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【新春スペシャル第二弾】化粧品鑑定家を名乗るお方のプロデュースコスメを斬ってみた~その2

今年は暖冬で
豪雪地方でも雪が少ないそうです。

私は夏男で冬は苦手ですので
これ幸いと思ってはいますが
それでも寒いです。。。;

前置きはこれくらいにして
前回のスペシャル企画の続きです。

前回の記事はコチラ
【新春スペシャル第二弾】化粧品鑑定家を名乗るお方のプロデュースコスメを斬ってみた~その1

いよいよ、詳細の分析ですね。
ポイントは3点です。

①セタノールと界面活性剤で乳化

いやはや、これは驚きました。
まさに、昔のリンスかよ!という感じですね。

セタノールはその昔
クリーム状のリンスの界面活性剤として
ほとんどのお安い製品に使われていました。
なぜなら
クリームがう~んと安いコストで
なおかつ簡単に設計できるからです。

ほらね。
某社のヘアトリートメントです。


セタノール
ジメチコン
ベヘントリモニウムクロリド
グリセリン
加水分解ケラチン
アルギニン
アジピン酸
グルタミン酸
トリカプリリン
アモジメチコン
ステアルトリモニウムクロリド
(C12-14)パレス-7
(C12-14)パレス-5
セトリモニウムクロリド
トリデセス-12
リン酸

~以下、割愛

しかしながら
旧表示指定成分の制度が施行され
セタノールは一部にアレルギー性の接触皮膚炎が報告されたため
これに表示義務として指定されたんですね。

以降、業界ではセタノールは
頭髪用の洗い流し製品以外には
ほとんど使われなくなった成分の代表です。
特に大手さんはヘアケアのトイレタリーでも
ほとんど使わなくなりました。

なのに、スキンケアに使うんですか???
しかも表示順はオイルの次ですから
結構な量の可能性※あくまで可能性もあります。

②カルボマー

まー、市場のクリームのほとんどがコレ
つまり「ビニル系・アクリル系ポリマー処方」ですから
(私は全く使用しませんが)
「やはり、あなたもですか・・・。」
ということなのでしょうが
他社非難するくらいなら
合成ポリマー系クリームを避けられないのか?
と思ってしまいますし
アピールするほどのことではないですね。

③セラミド配合量

ブランドコンセプトの柱となっているのがコレ。
ここ、特に重要なポイントのはずですね。

なのに、この配合量ですか?
というのが正直なところ。

ここで声が聞こえてきそうです・・・。

「配合量は分からないでしょ?」
「もともとセラミドはたくさん配合できないので、1%以下は普通でしょ。」

いえいえ、私が書くこちらの記事は
一切、根拠のないことや勝手な想像
そして担保のとれないことは書かないのが
ポリシーです。
(誰かさんと違い・笑)

きちんと示しましょう。

この製品のセラミド配合に使われているのは
原料名は明かしませんが、こちらのプレミックス素材。
※プレミックス:原料メーカーであらかじめ幾種類かの素材が混合された原料


セテアレス-25
グリセリン
セタノール
ベヘン酸
コレステロール
セラミドEOP
セラミドEOS
セラミドNP
セラミドNS
セラミドAP
カプロオイルフィトスフィンゴシン
カプロオイルスフィンゴシン

もちろん、これは非常に良い原料ですし
何も批判することはありません。

ただ、これをどれだけ配合しているかが問題。
まして、「セラミドがウリ」です。

これを使うと、製品の成分表示順で
その程度が分かってしまうんです、実は。

この原料の成分比率でもっとも多いのが「水」
つまり水ベース原料です。
そして次に、セラミドを分散させる界面活性剤。
残りわずかな部分が7種類のセラミド成分です。
※スフィンゴ脂質含む

ということは、セラミドをたくさん配合する目的で
この原料を多く配合すると
これに含まれている多くの合成界面活性剤
つまり「セテアレス-25」
1%以上のところに表示されることになってしまうわけです。

