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あや様、初めましてです。
こちらはユーザーの皆様の解放区のような場所ですので、商品の評価以外の事でしたら自由にご利用下さいね。
さて、あや様の疑問に対してのアドバイスになります。
>・化粧水はその成分のほとんどが水、保湿効果はほとんどない。だから極論を言うと使う意味も無い
これはまたすごい極論ですね^^;
必ず接点は見いだせるはずですから、結局接点のアドバイスができないから極論しか言えない訳で、ユーザーとしては極論など求めてないですよね(笑)
(なんだか最近、言葉遊びでごまかす方が多くて、読解力を有する人間からすると「この人は何を言っているのだ???」と感じる方が多いですね^^;)それはさておき、私なりのアドバイスに入りましょう。
まず、化粧水にはお肌に求められる機能が必ずあります。
それには、まずお肌の構造やメカニズムをよく知る事が第一で、この極論を提唱された方はめんどくさくてこのお勉強をなさっておられないのでしょう。分かりやすいところで、リンクを貼っておきましょう。
まず簡単なところでこちら
http://www.skincare-univ.com/article/000005/
次いで化粧品によるスキンケアをする上でのもっとも大切なのは、こちら
角質層:http://www.skincare-univ.com/article/000003/舞台裏は、ドクターまでもが宣伝で利潤を得ている法人運営ですので、あまりオススメなサイトとは思いませんが、この部分だけご活用下さい。
実はこの角質層の図で大切な部分が、意外と知られていません。
それは、お肌にとってもっとも大切な「水」の存在です。
もちろん皆さんは、全てのお肌の状態でもっとも大切なキーワードは水だとよくご存じのはずですし、これらの図を見て水(水分)はどこに存在しているか理解できたでしょうか?それは、細胞間脂質の脂質二重層(ラメラ)の間です。
この水分の存在箇所ともう一つ大切な点は、NMF(天然保湿因子)の存在です。さて、この存在を理解したところで疑問が生じてくるはずです。
「水分は外から入り込まないのであれば、単に水を塗布しただけではこの場所に補給する事はできないのでは?」
「この水分を維持するための天然保湿因子は、外に出ていかない?」この角質層の細胞間脂質は、アトピーの方を含め、乾燥肌の方、そして普通肌の方でも異常な乾燥状態にさらされていると、比較的簡単にめくれあがって欠損してしまいます。
もちろん、外部からの摩擦や刺激などによっても物理的に簡単に壊れてしまいます。
という事は、水分をこの部分にきちんと送り届けてあげなければ正常な角質層を維持できません。
また、細胞間脂質が欠損するという事は、同時にここの存在したNMFも欠損する事になります。という事で、これを補うにはどういった事が必要でしょうか?
ここに化粧水の必要な機能が含まれています。それは、「水分・NMFと同じ機能を持つ成分」の2点です。
そしてここで重要なのは、水分はそのままでは入り込まないので、角質層の深部に送り届けてあげる必要があります。
ですので、そのための「処方上の創意工夫(つまり、浸透性)」の、計3点となります。
これが、化粧水の基本設計です。ここで既に気付かれたかと思いますが、「油分をそのまま塗布したケアは?」の答えがおのずと見えてきますね。
つまり昨今流行りの「馬油やホホバ油のみのケア」です。油分では水分補給にはならない事は当然ですし、あくまでも皮膚表面を油の被膜で覆う事で、現在存在している細胞間脂質の間の水分を保持するのみに留まってしまう事は、説明の必要もありませんね。
このケアは、水分やNMF成分を補った後にフタケアとして必要なだけの事です。
それにはそれほど多量の油分を必要としませんので、極少量の油分、つまり保湿クリーム程度の事で十分に事足りるというわけです。それどころかさらに大切な事は、細胞間脂質のラメラ構造は、水分で壊れてしまう事は絶対にありませんが、多量の油分なら溶かし出してしまう可能性もある点です。
細胞間『脂質』という位ですから、これは油分にかなり近い性質の部分ですので、上から塗布された油分になじんでしまって洗顔の時に洗い流されてしまう可能性があるという事になります。
これは、オイルクレンジングが避けられてきているスキンケア理論と同じ事です。
