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美白の主役【ビタミンC】秘話12(完結)

ビタミンCのお話

美白の主役【ビタミンC】秘話11」の続きで
本日は、ビタミンCの最終話。

本日は、最終話だけれど
総まとめというより
ビタミンCの番外編。。。

実はこのビタミンCの
美白コスメ市場には
ここまでとりあげた素材と
少し毛色の異なった成分素材が存在します。

ここまでお話したビタミンC誘導体は
全て水に溶ける水溶性素材でしたが
実は水には溶けない
油溶性のビタミンC誘導体
いうものが存在しています。

成分名称(表示名)は
「テトラヘキシルデカン酸アスコルビル」です。

もともと生のビタミンC(アスコルビン酸)というのは
水によく溶ける水溶性なのに
なぜ、あえてわざわざ化学的に手を加えまで
油溶性にしているのでしょうか?

それには大きな理由が
ふたつあります。
そのひとつが「安定性」です。

つまり水に溶けないために
不安定となる大きな要因のひとつの
「水分」が排除できるからです。

そしてふたつめは「皮膚への親和性」です。

人間も含め動物は
実は全て水や水溶性の成分が
浸透しにくい構造になっています。
逆にいうと油溶性の素材は
親和性がよい、
つまり浸透もしやすいという事になります。

水溶性のビタミンC誘導体が
皮膚内に浸透しないというわけではありませんが
生物の生体を考えたとき
油溶性薬剤の方が
より論理にかなっているというわけです。

そしてこの薬剤は
少し前に医薬部外品の有効成分として
承認も得られました。

そしてこの油溶性ビタミンCは
ニキビにも効果があることが
学術的に報告されています。

ただ、このタイプの難点は
分子量が大きいので
相当高配合にしなければならないこと。

さらには
果たして皮膚内で
生のビタミンCへと分解されるのか
疑問視されているところでもあります。

このタイプは、
エステル分解酵素であるエステラーゼによって
分解される、と理論付けられてはいますが
理論どおり分解されるのかどうかは
いまだ確かな確証は得られていない状況です。

* * *

ここまで、美白有効成分としての
ビタミンCの歴史的なことも織り交ぜ
様々なバックグラウンドや
裏話を書いてきましたが
実は今回取り上げていない
誘導体も存在します。

例えば、つい最近では
水溶性ビタミンCの良いところと
油溶性ビタミンCの良いところをあわせ持つ
APPS(パルミチン酸アスコルビルリン酸3Na)といった
優れた薬剤も登場しています。

ただ、まだまだこれも様々な課題が多く
美白有効成分としての
医薬部外品承認も得られていないため
今回のメルマガ(※)では取り上げませんでした。
※美白の主役【ビタミンC】は、2009-2010の冬に執筆したメルマガのバックナンバーです。

*

ビタミンCはユーザーにとって大変親しみやすく
そして人間にとって様々な有効性を持つ素材です。

今後もさらに研究が進められ
化粧品の有効成分として
さらに活用される誘導体が開発されることでしょう。

ビタミンCの秘話は、
2年ほど前に執筆したメルマガのバックナンバーでしたが
お楽しみいただけましたでしょうか!?

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