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美白の主役【ビタミンC】秘話10

ビタミンCのお話

美白の主役【ビタミンC】秘話09」の続きです。

S堂のビタミンC戦略は
実は、AG(アスコルビルグルコシド)タイプのビタミンCで
終わったわけではありませんでした。

偶然にも業界内でも一番に自分が
その情報を知る事になったのは
手にした一枚のパンフレットがキッカケ。

もちろん、まだその時には
S堂はAGタイプの
ビタミンC商品開発の真っ只中。

かくいう私達は
早々にAGタイプに見切りをつけ
なんとか「リン酸タイプ高濃度の製剤を・・・」と
細い糸をたぐって再研究を続けている最中でした。

化粧品業界全体が
そんなグダグダ状態の中
医薬品展示会でたまたまもらったそのパンフは
新開発のビタミンC誘導体とのこと。

しかし・・・。
パソコンで印刷したなんとも手作り風なモノクロの紙切れで
とてもじゃないがパンフと呼べるようなものじゃない
小さな医薬品原料会社のモノでした。

そこに書かれてあったのは

・安定
・溶解性が高い
・pHに依存しない
・製剤化しやすい

こんな文言でした。

そしてなにより
この素材のいいところは
誘導体として同じ配合量で製剤化をしても
ビタミンC(アスコルビン酸)濃度が
はるかに濃くなる点です。

下記の図のように
今までのリン酸タイプやグルコシドタイプ(上ふたつ)は
ビタミンCにくっついている
誘導体部分の分子が
半分程度を占めています。

ビタミンC成分のイメージ

でも、この新しい素材(三番目)は
非常にその部分の分子が小さく
結果として
原料を同じ量で配合量としても
この新しい素材は
アスコルビン酸分子の量が
多くなるというわけです。

例えば、原料を3%配合したとした場合
新しいビタミンCエチル
最終的に2%以上のアスコルビン酸が
含まれる事になります。

これが全て本当なら
現在世の中にあるビタミンC誘導体全ての
問題を解決してくれることになる!

そして、高濃度の製剤が可能!!

しかし・・・聞いたこともない
なんとも怪しい医薬品会社のパンフだし・・・。

とはいえ、とりあえずサンプルを取り寄せて
なんでもチャレンジしてみるのが
私たちの仕事。

早速電話をかけて
サンプルを依頼してみることに。。。

ところが、なんと驚いたことに
研究用サンプルは
わずか数gしかもらえないとのこと・・・。

よくよく聞いてみると
過去のリン酸型ビタミンCに比べると
なんと価格は数倍もすると。

そりゃあかんわ・・・。

というわけで
基礎研究のために
何十万もの投資をしてくれるはずもなく
少量のサンプルをいじったのみで
よく性質が分からないままに
研究を断念したのでした。

こうしてこの新素材は
お蔵入りということになり
しばらくは脳裏から消えていました。

そして、忘れ去られたまま
1年余りの歳月が過ぎた頃、
例の一枚のパンフレットが、
ふとファイルの中からこぼれ落ちます。

パンフを目にしたついでに
その後の動向を聞いてみたくなり
なんの気なしに素材メーカーへ
一本の電話を入れてみることに。。。

そして、その電話口で聞いた言葉は
意外なものでした。

「実は、もう販売することができなくなりました。」

その理由を問うた答えに
返ってきた言葉は
「大手化粧品メーカーさんに、独占販売権を譲ってしまったので・・・。」

話の中から、
それがS堂さんであることは
すぐに察知できました。

それから数年の歳月が流れ
今はまだ
このビタミンCエチルで
医薬部外品化には至ってませんが
トラネキサムサンをメインに置いた
美白アイテムのフラッグシップとし
副成分として配合された商品が
一線を占め始めました。

「アスコルビン酸エチル」
この成分名を見たら、要チェックです。
※ただし、配合量は不明。

しかし
やはり大手ブランドのチカラ
おそるべし・・・。

次回に続く。

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