細胞間脂質を洗い流さないようにオイルクレンジングを避けているのに、オイルケアをして細胞間脂質を取り除こうとしている(次回の洗顔で、細胞間脂質と一緒に洗い流されてしまいます。)わけですから、本末転倒という事になります。以上が化粧水の必要性のお話ですが、ここであや様の疑問の根幹に触れなければなりません。
『化粧水の機能の見極め』です。
以前は@cosmeでお値段をキーに設定しましたが、今回はもう一歩進んだ方法を提言致します。それは、手の甲に1滴垂らしてみる方法です。
水分を角質層に送り届ける機能(浸透性)が持たされていれば、水を垂らした時とは必ず違う広がり方(いわゆる表面張力の違いです。)をします。これは文字や言葉で説明するよりも、水道水と実際の化粧水を実際に垂らしてみてその違いを目で確認してみて下さい。
普通の水は、表面張力でぷっくりと丸い水滴になって手の甲にのっかる感じになりますので、すぐに分かります。
これと同じような感じだと、化粧水としては機能不足という事になるという訳です。
まぁ、ここがクリアされている化粧水であれば、その他の機能としてNMFの補充などは当然のごとく十分配慮されているはずですし、価値の見極めに十分な方法となるでしょう。
何度かやっているうちに、店頭に置いているテスター品を垂らしてみるだけで、そしてカウンターでも1滴塗布させてもらうだけでその性能判断ができるようになりますよ^^さて、ここでさらにもう一歩踏み込んで見極めをしたい方のために。
『浸透性機能はOKだったが、それをどういう成分で出しているか?』
これを課題にして下さい。
簡単なところでは、エタノールや合成界面活性剤でこの機能を持たせる事が可能になります。
でも、お安い化粧水であればさておき、3千円も5千円もする化粧水がこれでは困りますよね。
やはりお肌に影響を与えない成分で、この機能をなんとかしてもらいたいものです。
ここが、メーカーさんの腕のみせどころ、という事になります。
成分を少しお勉強されれば、この辺りの創意工夫の有無も見えてきますね。長くなってしまいました・・・。
本当にごめんなさいm(_ _;)mmimi様、初めまして。
なかなかBBSを見る時間がなく、長くお待たせしてしまいまことに申し訳ないです!
既に解決しておられたらすいません。。。難しい問題ではありますが、私なりに原因を考えてみましたのでご参考になればと思います。
まず、ビタミンC誘導体全般のお話について触れますと、誘導体の種類によって刺激の出方は少し異なります。
例えば、トゥヴェールのホワイトニングローションに使われている「リン酸塩タイプ」のVC誘導体は、比較的、刺激性やつっぱり感は強めと言われています。
(※敏感肌・過敏肌の方が感じる程度のレベルですので、一般的には刺激と感じるものではありません。)対して、「グルコシドタイプ」や「APPSタイプ」、最近の「エチルエステルタイプ」などは比較的、刺激は弱いと言われています。
この辺りは、普通は問題となるレベルではないのですが、人によっては感じる方がおられるかもしれません。また、ビタミンC誘導体がお肌に合わない方は結構おられますね。
厳密には、ビタミンCそのものなのか、それとも誘導体の種類によってなのかは分かりませんが、避ける方も一部におられます。mimi様の原因が何なのかは、これだけの材料では特定に至りませんが、他の誘導体商品を試される事でビタミンCなのかどうなのかは判断が可能かと思います。
例えば、とり急ぎお安い商品では、ちふれの美白ローションがグルコシドタイプだったはずなので、試して頂くとなんらかの傾向が掴めるかもしれないですね。それとこれ以外に重要な問題があります。
今回のトラブルに対して、mimi様としてはどうしても商品の特徴であるVCに目がいってしまってそれが原因と思い込んでしまうのかもしれませんが、皮膚トラブルの要因は往々にして微量であるからと見過ごしてしまっている成分である事がほとんどです。例えばその最たる例が防腐剤で、パラベンが刺激になる方もおられれば、フェノキシエタノールが合わない方、はたまたペンチレングルコールで刺激を感じる方もおられます。
これらは個々の肌質によって全く異なりますので、ご自身のお肌に合う防腐系をしっかりと見極める事が重要ですね。以上、ご参考になれば幸いです。
通りすがり様、いつもお世話になります!
