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保湿剤の有名人~その3:セラミド(前編)(FILE No.013)

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◆◆FILE No.013 / 2006年7月配信◆◆

保湿剤の有名人~その3:セラミド(前編)

今回は
ここ十年ほどで徐々に認知度が高くなったセラミドを取り上げてみました。

「セラミドと言えば花王」
というくらい、花王さんが随分と以前よりあらゆる化粧品に配合している事を謳い文句にしてきましたね。
では

このセラミドって、本当はなんなの???
本当に効果があるん??

ある程度ご存知の方も多いかもしれませんが
いつもの通り、先に進むにはまずここから軽く復習していきましょう。

セラミドの役割

セラミドは
スキンケアにとって一番効果を期待する皮膚表面の角質層に存在しています。
そして、皮膚の柔軟性を維持している細胞間脂質の40~65%がこのセラミドです。
つまり
下記の図で分かるように皮膚の細胞の間を満たす脂質で、バリア機能の役目を果たしている、
これが細胞間脂質であり、セラミドです。

肌の断面図

細胞間脂質のその他の組成構成は

遊離脂肪酸 約20%
コレステロール 約15%
コレステロールエステル 約10%

となっています。

という事は
細胞間脂質中の大部分をセラミドが占めているという事になりますし
その存在の重要性は計り知る事ができます。

スキンケアではよく水分水分といった事を耳にしますが
肌健康のバロメータとなる弾力を維持するためには
こうした脂質成分は大変重要なポイントの一つ。

最近の医学の研究において
アトピー性皮膚炎の患者はセラミド量が低くくなっている、というデータが発表され
セラミドが、アトピー性皮膚炎の改善に効果をもたらす事が分かっています。

さらにセラミドは
実はお肌の水分保持にも重要な役割を果たしている事を説明していきます。

セラミドはどんな物質?

では、セラミドっていったいどんな物質なのでしょうか?
実は、脂質と言っても一般的によく言われる脂肪酸などの「油」とはまた別のもので
スフィンゴ脂質」という生体化学物質の一部です。
(なんだか、よく分からんなぁ・・・)

ここで成分の構造式などを書いても難しくなるだけですので
簡単に解説しておきます。

いわゆるスフィンゴ脂質
基本的にワックスのような構造をもった脂肪酸に
アミノ基や水に溶ける水酸基が特殊な形で結合した物質
という事ができます。

そのために
油のように水には溶けない性質を持ちながらも
水と非常に結合しやすい構造を持っていて
いわゆる界面活性剤と同じようなカタチをしている物質と言えます。
そのために、皮膚の水分保持に大変重要な役割を占めているという訳ですね。

実は、お肌への水分補給とは
単純にグリセリンなどといった水性の保湿剤を表面的に塗布するだけでなく
油分や、こうした双方の性質を合わせ持った成分を補給する事で
皮膚内の水分保持を果たす事が必要なのですね。

それにしても・・・
レシチンと同様、皮膚の中でこうしたおもしろい成分が勝手に作られているんですねぇ。
生物って本当におもしろく複雑なものですね。
そして、それをケアする化粧品の奥深さを垣間見る断片
という気がします。

難しいお話はこれ位にして
実際に皆さんの化粧品に使われるセラミドについて
興味ある話題に入っていきましょう。

*

あ・・・
ページが・・・

期待させておいて申し訳ありませんが、続きは次回へ(笑)

次回はセラミド配合と謳われている市販コスメの実情にメスを入れていきます。

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