2006年にスタートしたメールマガジンのアーカイブページ。
『コスメの真実・裏側』は、このメルマガがきっかけで出版された書籍でした。
◆◆FILE No.094 / 2009年12月配信◆◆
この記事の目次
メルマガ シーズン2 プロローグ
ユーザーの皆さんに正しいコスメの見分け方
正しい成分の知識を身につけて頂くためのメルマガ
いよいよシーズン2がスタートします!!
そのシーズン2の内容は??
誰もが知ってるあんな最新コスメ、こんな成分、その開発秘話や裏話、そして歴史などを交え、自伝式に公開していきます!
充電期間を置いてお待たせしましたが、この度二幕目となるシーズン2が始まります。
え~・・・
そうなんだ!!
そんなにすごかったの?
それだけの事???
こんなビックリ秘話が盛りだくさん。
もちろん今までのような目からウロコのマメ知識も業界の流行に合わせてに織り交ぜていきます。
では、いよいよスタートです!!
プロローグ
今回から始まるメルマガのポイントは、皆さんも耳にした事がある目新しいコスメや話題の成分。
そんな化粧品技術の開発秘話、そして裏話「実は・・・」といった研究者ならではの経験話です。
例えば、「ビタミンCってなんであんなに種類があるの?」「なぜ大手ブランド商品にはないの?」とか、ナノコスメの秘話などなど・・・。
まるで巨像のような困難の壁を前に逃げてしまいたくなった日々の苦難話、はたまた大失敗のあげくのとんでも商品秘話、そしてエジソンも顔負けの大発見などなど、まるでドラマのような経験談を織り交ぜ自伝風に進めていきます。
化粧品の研究者とは!?
さて、では最初に、なぜ今回こういった自伝のようなものを書こうと思ったのか、その辺りに少し触れてみましょう。
私達化粧品の研究者と呼ばれる職業には、実は4タイプに分かれる職種の方が存在します。
基礎研究者タイプ
まずはメーカーの研究所に所属し、成分や皮膚の事などについて研究をしているタイプ。
メーカー所属の基礎研究者は、ひとつの成分や皮膚の生化学のこと、
また、皮膚への有効性など、コスメの製剤とは異なる基礎研究を専門としています。
処方開発者タイプ
つぎは、同じくメーカーに所属し、化粧品をカタチにするための処方化研究をしているタイプ。
処方開発者は、基礎研究所で開発された新しい成分を使い新たな製品の処方を組み立てる過程を担ってるわけです。
もちろん、既存にある成分の組み立てや配分、組み合わせによって全く新たな製品を開発したりもします。
ということは、基礎研究の方と処方開発の方とでは必要とされる知識、そして日々の研究の中で得られる知識に大きな違いがあることになります。
総合研究者タイプ
大きなメーカーになると、専門分野に部署が分かれ研究というカテゴリーの職種でも、専門分野を追求すべく、さまざまな研究活動をしています。
対して中小メーカーの研究所に在職している方の場合は、基礎研究も処方開発も全て一手にやらなければならないためこうした方々は、「総合研究者」タイプということになります。
大手と違い、そこまで規模的に大きくないメーカーの場合、素材開発も処方開発も全て自分達でしなければならないため、ある意味オールラウンドに知識が必要となります。
大手メーカーの専門研究員の方に比較すると、その知識は奥深くありませんが、偏りなく全般的に広い知識を得ることになります。
OEM研究者タイプ
最後は、メーカーではなく受託製造会社の研究所に所属している「OEM研究者」タイプです。
ここで受託製造会社というのは、いったいどういった化粧品会社なのでしょう?
例えば、TVCM等でよく見かけるブランド、そして有名女優などを使った宣伝を行っているようないわゆる大手ブランド以外のマイナーなメーカーの場合、自社で商品の開発・製造をできる工場や設備を持っていません。
そのため、こうした受託製造専門の化粧品会社に仕事を依頼し、商品作りを任せていることが多いのです。
早い話が実際にこの商品を販売しているメーカーは、「化粧品販売会社」ということになります。
こうして受託専門の化粧品会社というのは、たくさんの中小販売メーカー各社の研究・製造を請負い
成り立っているというわけですね。
あて、OEM研究者の特徴に話を戻しますが、中小メーカー所属の研究者と同様に基礎研究から処方開発まで、全て一人でこなさないといけないのは当然ですが、OEM会社特有の特徴としては、様々な販売メーカーの開発の依頼を受けるため開発を手掛ける処方数が数十倍もの数に及ぶのが特徴的です。
確かに販売メーカーの場合、年間に10品目も20品目もの数の新商品を発売するなんてことは、まずありません。
でもOEM会社の場合は、何十社もの販売メーカーからの依頼を一手に請け負うわけですから新商品の開発を手掛ける品目は年間で何百もの数に及びます。
もちろん全ての開発処方が市場に採用されるわけではなく、販売メーカーの様々な理由により、商品化を断念する処方がかなりの割合を占めています。
企画倒れ・流行の立ち遅れ・イメージと実際の再現商品とのギャップ、他には販売戦略の変更などが商品化を断念する理由のほとんどとなります。
研究開発を手掛けたOEM会社にとってこれは、研究にかけた作業が全くムダになってしまうことになります。
ただここで注目すべき点は、研究者個人にとっては、メーカー所属の研究者に比べて何十倍もの数の研究をこなすために知識と経験が非常に多く得られることです。
またOEM会社の場合、メイクやスキンケアといったカテゴリー毎に、部署が区別されていることも少ないため様々なカテゴリーの商品を手掛けることができるメリットもあるというわけです。
コスメあら!?カルト?? のネタ元は。。。
さて序章にも関わらず話は長くなりましたが、実は幸か不幸私は、この最後のOEM会社の研究所を渡り歩いて研究職に携わってきたため実に多くの商品開発を手掛けた結果となりました。
そしてこれもたまたま運良くなぜか最先端成分・最新商品の基礎開発に携わる結果となったことが、自分にとっての大きな財産になったわけです。
中には大手ブランドメーカーもまだ手掛けていなかった成分なども手にすることがあり、今思うと、非常に貴重な体験をしてきたいえます。
また、研究所の陣容によってはメイク物やボディケア物といったカテゴリーまで手掛けなければならないことも多く、こうした経歴も幅広い経験の積み重ねとなった次第です。
とはいえ、その分さほど深くないというきらいはありますが、せっかくのこうした経験ですから今をときめくそんな話題の成分や商品の裏話、そして開発秘話などを皆さんに知って頂こうと今回思い立ったわけです。
販売メーカーさんがアピールできなかった驚きの先端技術や苦労話、また反対に、うたい文句とはかけ離れた裏切り商品の数々とユーザーの皆さんにとってはおもしろおかしく、そして大変ためになるお話が満載の内容になることでしょう。
必ず、日々のコスメ選びの良きツールになるはずです。
<2021年9月追記>
メルマガシーズン2の内容は、2011年よりブログ版「コスメあら!?カルト??」で公開中ですので、
メルマガアーカイブシリーズは、今回で終了となります。
引き続き、本ブログで記事をUPしてゆきますので、今後もご愛読ください!