また、フォローにも大変感謝しております。
なかなか時間が取れずに迷惑をお掛けしていますが、今後ともご贔屓にして頂ければ嬉しいです。さて、ご質問に触れておきますね。
石鹸カスの問題については、あらゆるHPやブログなどで様々な事が述べられていますが、真意になかなかたどり着かないですよね。
そこは商品販売や合成非難などの画策が見え隠れし、作為的に情報操作がなされているので、一般ユーザーの方ではなかなか見えてこない部分でしょうね。私レベルの質疑応答で納得いかれるかどうかはさておき、私なりのお答えをしておきます。
化学理論的に説明するならば、石鹸カス(脂肪酸カルシウム)はイオン化傾向上でもっとも強固な化学結合をした脂肪酸塩に属する事になりますので、生半可な酸やアルカリを持ってきても分解には至りません。
分かりやすい例としては、ポットやステンレス流し台に付着している頑固なカルシウム結晶でしょう。
ポットなどの場合は、クエン酸を投入して何時間もグツグツと炊かないとキレイにはなりませんね。という事で、確かにクエン酸水を髪にかける事によってpH変動とともに等電点がシフトし、多少なりとも化学結合が緩んで石鹸カスが解消される事は間違いありません。
しかしながらそれは化学反応を超えるものではありませんし、完全な解決とはなりません。
(※HPの実験室では、以前に実験結果をビジュアルで掲載していました。)確かに、クエン酸リンス後には髪の櫛通りがよくなり、さも石鹸カスが取れたように感じるのですが、それは石鹸によって髪がアルカリ性になり、キューティクルが逆立っていたのが元に戻されるための錯覚で、それは石鹸カスの問題とは全く無関係と知る方はほとんどおられないですね。
(なぜ誰もそこに触れないのか不思議・・・)それを利用して、全ての市販のリンスやコンディショナーのpHが3~4前後に設計されているのは一般的な事ですし、40年以上も前からの当たり前の化粧品設計技術ですね。
最後にクエン酸濃度の問題ですが、ある程度まで(等電点pHまで)は濃度依存性がありますが、それを超えるといくら濃度を濃くしても効果は変わりませんので、洗面器に大さじ2杯程度で多少の解決にはなるはずです。
ご参考になればと思います。
その後の書き込みを拝見できず、すいませんでした!
