の弱い方に起きる皮膚炎のことで、その解説に入りましょう。

汗でカブれるメカニズム

アトピー体質の私などは毎年のように経験しますが、夏になると自分のかいた汗でカブれてしまうことが多くあります。
汗の溜まりやすい関節部分や、よく汗の出るおでこ、汗でずっと濡れている状態になりやすい下着の部分などに発生しやすいのが特長で、いずれも汗が長く接触していることで起きるので要因が分かりやすいカブレです。

とはいえ、なぜ自分の汗でカブれるのでしょうか?
化粧品といったなんらかの成分でカブれるのならまだしも、自分の汗でカブれるとはよく意味が分からないかもしれませんね。

今回はそんなところに踏み込んでみましょう。

まずは、成分的にどういうメカニズムで起きるのか?という問題です。
とはいえ、実は汗は99%以上が水分で、成分としての固形分は1%未満です。
個人差が大きく季節によっても異なるものの、おおまかには0.3~0.8%程度とされています。

そしてこの1%以下の成分に含まれているのは主にこういった成分

 ・塩分(大半がナトリウム塩)
 ・尿素                       
 ・乳酸
   etc

尿素は排泄後に分解されて、アンモニアになると言われています。
汗がしょっぱいのは、やはり塩分を含んでいるからですね。
他にも、極微量ですが皮脂やアミノ酸・ビタミン物質なども検出されています。

しかし、たった1%未満のこれらの成分で皮膚がカブれたりするのも、不思議ではありませんか?

いえいえ、確かに汗そのものに含まれているのはこの程度の濃度ですが、お肌の上にいる間に水分は蒸発し、濃縮されてどんどん成分の濃度が濃くなっていくことを忘れてはいけません。
その間も汗は次々と噴出して成分は供給され、皮膚上のこれらの成分はどんどんと濃くなっていくわけです。
お肌の上で白く粉を吹いたように結晶になったのも経験するように、時間とともに皮膚上のこれらの成分濃度は異常に高くなっていくのですね。
そして塩分は浸透圧を下げますので、乳酸やアンモニアも皮膚に浸透しやすくなり、結果的に痒みの要因になって皮膚炎を起こすというメカニズムです。
また、他にも研究では汗に含まれる酵素が皮膚炎の引き金になることも示唆されています。

ということで、これらの汗の成分がお肌に悪さをしていることが分かってきましたので、対策はおのずと分かってきたと思います。
汗をかいたらしっかりと拭き取ることに加えて、水で洗い流してやることで対策になることが分かりましたね。

物理的要因も

汗02

ここまで汗の成分面からなぜ汗カブレを起こすか解説してきましたが、発症の要因は物理的なストレスも大きな要素と言われています。

それは、こうした痒みが起きる部位が関節だけでなく、衣服や下着に触れている部分に起きやすいこともそれを示しています。
例えば、ズボンやスカートのゴムが入っていて締め付けられている部分は皮膚が損傷を受けていますので、そういった部分に症状がでやすいのも、こういった要因によるものと言われています。
ご経験がおありな方も、多いのではないでしょうか。
他にも、化繊などでチクチクするとその部分に起きやすくなります。
これらは、角質層が損傷を受けるとそこから汗の成分が浸透しやすくなり、トラブルを誘発してしまうためと考えられています。

というわけで、洗顔やクレンジングの際にあまりゴシゴシこすったりするのもお肌に損傷を受け、こういった夏の汗カブレを誘発する要因にもなり兼ねません。
花王さんのビオレの新しいシリーズが、まさに「まさつレス」を大きく前面に出しておられますが、こういった要因を避けるためのことと考えると理に叶っているのかもしれませんね。

ユーザーさんと色々とお話をしていると、昨今は洗顔クリームを手だけでキレイに泡立てられる方が少なくなっているとか。
いい泡立てネットを使い、できるだけクリーミィな泡で洗顔することも、ひとつの対策になるかもしれないですね。

今回の話題は以上で、また次週。

by.美里 康人

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