でもこの全成分では
この界面活性剤すらも1%以下・・・。

ということは
「セラミドはめっちゃ微量」
と判明するわけですね。

とはいえ、以前にもこちらで記事にしましたが
ヒト型を含む正式なセラミドは非常に溶解が難しいため
何もそこに拘って高濃度配合する必要はありません。

だって、どうせ目的はスフィンゴ脂質がもつ
特異かつ優秀な保湿性能が目的ですから。
皮膚の生体と同化するわけじゃないですからね(笑)

いわゆる花王さんのように
コストのあまり高くない「セラミド類似成分」を採用し
むしろ配合量を多くすることによって
その同等以上の効果は期待できるので
曲がりなりにもそれでも実行されていれば
素晴らしい!となるのですが

残念ながら
「ラウロイルグルタミン酸ジ(フィトステリル/オクチルドデシル)」
こちらのセラミド類似成分も1%以下・・・。
(3~5%配合すれば、目に見えて効果が出るんですけどねぇ・・・)

ということで、評価は以上で
特に悪いとは思いませんが
コレが大手さんの高級ブランド並みのあの価格???
と、驚いた顛末でありました。

え? なになに?

「上の考え方を、あのセラミド美容液にもあてハメて全成分見てみたら・・・;」

さぁ~ね~
私は何も言いません。

「しかも、その他はグリセリンとBGだけで・・・5,000円;」

こちらをずっとご覧頂いているユーザーさんは
とっくに気付いています(苦笑)

残念ですが
イケメンと巧妙な口上にダマされた
アナタが悪いのです。

しかし、ユーザーの皆さんが
いくら良いコスメを見極めるための記事をしたためるとしても
やはり人様を批判したり
悪口を書くような行為は後味が悪いですねぇ・・・。

次回はニュートラルに戻し
気分を変えましょうね。
ではでは。

by.美里 康人

8 COMMENTS

管理者

(2020年01月28日 23時46分53秒 これは同意さん から頂いたコメント)
わたしもプロの人間ですが、細かい成分の評論はあれどとりあえず思うことは、

この商品はこの価格に見合う成分や効果は100%ない。

と思います。
他のメーカーの商品を批判しておいて、自分の商品を売ること自体がマッチポンプだと思いますけど、あんなにブログとyoutubeで力説しているのにこんなしょーもないフェイクみたいな商品を信者相手に高価格で売って暴利をとっているのはちょっと悪者感ありますよね。当の本人はそういうビジネスを割り切っているんでしょうけど。。その点はとても共感しました。

返信する
美里 康人

(2020年01月29日 09時54分27秒 返信)
これは同意さんへ

ご訪問、ありがとうございます。
そうですね。
ぶっちゃけ、何かの事業で飯を食わねばならないので、ブランドを立ち上げる目的だったことも致し方ないとは思います。
ただ、ならばユーザーさんに対して、裏切らないモノ作りをして欲しかった。

まぁ、とはいえ、OEMの業界そのものも本当に腐敗してますから、彼をもってしても技術力のある工場を探し得なかったということでしょう。
また、本人にコントロールできる資質もなかった…ということ。

正直、情けないほどに「ない」ですもんね…。

ま、グダグダ愚痴っても仕方ないので、私ができることは消費者が納得し、喜んで使って頂けるコスメを開発する努力に勤しむだけ。
お互い、いい方向性に向かいたいものですね。

返信する
管理者

(2020年01月29日 16時37分18秒 うさぎさん から頂いたコメント)
美里康人(cosmetic-web)さんへ
ご存知かもしれませんが、かずのすけ氏があなた様のブログ記事に対して、はっきりと反論しておりますよ。
それを読んでのあなた様の反論記事を楽しみにしています!

返信する
美里 康人

(2020年01月29日 18時43分08秒 返信)
うさぎさんへ

ご訪問とともに、報告も含め心より感謝致します。
ありがとうございます。

ただ、ご期待頂いたのにまことに申し訳ありませんが、反論は致しません。
別に、私が間違っていると彼が思い、それに同意されるユーザーさんがおられるなら、それで良いと思いますし。

それは、過去の【アルカリ性質電解水】の時の経験があるからです。
どう論理的に説明しても、ご自分ビジョンから脱却して理論を理解してみよううとされませんので、時間を惜しみます。
そこは化学屋さん特有のプライドもあり、仕方ないところとも思いますし。
私の進化は、プライド・羞恥心を捨てるところから始まるという技術屋ポリシーですので、おそらくどこまでいってもすれ違うお方です。

申し訳ありません!