部外者様の専門技術面でのフォロー、助かります。
こうした技術議論がここでできるなんて、楽しいですね^^
化粧品技術のリアルな一面がユーザーの皆様にお伝えできるのは、大変貴重な事と感じます。化粧品技術と一言で言っても、製剤開発や素材開発、バイオ技術などなど、様々な分野の専門の方々が関わって作り上げられているのが化粧品のおもしろさ、そして難しい一面でもあります。
私の専門ではない部分もこうしてフォローして下さる方々がおられると、ユーザーの皆様の良い勉強の場になるように思います。最後に私から、違った側面から見たデータの解釈について。
UV遮断率の測定データは、測定方法によって様々な解釈ができます。
例えば、一般的な測定機器として「SPFアナライザー」というものがありますが、この測定機器は試料の塗布の仕方によってある程度はデータを作為的にコントロールする事が可能です。
いわば、測定者の手次第、というところでしょうか。他には、公的なデータとして使われる実際にヒトを使った試験においても、データの裏側には様々な背景が存在します。
例えば極端な例として、白色人種の方を被験者に使うか、黄色人種の方を使うかによって、当然その結果も違ってきます。そういう意味においては、分光光度計を使ったUV吸収率測定も、解釈が難しい側面を持っています。
とりもなおさず、結果としてユーザーの皆様が欲している情報は、「実際に日焼けをどこまで防げるのか?」といった疑問に対する答えなのだと思いますが、実際には塗布量や塗り直し頻度によってかなりの違いが出てきますし、誤った使用方法をしているがために焼けてしまった、というトラブルが多いのが現状かもしれませんね。
とにもかくにも、日焼け止めアイテムは過信しない事が大切。
しつこい位に塗り直しを繰り返す事が、なによりの担保だという気がいたします。以上、参考になればと思います。
通りすがり様、部外者様、貴重な書き込みありがとうございましたm(__)mご質問を拝見するのが遅くなり、まことに申し訳ありませんでした。
また、通りすがりの方、サポート本当にありがとうございます。今回のご質問は、化粧品技術的な内容と解釈し、商品の良し悪しや評価に触れない範疇でお答えさせて頂こうと思います。
さて、富士フィルムのUVA吸収素材についての新技術ですが、通りすがりの方がお答え下さったように、理論的にはこれまでの紫外線吸収剤や散乱剤が370nm以上の領域を全く防げなかったのでありません。
ただ、十分ではなかったというだけです。なら、この商品の謳っている事はどういう事か、簡単に説明しておきましょう。
これまでの一般的な技術とともに、以下の資料をみれば理解しやすいかと思います。http://release.nikkei.co.jp/attach_file/0296682_01.pdf
この度の技術は、ようは今までの素材に特殊な加工を施したものと考えて頂ければ良いかと思います。
これまでにも、資生堂を始め原料メーカー各社が開発してきたポリマーによる紫外線吸収剤のコーティング技術(紫外線吸収剤が直接皮膚に触れない技術)がありましたが、これはそれをさらに進化させたものと考えると分かりやすいでしょう。
つまり、これまでのコーティング技術である紫外線吸収剤の表面を覆っているポリマーに、紫外線散乱剤を凝着させたものです。
なので、基本原則的には全く新しいものではありません。しかしながら、この加工を行う事によって紫外線防止効果が格段にあがり、特に370nmより上の領域でそれが顕著に現れたという点が特化したところだと解釈できます。
おそらく、論理的にどういうメカニズムでこういう現象が起きたかは不明だが、結果的に測定してみればこうなった、という事だと思います。でも、化粧品技術の側面から考えると、これは納得のいく現象です。
紫外線散乱剤の物理的粒子は、とにかくお肌に均一に並ぶ事がもっとも効率よく紫外線を散乱・吸収できる条件です。
そういう意味において、吸収剤も散乱剤も均一な小さな粒子に揃えてあげる事で皮膚表面にキレイに並び、もっとも効率的に機能するという事になります。
