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牛乳ってすごいというお話(FILE No.046)

メルマガアーカイブ

美里康人

2006年にスタートしたメールマガジンのアーカイブページ。
『コスメの真実・裏側』は、このメルマガがきっかけで出版された書籍でした。

◆◆FILE No.046 / 2007年4月配信◆◆

牛乳ってすごいというお話

『乳化』
皆さんもこの言葉
どこかで目にされた事がありますよね。

そう、化粧品でいうと
乳液やクリームなどがこれですね。

でももっと詳しく
『乳化ってどういう事?』
と説明を求められると

「界面活性剤を使って油を水に溶かしてある事」

一般的にはこういった理解になるでしょうか。
でも乳化に関してはこの「溶かす」という言葉
厳密にいうと科学の世界では
実は間違いなんですね。

例えば
先ほどの油を水に溶かすという言葉に対して
『塩を水に溶かす』
これは同じでしょうか?

う~ん・・・
塩は水に溶かすと透明になりますよね?

「そんなの当たり前じゃん。」

まぁまぁそういわず
ちょっとその違いについて
お付き合い下さいな。

今回から2回にわたり
『モノを溶かす』
という事について
ちょっとお勉強してみましょう。


『溶かす』という言葉についてお話する前に
最初に書いた『乳化』という言葉について
もう少し詳しく説明していきましょう。

皆さんの意外に身近なところでは
実は牛乳もこの乳化物になります。

牛乳は自然のものにもかかわらず
もっとも安定で
理想的な優れた乳化物だと言われています。

皆さんも
ご家庭で牛乳が分離したところなど
見たことないですよね。
牛乳はすぐに腐ってしまうので
何年で分離するのか観察することは不可能に近いですが
牛乳はいつまでたっても
分離する事はないと言われています。

牛乳とは

乳脂肪という油を
カゼインという界面活性剤の役目をするタンパク質で
水に乳化している状態

と説明できます。

ではなぜさきほどは「優れた」と書いたのでしょうか。

実は全ての乳化物とは
必ず将来的には分離するものなんですね。

それは塩を水に溶かしたのと違って
乳化というのは
油が小さな粒になって
水の中に分散されているだけだからです。
そして油の粒の周りに界面活性剤が存在するために
なかなか分離しないように
安定な状態になっているだけなのですね。

その状態を簡単に図にしてみました。

乳化のイメージ

『コスメティックアカデミー』テキストより

界面活性剤を使って
水の中に油を乳化させた状態です。

こうして水の中に乳化された油の粒は
油と水では比重が異なるので
いつかは必ず二つに分かれる結末になるからです。

そう、油は水に浮きますよね?
つまり油は水より比重が軽いので
物理的には必ずこの二つの液体は
分離する方向に向かいます。

ようは
『分離までの時間をどこまで延ばせるか。』
というだけの事なんですね。

通常みなさんがお使いの乳液やクリームですが
数年間は分離しないように設計されているだけで
これらはいつかは必ず分離します。

それは明日かもしれませんし
逆にみなさんが生きている間がどうかは
分かりませんが(笑)

という事で
特に粘性のない液状の牛乳は
「粘度」による動きにくさもないので
本来もっとも分離しやすい条件です。
それでも長期間にわたって分離をしないという事は
よほど安定性が高く
人間の手では絶対に再現できないほど
優れた乳化物と言われるゆえんです。

自然のチカラって
本当にすごいですね。


では、先ほども書いた
『溶ける』という事とどう違うのでしょうか?
そして
油は水に溶ける事は絶対にないのでしょうか?

実はそんな事はありません。
次回は続いて
「溶解・乳化・分散という事」
についてお話します。

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