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ガセスキンケア理論を見抜く 前編

今回は、スキンケアの雑談。
少し皮膚のメカニズムについての
お話をしたいと思います。

* * *

講座での講義を含め
これまでにも皮膚のバリア機能を担っているのは
皮膚のもっとも表面にあたる角質細胞の隙間を埋めている
「細胞間脂質」であるというお話をしてきました。

以下に再度模擬図を掲載しておきます。

肌構造のイメージ図

これを見ても分かるように
いくら健康な皮膚を保つには水分が大事といえど
脂質によって作られている角質層バリアがある限り
角質層にすら水は入っていけないという皮膚のメカニズムのお話。

こうした皮膚の構成を知る事は
自分のスキンケア是非を考える上で
さらにはテレビや雑誌などのメディアで
美容専門家ともてはやされている人達が
本当に正しい事を言っているのかどうか
判断できる重要な材料です。

また、化粧品ブランドの商品説明に対しても
見る目が変わってくる事でしょう。

例えば、最近ホホバ油をそのまま塗布する
といったスキンケアが流行っています。

果たしてこのケアは肌理論に叶っているでしょうか?

上で書いたように
水は角質層に入ってはいけませんので
脂質と同じ性質のオイルであれば
浸透の可能性があるという事なります。
となると、スキンケアの一助になるという考え方が
成り立つ事になります。

確かに有効成分の薬効を考える場合においても
医療の分野では、水溶性成分よりも油溶性成分の方が
皮膚内浸透を果たしやすいという原則があります。

でも実は
このケアは正しいとは言えません。

上の薬剤浸透の問題は
薬剤(物質)の化学構造や分子量が皮膚内浸透を果たせる構造であるかどうか
ここをクリアした上での条件付きの浸透性理論です。

なので、オイルが皮膚内浸透を果たすという事ではありません。
正しくは
「水よりもオイルの方が皮膚表面へのなじみが良い。」
レベルであるというのが正しい理解です。

これはおそらく皆さんご自身が身近に体験していると思います。

そんなにカンタンにオイルが皮膚内に浸透してしまうなら
オイルを常に扱っているお仕事の方々は
オイルで皮膚がふやけてしまいますし
揚げ物をして手にサラダ油が付着したら
皮膚の中に入っていくのが目で見て分かるはずです。
そして皮膚がブヨブヨに・・・。

という事で
角質層にしっかりと水分や油分を届けるには
化粧品の製剤技術を駆使しなければならないんですね。
そのひとつが
「乳化」「エマルジョン」と言われる技術です。

クリームや乳液は
ただ単に油と水を混ぜてあるだけではありません。
もしもそれで良いのなら
ドレッシングのように二層に分かれていて
使う時に振って塗布すれば良い事になりますね。
これなら界面活性剤も使わずに作れますしね。

これがウソか本当かは
ドレッシングを手の甲に塗ってみればすぐに分かります。

ほら、ヌルヌルしていつまでも手の上に残っているでしょ?

このクリームや乳液といったエマルジョンが
なぜ単なる油分・水分を
それぞれ単独で塗布する事と違うのかは
また機会をあらためてお話する事にしましょう。

今回は
これまで過去にお話した事のある皮膚理論の
復習になってしまいました。

次回は
これまで書いて来なかった今一歩突っ込んだ
「もうひとつの皮膚のバリア」のお話をしていきます。

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