確かにこれまでの製剤では、いくらナノ粒子に微粒子化されているとはいえ、お肌に塗布した時点では偏りが生じます。
それをより解決したという点で、納得のいくメカニズムです。ただし、この資料にあるデータは機械による測定データですので、果たしてお肌の上で額面通りかどうかは定かではありません。
以上でお答えになりましたでしょうか。
初めまして、少女Sさん。
長くご質問にコメントできず、まことに申し訳ございません。
でも、メールでご質問頂いた方とお見受けしました。
その節は、ありがとうございました。で、こちらでは具体的なケアをお書き下さったので、全体像が見えてきました。
その上で、あらためてコメントさせて下さい。少女Sさんのトラブルは明確になりました。
>油(ばゆ、オリーブ、ホホバ、マカデミィア、スクワランなど)にかぶれやすい
これでほぼ確定ですね。
つまり、一切の油分に毛穴トラブルを招くタイプの方です。
一応念のため、一切何も使わずにワセリンだけをオデコに塗布し、白ニキビが発生するかどうかみて下さい。
これで出るようなら、確定です。となると、油成分はケアから外す事が大切です。
今の状態は黒龍といった軟膏ベースでさらに悪条件にしていると考えられますので、一度ケアをリセットされるべきと思います。
そうすると、こちらの洗顔フォームも全く使用に差し支えがなくなりますし、石鹸カスによる白ニキビも解消されるはずです。そして保湿ケアですが、日常は化粧水だけで良いかと思いますが、もしもどうしても保湿不足との事でしたら、やはり油分がごく少量の乳液がお勧めです。
どうかご参考まで。
いしもとさん、初めまして。
日焼け止めについてのご質問ですね。
最初に念押しになりますが、こちらでは私から商品名を出してのオススメを遠慮しております点、何卒ご了承下さい。
サイトの公平性を維持するため、まことに申し訳ございませんがお含み頂ければ幸いです。で、本題になりますが、小学生のお子様とはいえ、日焼け止めが汗で流れてしまわない必要性を考えると、耐水性は必須となります。
もちろん、プールに入る事・汗の量も半端じゃない事も想定しなければならないので、大人よりもなおさらです。
そうなると、シリコンを使った日焼け止めは原則となり、おのずと洗顔だけでは落ちない、という事になります。結局結論としては、子供とはいえクレンジングで日焼け止めを落とさせ、その後石鹸やボディソープなどで顔・体を洗うという行為は大切な事で、今のうちからそういったケアの流れを身に着けておく事が必要だと思います。
で、chiecoや無粋なサイトなどでクレンジングについて誤解を招く知識を身に着けられておられるようですが、クレンジングをしない事によるリスクの方が何倍も怖い事を知っておいて下さい。
おそらく、界面活性剤が危ないだの、ポリマーが怖いだのといった事を懸念なさっておられるのだと思いますが、こうした成分がクレンジング後の水で洗い流したお肌に残っていると考える事自体がナンセンスです。であれば、石鹸を使った後に残る石鹸カスに目を向けられた方が意味があると思いますね。
また、皮膚バリアを壊したり、細胞間脂質を流してしまったりといった警鐘を鳴らす方もおられますが、何百人ものそうそうたる研究者を抱える大手メーカーさんが、皮膚の事・化粧品の事を日々研究しているのに、そんな一般ユーザーが妄想できるような事を見過ごしたりするわけがない事はお分かり頂けますでしょうか。
非常に短絡的な表現になりますが、分かりやすく言及してみます。『いしもとさんがご心配なさるような事を、そうそうたるプロの研究者の方々が知らないとでも思いますか?』
そんなバカな事があるはずもない事は、容易にお分かり頂けますよね。
失礼な書き方でまことに申し訳なく思いますが、成分の事だの、防腐剤がどうだのと迷宮に入り込んでしまう前に、もっと原則論的な事に目を向ける必要があると思いますよ。
どんな世界・業界でも全く同じですが、『餅は餅屋』という諺を忘れてはならないと思うのです。例えば、いしもとさんには旦那様がおいでになると思うのですが、旦那様のご職業の業界に、奥様が口を挟んだり意見を言って批判する事があったりするでしょうか?