返信する
管理者

(2020年01月30日 04時21分46秒 うさぎさんから頂いたコメント)
美里康人(cosmetic-web)さんへ

立場が違えば、視点も変わるので、理解しあえない部分は当然ありますよね。

素人目にお二方の記事を読んだ時、かずのすけ氏の方があなた様の関わられた製品に対する理解が深いと感じました。(実際に製品を取り寄せ、肌において検証しています。)

かずのすけ氏のあなた様への怒りの記事は大人げなく、売られた喧嘩をそのまま買ったような印象でしたが。 
それでも少なくともあなた様の解析記事よりも、説得力がありました。

感じ方も人それぞれですね。
お互いが信じる場所で、お互いの邪魔をせずに活躍できることを祈っています。
勉強させていただきました。
ありがとうございます。

返信する
美里 康人

(2020年01月30日 11時08分17秒 返信)

うさぎさんへ

コメント、ありがとうございました。
また、反応しないと書いた後に、彼は私ではなくとんでもないところに火をつけにいった連絡が入り、放っておくわけにはいかなくなった次第です。

企業間取引には破ってはならないご法度行為がある…この程度でご推察下さい。 すいません。

あと、鑑定力ってことですね?
うさぎ様がそう見えてご判断されたのなら、それで良いかと。

お応えさせて頂くと…ずっとこの姿勢を昔から貫いてきていますが、ここも、全て知っている者は晒してはならないボーダーラインを、わきまえるのが社会人です。
もちろん、ユーザーさんにとって明白にする必要がある部分は、別として、です。
社会人なら、分かるからとなんでも放言してよいのではないことは、ご理解頂けるかと。

弊社はOEMの立場ですから、工場各社さんと……と、ここまででごカンベン下さい(苦笑)
緊急アップした返信記事で、もうギリギリのラインですよ。
やってはならないボーダー、お分かり頂けるでしょうか?

ちなみにあちら、わざわざpHメーターで測定頂かなくても、pH12はフツーに以前から公開してますよ。
それが怪しい水じゃない簡単な証明なので、むしろアピール頂いてることになるかと(苦笑)
洗顔もあり、pHは11ですが目に入ってもしみないと、下の技術パイロット製品の説明にも記載してます。
目を開けてカランを回せる低刺激なのが、コンセプトですので。

同じpH12のアルカリ電解水でも、以前に書いていますが「激落ちくん」は違うので、絶対にやらないで下さいね。
本当に手が荒れますし、目に入れたら眼球が溶けて潰れますので…。
それが彼の、それっぽい「とんでも科学理論」と違う証拠ということなんです。

お信じになられるのは、ご自身の判断でどうぞ。
ありがとうございました。

返信する
管理者

(2020年02月01日 01時56分14秒 お疲れ様です さんから頂いたコメント)
激落ちくんと何が違うかが明確に知りたいです!

返信する
美里 康人

(2020年02月03日 08時51分36秒 返信)

お疲れ様ですさんへ

コメント、ありがとうございます。
この答えは、専門分野の人間でないとメカニズムを理解するのがなかなかに至難ですが、2019/3/8の記事「アルカリ電解水消しのピンとキリ~その5」で詳しく説明しています。

消費者の方々が商品を見て頂いて分かるところでは、激落ちくんの成分表示は、雑貨商品でも「水酸化ナトリウム」と記載されています。
対して私達が開発した電解水は、「水」、もしくは「水、ミネラル塩」という表示が認められています。
もし水酸化ナトリウムが0.1%以上も含まれていれば、INCI登録も含め、化粧品の成分表示で表示しない事など許してもらえないですね(苦笑)
これがもっとも分かりやすい説明です。

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