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化粧品作りの誤解 その1

昨日の「化粧品作りの誤解 エピローグ」の続きで、化粧品作りの誤解のお話です。

■Aさんのケース
石鹸や石鹸シャンプーに植物油を混ぜて使用感を調整しています。

石鹸や石鹸で作ったシャンプーは脱脂力が強いため
お肌に油分を残したいとの思いから
ホホバ油やオリーブ油をこれらに混ぜ
使用されるケースがあります。

残念ながら、これは意味がありません。
油を加える事で界面活性剤である石鹸の機能が薄れ
洗浄力が弱くなるだけの事になってしまいます。

つまり、洗浄剤としての石鹸の役目と
油は別々に存在するわけではないからです。
なので、加えた油の量によって以下のどちらかの状態になります。

少量の場合)
石鹸の洗浄力が弱まり、アブラ汚れがあまり落ちない。泡立ちも悪い。
かといって、加えた油分は洗浄剤で流されてしまうので、髪やお肌に残るわけではない。

過剰な場合)
全く泡が立たず洗浄力がなくなり、加えた油分が残る。
油分は髪やお肌に残っているが、汚れは全く落ちていない状態。

こうした状態は
女性の方々は食器を洗っているシーンなどで
よく体験されているはずですね。

アブラがギトギトのフライパンを少量の洗剤で洗ったら
まだフライパンの表面がヌルヌルして落ちていなかった・・・。

これは、油の量に対して洗浄剤の量が足りず
結果としてアブラ汚れが残ってしまった状態ですね。
つまり、アブラ汚れが落ちていなかったという事。
もちろん、まさかこの状態で
「まぁ、いいや」なんて思う方はおられませんね。

という事で、結論。
洗浄剤に油を混ぜるのは洗浄性能が落ちてしまうので
やってはいけません

ちなみにこの問題
資生堂のシャンプー「TSUBAKI」が
テレビの宣伝でも椿油を配合している事を謳っています。
もちろん、実際に配合もされています。
これを手作りで真似た方も多いそうです。

しかしながらこれは
単にシャンプーに椿油を混ぜただけではないのですね。
洗浄成分と椿油が別々の状態で存在できるように
製剤上のノウハウの上に成り立っています

これは石鹸に混ぜただけでは再現不可能ですね。

次回も引き続き、化粧品作りの誤解のお話をお届けします。

お楽しみに~。

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