旦那様はいずれかの業界のプロの方でしょうし、奥様がその世界の素人であったとしたら、旦那様のお仕事をむしろご信頼・尊敬なさっておられるはずです。私達にも、誇りもあれば良心もあり、そしてプライドもあります。
確かに美容業界には金の亡者企業が無数に存在しますし、荒れ果てた世界である事は間違いありません。
しかしながら、大手ブランドさんには社会信頼性というもっと大きな使命があります。
これを裏切る事は企業の存続に直結する事なので、大意において大きく間違った方向性に進むわけにはいかない事は、容易にご理解頂けるはずですね。むしろ私達化粧品技術者全体が統一して「これはお肌に危険だ。業界では使わないようにしよう。」と判断したGSE(グレープフルーツシードエキス)やミツロウ・はちみつ・ラノリン・乳化ワックスなどを、天然由来だからと手作りコスメの材料で勝手に販売、購入されて広めているのですから、何をかいわんや、だと思います。
いずれも、アレルギー(アナフィラキシーショック)や刺激・細胞膜への影響といった事が懸念されるため、業界では使用が避けられた素材ですから。
つまり、「まぁ、なんも知らずにそれが良いと思うのなら勝手にすれば? どうなっても我々は知らんよ。」ってのが、私達業界人の見方です。
という事で長くなってしまいましたが、日焼け止めのオススメとしては、資生堂のアネッサやカネボウのアリィ、コーセーのファシオあたりで、敏感肌の方向けの低刺激処方タイプがありますので、これらを選定されれば良いと思います。
そしてクレンジングは、できるだけお肌への負担の少ない花王さんあたりのリキッドタイプ(例えばビオレ)を選ばれるのがもっとも間違いないでしょう。失礼な事もお書きしてしまいましたが、何かの参考になればと思います。
初めまして、ローズさん。
返信が大幅に遅れてしまい、まことに申し訳ございません。
もしも既に解決なさっておられるようでしたら、お許し下さいませ。早速、ご質問にあるトラブルの要因についてです。
成分を拝見する限り、いくつかの原因が考えられるのですが、特定は難しいかもしれません。
あくまでも可能性というだけで、ご承知おき下さいませ。それと、トラブル原因である商品を特定したい場合、他のケア製品の影響を必ず排除した状態でテストしてみる事をご確認下さいね。
(既に行っておられるようでしたら、お許し下さい。)さて本題ですが、可能性のありそうな成分をあげてみます。
1.防腐剤
安息香酸Na:昨今日本の化粧品ではほとんど使われない防腐剤で、パラベンなどに比べて少し防腐効果の強い成分になります。2.合成系増粘剤
PEG/PPG-25/30コポリマー:配合目的が増粘か、結晶化対策かは分かりませんが、この種類のポリマーは精製度によって微量の低分子エチレングリコールやプロピレングリコールが残留している事があります。
このポリマーそのものには問題はないのですが、昨今はあまり使用される事のない素材につき、残留不純物の可能性は捨てきれない、といった感じでしょうか。3.泡立ち補強・pH調整剤
コカミドDEA:ヤシ油脂肪酸のジエタノールアミン塩ですが、スキンケア洗浄料にはあまり使われない成分なので、懸念されます。
特に、目に入ると痛みを感じるかもしれません。
メインの洗浄剤はアミノ酸系で安全なのに、ちょっと残念なところです。4.アミノ酸系洗浄剤
ココイルグルタミン酸TEA:基本的にアミノ酸系の洗浄剤は非常に安全性が高く、刺激もあまりない洗浄成分なのですが、この「グルタミン酸系」の洗浄剤は歴史の古い素材で、まだまだ課題の多かった洗浄成分です。
その課題というのは皮膚への残留性で、安全性の反面、すすぎをしっかりとしないと皮膚に残留しやすいという欠点がありました。
すすぎの時にヌルつきがなかなか取れない、といった感じがなかったでしょうか。
もしそうだとしたら、可能性は否定できません。ちなみに、「グリシン系」のアミノ酸系洗浄剤は、その辺りが改善された新しいものですね。
長くなりましたが、気になる点としては以上の4点で、特に1番最初の問題が可能性が高いといったところでしょうか。
参考になればと思います。
ゆぽんさん、初めまして。
レスポンスが遅れ気味で、まことに申し訳ありません。
