週3で異なる目線の美容記事をお届け
遊びとしてのフェイスペイント
最近では子供にも・・・
薬機法でこれはどうなる?
フェイスペイント・タトゥシール
今回の話題は、数年前からサッカーの試合を応援しにいく人たちによく見かけるようになった、あのフェイスペイントの話題です。
フェイスだけでなく、腕などにもチーム名を入れたり応援チームのキャラクターを書き込んだりといった人たちもよく見かけますね。
これはボディペイントと呼ぶようです。
最初は熱狂的なファンの方が主流でしたが、最近では子供たちにも見掛けることが多くなっています。
さらにこの文化は、ハロウィンイベントなど多くの人があらゆるシーンで楽しんだりと、かなり一般化してきています。
時には親御さんが子供さんに施してあげ、中には顔一面に塗られているケースもみられることがあります。
さすがに日常的なオシャレとしてやる人はほとんど見掛けませんが、それでも何かのイベントがあれば盛り上げグッズひとつとして、流行と言えるような状態ではないかと思います。
また、インスタグラムといった画像SNSが流行っていることも、ひとつの流行のキッカケかもしれませんね。
そしてもうひとつは、タトゥーシール。
タトゥシールという言葉は一般的ではありませんが、例えば星のカタチやハートなど、もっと簡単なアートシールは、イベントといったシーンではかなり一般化しています。
こちらも、アートよりも手軽に貼ったりはがしたりできることから、バラエティショップでもよく見掛けますね。
化粧品なのか雑貨品なのか
さてこれらの商品は、はたして化粧品なのでしょうか?
それとも雑貨商品?
市場の現状がどうかは後で触れるとして、法的にいえばこれは誰が判断しても「化粧品」でないといけません。
法的根拠の小難しい解説は避けますが、薬機法には「皮膚に適用するもの」として全ては明確に示されています。
皮膚に塗布するものすべては、医薬品・医薬部外品・化粧品のいずれかの製品に該当して法を順守しないといけないことになっています。
中には「ボディペイントからの派生だから。」と主張されるむきもあるかと思いますが、薬機法ではフェイスもボディもなんら変わりません。
爪・髪の毛ですら塗布アイテムは化粧品に指定されていますので、ボディ向けだからなんて言い分は通りません。
普通に考えれば、フェイスペイントってどこの誰がどう見たってメイク化粧品と異なるところは、何ひとつ見当たりませんよね?
雑貨品の化粧品用途使用は、違法になります。
いや、使う方が・・・というのではなく、売る方・製造する方が・・・です。
私自身はあぁいった趣味はないので、全く興味がなく知らなかったのですが、あらためて市場を調べてみると恐ろしいことになっていることに気付いてしまいました。
市場商品の現状
これはもう、驚いたという言葉しかありません。
売るためならなんでもあり。
絵具やクレヨンをそのままフェイスペイントとして売られているような製品をはじめ、製品のパッケージや商品HPには、子供さんの顔があちこちに踊るように描かれているものが溢れています。
さすがに販売競争が激しくなってきたことを受けて、「安心」「安全」という言葉が製品に踊って差別化を図っているようですが、「安全」の考え方が全く方向性違い・・・。
薬機法という言葉も知らないだろう・・・としか到底思えない文字で埋め尽くられているのには、驚くしかありませんでしたね。
もちろん、どの商品をみても雑貨品ですから、製品に全成分の表記など全くされてないものが大多数。
本来はこちらのブログで製品を出してしまうようなことはあまりしていないのですが、今回だけは言葉で書いて疑われるのもイヤですので、恐れずに製品の画像。
まだこれは輸入モノ。
こちらはなんと
Made in japan!
え?
商品の品質差別化をしたいのでしょうが・・・。
恐れずに日本製って書いちゃっていいの?
知らぬが仏?
それとも、厚労省が許した?
最初に書いたように、コレって誰がどうみてもメイク商品と何ひとつ変わらないですよね?
逆に聞きたいです。
化粧品じゃないのはなぜ???
きちんとした業者もある
実はこのような時代背景の中でも、きちんと薬事を意識してこの業界を是正しようとされている業者さんもあります。
日本フェイスペイント協会:https://www.facepaintevent.org/
あくまで化粧品ではないという立ち位置に変わりはありませんが、使用については美容師の免許を持つプロに施してもらうということが、原則とされています。
さらには協会も運営し、業界の自浄活動にも努めています。
やはり業界的には問題があると認識されているからこそ、こうした活動をされているんですね。
無秩序に輸入・販売されている商品を規制すべきかは厚労省が判断するところですが、化粧品ですら昨今は大きな皮膚障害被害が社会問題になっている昨今、このまま放置しておいて良いわけがないことは、間違いないと感じます。
それと、親御さんが子供に対してなんの危機意識も持たずにこうした遊びをやらせている状況は、何かがズレていると考えるべきでしょう。
これを皮膚に塗布して危険と考えない大人が多数いる社会そのものが、なんとも解せません。
くれぐれもご注意下さい。
商品の中には皮膚に塗布することに配慮された成分で設計されているものもありますが、化粧品ではリスクがあるために使用されない成分がたくさん見られます。
まして子供さんへのご使用は、ぜひともお止めになることをおすすめします。
一応、ザっと拾ってきたリスキーな成分の一部をあげておきます。
・プロピルアルコール
・TBHQ(旧称:T-ブチルハイドロキノン)
・ミツロウ
あくまでこれはごく一部です。
化粧品に対する成分を議論するユーザーさんが多くなった反面、こうした皮膚に塗布するものに対する意識が全くない社会現象の矛盾に、どこか道徳的な教育の歪みのようなものを感じてしまう、美里でした。
では、また次週。
by.美里 康人