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エキスの種類が多いほど効能・効果はあるのか?(FILE No.059)

メルマガアーカイブ

美里康人

2006年にスタートしたメールマガジンのアーカイブページ。
『コスメの真実・裏側』は、このメルマガがきっかけで出版された書籍でした。

◆◆FILE No.059 / 2007年7月配信◆◆

エキスの種類が多いほど効能・効果はあるのか?

まず今回は、エキスがたくさん配合された市販コスメについて
ちょっとばかり犠牲になっていただきましょうか。

あるネット広告欄のところに『150種の和漢生薬』などという文句が
デカデカと流れていましたね。

さてさて、これが果たして
お肌に効果を発揮してくれるのでしょうか?

今日お読み下さっている皆さんには
ちょっとした業界秘話をお話しましょう。

このエキスですが
まぁ一般的にはどこの化粧品メーカーも
共通して同じところで作っているエキスを使用します。
いわゆる、こういったエキスを研究し
作っている専門の原料メーカーさんですね。

確かに
国内トップ三社あたりの大手メーカーさんともなると
自社専用の栽培畑やエキス抽出工場を持ち
自社独自のエキス類を開発したりといったこともあります。

例えば花王の美白エキス「カモミラET」や
カネボウの「マグノリグナン」などは
良い例かと思います。

でも少なくてもそれ以下の規模の中小メーカーともなると
そんな設備や資金があるはずもなく
全てはエキスを開発し、販売している
エキス専門の原料メーカーから購入することになります。

そしてこれらは
どの化粧品メーカーでも同様に入手することが可能で
どこかの化粧品会社が独占しているなどという事は
ほとんどあり得ません。

という事で
前置きが長くなりましたが
エキスというのはどこのメーカーでもだいたいが同じで
そのエキス中に含まれる有効成分含有量というのは
ほとんど同じという事になります。

*

みなさんご存知かと思いますが
エキスというのは
乾燥して粉砕した植物を
エタノールやBG・水といったなんらかの溶剤を使い
浸けこんだもので
その溶剤に有効成分が溶け出したものです。

もちろんお茶や紅茶などのように
お湯などで簡単に煮出せるものではなく
圧力を加えたり温度を加えたりし
有効成分がたくさん溶け出すように工夫がなされています。
そして水ではあまり有効成分は抽出されにくいので
ほとんどのエキスはBGやエタノールで
抽出されています。

こんな感じのエキスですが
実は溶剤中に溶け出した有効成分量というのは
だいたいどの植物でもそんなに違いはありません。

一般的に溶剤中に抽出されている有効成分の量は
成分分析すると、平均して約1%程度となっています。
それ以外の99%が溶剤という事ですね。

という事は
このエキスを処方中に1%配合したとすると
有効成分が含まれている量は
0.01%という事になります。
だいたいこの程度有効成分が処方中に配合されていると
その効果も期待できます。

さて、ここからが問題です。
では、10種類の植物エキスがうたわれた化粧水が
ここにあったとしましょう。
そうなると、合計でエキスは最低でも1%×10種=10%
合計でエキス原料が10%以上配合されていなければ効果はありません。

上でも書いたように
エキスはエタノールやBGといった抽出するための溶媒が99%です。
という事は処方中に
9.9%以上のBGやエタノールが含まれている事になりますね。

BGの場合の10%は
使用感的にこの程度が限界で
これ以上含まれているとベタついて気持ち悪くなります。
また、エタノールの場合の10%は
アルコール臭や刺激が強くて
とてもじゃありませんが、使えない方が多いでしょう。

いずれにしても、この程度が限度という事になります。

ところが市場の商品を見ると
20種類も30種類もの植物エキスが
ズラズラと書かれていたりします。

あるメーカーでは100種のエキスが配合されている事を
うたい文句としているところもあります。
そして冒頭に書いた30代以上を対象とした某メーカーのコスメは
150種だそうです。

ここで再度、脳内電卓をカチャカチャとやってみましょう。

1%×100種=100%

おやおや????
エキスだけで100%になっちゃいましたね。

という事は
溶媒のBG、もしくはエタノールが99%???
化粧品として、そんなのあり得ないですね(苦笑)

という事は、皆さんもうお分かりですね。
えぇ。
この100種のエキスは
ほんの少量ずつしか配合されていないって事です。

使用感が特に普通なコスメだったとしたら
エキス0.1%×100種=10%
この程度が限界でしょう。
だとすればエキスの効果は1/10
全く期待できないという事になります。

おまけにここでさらに深く考えてみましょう。

まぁ、効果は期待できないけれども
もしもかりに各0.1%配合されていたとすると
上の計算どおりBGもしくはエタノールが
10%弱含まれている事になりますね。

化粧品の全成分表示は
このエキス中の溶剤をきちんと計算し
成分表記しないといけない事になっています。
ですから、BGやエタノールが必ず表示されています。

皆さんすでにご存知のように
成分表示は配合量の多い順に並べるよう
薬事法で決められています。
通常化粧品の製剤の中で
10%以上も配合する成分というのはごくまれで
特に化粧水であれば
まずこんな多量に配合する成分はありません。

となると
この10%の溶剤であるBG、もしくはエタノールは
必ずといっていいほど水の次の2番目に位置する事になります。

手持ちのコスメを確認してみて下さいね。
「ありゃりゃ??後ろの方だ!」
とか。

これは、0.1%よりもさらにごく微量
エキスしか配合されていないという証しです。
いわゆるバカでかいタンクに
ほんの数滴・・・って感じでしょうか。

電卓片手に
お手持ちのコスメをチェックしてみて下さいね。

*

ただ誤解なきようにお願いしたいのは
何度も申し上げますが
私はコスメを否定しているのではない事をご了承下さい。

くれぐれも、いいコスメ選びの指針という事で。

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