順次、きちんとお答えさせて頂きますのでご了承下さいね。さて、ネック用美容液はないだろうか?とのご質問ですね。
化粧品の場合、薬事法上では「ネック(首)用」といった体の部位を特定した用法を標榜できない事になっています。
ですので、基本的にはご希望の効果に特化した化粧品はない事になります。とはいえ、おそらく求められる効果としては首のところに表れるシワの改善やリフトアップでしょうから、アンチエイジング系コスメに配合されている効果成分に期待が持てるはずです。
ただ、どうでしょう。
皆様もご体験のとおり、人間のカラダで年齢がもっともよく表れる部位が、首や背中・手などです。
これは、この部位には筋肉や贅肉・脂肪が非常に少ないためです。
そのため、こうした組織に影響を与える事で皮膚の状態改善、悪い言い方をすれば”ゴマカシ”が効かないんですね。
ゴマカシという言葉は少し語弊がありますが、例えばお顔の場合でも、少し脂肪の多いポッチャリとしたお顔立ちの方が若々しく見えるのは、脂肪細胞の増殖によって皮膚にハリがもたらされるためです。そういう意味では、効果成分がたくさん配合されていて効果の高い美容液でも、期待度はそれほどではないかもしれません。
ご期待に沿えるお答えにならず、申し訳なく思います。
すいませんでした。②
mikiさんの結論に導けるかどうかは分かりませんが、実情だけお伝えしておきますね。毛穴を隠す・色調補正に使われるパウダーにも、実は数種類の素材があります。
確かにどれも粉成分である事に変わりはありませんが、性質がかなり異なる素材が存在します。
なので、一概には言えません。
ざっと列記しますと以下になります。・特殊シリコンパウダー
・球状合成ポリマー
・特殊酸化チタンしいて言うなら、これらのどれもが水を吸収しない素材ですので、基本的には乾燥を誘発するものではないと考えて良いでしょう。
ただし、ここでも製剤化の問題が関わってきます。それは「造粒」という問題で、酸化チタンや酸化亜鉛も同じなのですが、これらのパウダー成分というのは、そのまま水やシリコンにブッコんで混ぜるという訳にはいかないんですね。
一例として、お料理で小麦粉を水に溶かす時の「ダマ」を想像して頂けると分かりやすいかもしれません。
つまり、これらのパウダー成分は、目に見えない微粒子の一粒一粒を、製剤中で『一次粒子』にまで分散させてあげなければ意味をなしません。
そのためには、おのずとダマを作りにくい「造粒」という行為が必要になってきますので、その際に酸化チタンやタルクなど他のパウダー成分を使う必要が出てくるわけです。
結果的に、これらが乾燥を招く要素となってしまうんですね。という事で、これらの補正アイテムも、日焼け止めほどではないにせよ、多少なりとも乾燥傾向に至る可能性は高いです。
(大手さんの技術力であれば、それも回避されている可能性は高いですが。)③
紫外線吸収剤の進化については、難しいところです。
この解決の要めは、「コーティング技術」(含浸)と言えますが、ここでも大手さんと中小のOEMブランドさんとは、一線をひいて考えるべきかもしれません。もちろん、中小のOEMブランドでも、コーティング吸収剤原料を入手する事はわけないのですが、完全にコートされているかどうかや、それを製剤化した際に流出してこないかどうかを精査する術がありません。
なので、完全かどうかはなんとも言えないところです。対して大手さんは、自社で含浸技術を開発していますし、品質を精査する技術も持ち合わせています。(それでも完全かどうかは、私には分かりませんが・・・。)
ちなみにこの技術はどういうものかというと、多孔性物質の中に吸収剤を包接するという技術です。
まぁ、個人的な意見としては、紫外線吸収剤と紫外線そのものの害とを天秤にかけた時、発がん性・DNA損傷などを含め、圧倒的に紫外線の害の方が大きいと思っていますので、吸収剤を選ぶべきと思っていますが。
ノンケミ商品の商品PRを含め、ちまたには圧倒的に紫外線吸収剤の悪性を取沙汰してる情報の方が多いので、どうしてもこちらに意識がいきがちですが・・・。ご参考になりましたでしょうか。
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