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「皮膚の水素結合」ってなんぢゃ?(FILE No.040)

メルマガアーカイブ

美里康人

2006年にスタートしたメールマガジンのアーカイブページ。
『コスメの真実・裏側』は、このメルマガがきっかけで出版された書籍でした。

◆◆FILE No.040 / 2007年2月配信◆◆

「皮膚の水素結合」ってなんぢゃ?

さて、今回からお肌の科学についての話題に目線を少し移してみましょう。
もちろん、なかなか一般のユーザーが耳にする事のない
視点を変えたお話にしていくつもりです。

そして今回は、お肌の保湿にとって大変重要な意味合いをもつ「水素結合」についてのお話です。


以前に、尿素の保湿メカニズムのお話を致しました。

メルマガアーカイブ保湿剤の有名人~その1:尿素(FILE No.011)

その中にも出てきました水素結合ですが
今回はもう少し具体的に
なおかつ分かりやすく説明致します。

まずは下図をご覧ください。

水素結合

髪の毛を構成している ケラチンタンパクの状態を簡易的に表したイメージ図

以前にも説明しましたが
皮膚も髪も同じようにケラチンタンパクからできていて
違いはアミノ酸の組成や並び方が違うだけです。

それが硬さの違いに表れていて
髪や爪は硬いケラチン「硬ケラチン
皮膚は柔らかいケラチン「軟ケラチン
と呼ばれています。

今回は、髪の毛のケラチン繊維を例にして上図を用いて、分かりやすく説明しましょう。

上図のスパイラル状になっている縦方向の繊維が
タンパク質のメインとなるアミノ酸が繋がった配列です。

繋がっているアミノ酸の種類は19種類と言われていて
それが順にらせん状に鎖のように繋がっているわけです。

ただしその組成は髪と皮膚では異なっていて
髪はグルタミン酸やシスチン・アルギニンなどが多く
皮膚の場合はセリンなどが多く存在しています。

で、それぞれの縦の繊維同士は横方向にも繋がっています。
でないと、繊維が分裂してしまいますね。
その横方向の繊維同士の繋がりでもっとも強いのが
繊維内にあるアミノ酸の中のシスチン同士が横に連結する
シスチン結合」です。

パーマをかけてウェーブをつける時に
薬剤で切ったり繋いだりするのがこの部分の結合です。

そして今回の本題の部分が赤で示した水素(H)同士の繋がりで、
アミノ酸の中に含まれるカルボキシル基(COOH)という化学組成の部分にくっついてる水素(H)同士が引き合う力の事を言います。

これはシスチン結合などと比較してあまり強い結合ではなく
水がここに来ると
水の中の水酸基(OH)によって離されてしまいます。
そのために水に濡れると
髪はクタ~っと力を失ってしまう事になるわけです。

そして
今度は乾かして水分を取り除くと
再び元の硬さが戻ります。
これが、水で髪を濡らし
そしてドライヤーで形を整える行程のメカニズムです。

これは全く皮膚も同じ事で
水や他の保湿剤の作用によってこの水素結合がゆるむと
皮膚が柔軟になるんですね。
もちろん皮膚の場合も
乾燥状態になると再び元に戻りますから
この水分を維持しておく保湿剤が必要というわけです。

化粧品に使われる保湿剤で
この水素結合の部分に作用するのは
尿素の他にも
アミノ酸のセリンやグリシンなどがあります。

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