こんにちは。
今日は、ほとんどの洗顔フォームに使われている洗浄剤設計
「せっけん」についてのお話。
これまで私のスタンスとして
「せっけん」を天然の洗浄剤として過剰にアピールする方たちや
それを題材としたブログやHPに対しては
少々、手厳しい評価をしてきました。
過去にもこのブログ記事やメルマガにも取り上げてきています。
イヤ、誤解があってはなりませんので
あくまで「せっけんを否定」というわけではなく
せっけんの「過剰な安全アピール」や
はたまた「合成洗剤批判」の姿勢を前面的に押し出し
せっけんをPRする方々に対して、という意味ですので
ここは誤解頂かないよう念押しさせて下さいませ。
まだまだ市場の洗顔フォームのほとんどは
せっけん技術処方によるものですから
ここは否定のしようがありません。
ということで、私のせっけん技術に対する基本的スタンスは
今も変わってはいません。
それは、アミノ酸系の洗浄剤にみられる驚くほどの安全性試験「ドレイズテスト」(眼粘膜刺激性試験)データ
つまり、刺激性の低さで、石鹸を超える洗浄剤が世に出てきたこと。
そして、石鹸はどうしても水道水に含まれるミネラル分と結合して
石鹸カスが作られてお肌に残ってしまうこと
これらの課題から、今でも石鹸がベストな洗浄剤という見解には疑問を呈してきています。
なので、石鹸マンセーな考え方には賛成できないのですが
そんな中でも
環境対策も含め、沈着冷静にせっけんという日本文化を正しく評価し
化粧品に使用する素材をきちんと見極めようと
情報公開されている方々もおられます。
こちら→せっけん百科
石鹸の課題点もきちんと明確にされており
さらに極度に「純せっけん」をアピールするメーカーさんに対しては
冷静に情報提供するよう
問題提起も公開しています。
その中に、合成界面活性剤についての規定もなされていて
非常に興味深いですね。
もちろん、このサイトにおける独自の見地ではありますが
私が合理性があると思っている「合成界面活性剤」の定義と
かなり一致しています。
逆にいうと
「天然系界面活性剤」と認めて良い界面活性剤の概念も
ほぼほぼ同意できる線引きがなされています。
提起内容の詳細はこちらのサイトさんをご覧頂くとして
この記事では、なぜ自分が合理的であると感じたかを
ここでとりあげてみます。
実はこのサイトさんも
昔はせっけん以外の界面活性剤には
かなり批判的な姿勢であった事も事実です。
しかしながら、化粧品は洗顔料といった洗浄系のアイテムだけではなく
オンケアとなる、化粧水に始まり
美容液、乳液、クリーム
そして日焼け止めやメイクアップ料に至るまで
さまざまなアイテムが存在しています。
つまり、せっけんに代表される洗顔料は
世にある化粧品のほんの一部てしかないわけです。
こうなると、界面活性剤を否定してこうした化粧品を設計する事など
不可能なためです。
とはいえ、せっけんも界面活性剤です。
昔は、このせっけんを使ってクリームや日焼け止めを設計していた時代もありました。
しかしながら、世が進むにつれ
せっけんは最終的にはお肌から洗い流すから
悪いとは言えないわけで
そのままお肌に残したままではよろしくない事が
表面化してきました。
皆さんもご存知のように
せっけんとはアルカリ性ですから
この事実だけでも
長時間に渡ってお肌に残すと
良いとは言えないことは理解できるでしょう。
他にも、せっけんはアニオン性の界面活性剤。
イオン性の強い界面活性剤は
お肌に負担を掛けやすい事は
一般にも良く知られるところです。
そして、お肌には影響しにくい安全性の高い非イオン性が
どんどんと開発されてきました。
こうなると、界面活性剤を否定する姿勢をとるせっけん業界は
美容業界に寄り添っていけなくなります。
当然の事ですが
今やせっけんだけを売って
企業として生きていけるわけもないですし。
上述のサイトでは
こうした時代の流れと化粧品技術の進歩にきちんと寄り添い
せっけんの課題点もしっかりと認め
より安全性の高い消費者サービスを心掛ける方針を
目指しているのですね。
その中で、せっけんをうまくライフワークに活かす情報を
正しく提供するという姿勢です。
まだまだこの業界では
「界面活性剤フリー」などというブランドコンセプトのPRを目にします。
洗顔料に始まってクレンジング剤
そして乳液やクリーム、そして日焼け止めと
どうあがいても界面活性剤なしでは設計できない化粧品は山ほど存在します。
界面活性剤を使わなくても設計が可能な
化粧水や美容液だけしか扱わないこうしたメーカーさん
メーカーとして成長していくにつれ
アイテム拡大する時には
いずれ自分達の首を締める事になるわけですから
その場しのぎのPRコンセプトには注意を払って欲しいものです。
ユーザーの皆さん方も
「あれ? このブランドさん、以前はフリーコンセプトを前面に出していなかったっけ???」
こんなケースはよく見られます。
注意を払って
ブランドの見極めをされて下さいね。
あれ? そういえば。
オイルフリーをブランドコンセプトにしていた某ブランドさん
大丈夫でしょうか?(笑)