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石けんの良さを最大限に引き出すコツ

石けん

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美里康人
あらためて

石けん洗浄剤を使いこなす

これをキーワードにした記事です

石けん否定?

前回の記事は、まるで石けんを否定したかのような記事で、ご愛用の方にとってはやるせない想いや、中にはお怒りの方もおられるかもしれません。
また、石けん業界の方には、許せないと憤慨されてる方もいらっしゃるかもしれませんね。

いえいえ、昔のメルマガからずっと記事をご愛顧頂いている方はご承知の通り、あまり表立っては書けませんが、私自身は「青」「赤」で有名な石鹸会社さんのお仕事をしていましたので、叩く意図など全くございません。
誤解なきようお願いします。

過去の記事では、ユーザーさんのためになるサイトとして「石けん百科」さんもご紹介していますし。

私自身はもともと石けん大好きですので、前回の記事でも「課題がある」と記しています。
ここがキモですので、今回の記事を差し込むことにしました。

おりしも、業界のお仲間でもあるゲンさんhttps://twitter.com/hyotang888)が石けんの使い方をあらためて見直してたくさんの発見をされたとのつぶやきを読み、さすがはプロと感心致しました。

というのも、石けんを使いこなす方法については、実は目からウロコの使い方があります。
教わった方は書籍もお出しになっていて、それ以来私自身はその使い方が当たり前のようになっていたため、考えてみればここで記事にするのは初めて。

私自身もひどいアトピー持ちですので、同様に敏感肌で石けん系の洗浄剤をお使いになられたい方は、必見です。

意外と知られてない「石けん」のこと

実は、ユーザーさんの中には「石けん」のことをまだよくご存じない方もおられますので、ここで復習をして頂こうと思います。
あらためて・・・になりますので、ご存じな方は読み流して下さいね。

で、以前にも記事にした通り、ユーザーさんの中には「石けん」というと、「固形の石鹸」だけのことを指していると思っておられる方も多いようです。

こちらの記事では、あえて「石けん」「石鹸」を使い分けているのは実はそのためでして、固形石鹸のことを「石鹸」と記し、洗顔クリームや液体石けんのことを「石けん」と区別しています。(注:一般常識ではありません)

もともと石鹸というのは、油脂をアルカリで中和してできた洗浄剤のことを指しています。
この化学反応のことをあえて「ケン化」というほど、有名な洗浄剤の製法です。

固形石鹸はその中でももっとも歴史が古く、日本でも昔から広く利用されていたために、『固形石鹸=石けん』になってしまっていただけのことですね。

つまりこの洗浄剤の石けんは、固形石鹸以外にも手洗いでよく使われる液体石けんもあれば、女性がよく使用する洗顔クリームもほとんどがこの石けんでできています。
いわば使われる油脂やアルカリ剤の違いで形状や濃度が異なるだけで、石けんとしての性質はいずれも同じと理解すればよいですね。

ちなみに見分け方としては、固形石鹸は動物油脂や植物油脂に水酸化ナトリウムで中和し、副産物としてグリセリンが生成されるものです。
この後、「脱グリ」といってグリセリンを除去して、これを精製して化粧品の保湿剤として使用されるグリセリンになるというわけです。

一方、洗顔クリームの場合は、油脂からすでにグリセリンを除去しておいた脂肪酸を使い、アルカリ剤も水酸化カリウムを使って作られます
使用感や洗いあがり感も異なりますが、原理は同じです。

ということで、こうして身の周りで市場にあるほとんどの固形石鹸・ボディソープ・ハンドソープ・洗顔フォームは、ほとんどがこの石けんベースで作られていると考えればよいですね。

石けんの課題

こうして石けんは非常に歴史が古く、そして形が変わって種類が増えてもずっと日本では長く愛用されてきた洗浄剤で、これからも化粧品業界の文化として残っていくものでしょう。
ただ一方では、この洗浄剤が本質的に持つ課題もないわけではありません。

もっとも一般的によく知られている課題が、海外で水道水が非常に硬度の高い硬水である地域では、全く泡が立たず使えないという点ですね。
日本でも、温泉で石鹸を使うと全く泡立たないのも、同じ原因です。

つまり、使用する水にミネラル分が多いと使いモノにならないわけです。
これは全く洗浄力が失せてしまいますので、どうにもならない課題です。

他には、どうしても化学的にケン化は【油脂(弱酸)vs アルカリ剤(強アルカリ)】の反応になるため、できあがった石けんはアルカリ性になってしまう点です。
これは合成と言われたアニオン系の合成洗浄剤も同様で、アニオン洗浄剤の宿命とも言えます。

目に入ったり皮膚に傷口があれば、こうした石けんを含むアニオン系洗浄剤はしみて痛いのは、仕方のないことと皆さんもよくご承知のことでしょう。
しかしながら、石けんの優れた洗浄性能は誰しもが認めることで、こういった特有の課題があってもその利便性を簡単には覆せないのもまた事実です。

では、こうした課題に対して業界的に解決策はどう動向しているでしょう。
また、使う側が対処する方法はないものでしょうか。

業界の動向

こうした石けんの課題に対して、大手を含む化粧品業界も手をこまねいてただ安閑としていたわけではありません。

花王さんの、独自開発で石けんにリン酸(P)を導入した弱酸性ビオレといった、石けんの優位性を活かして改良したチャレンジは有名です。
こちらの過去記事でも説明をしています。
花王さんの洗顔が変わっていた!~反省・・・

結果的に、泡立ちや使用感などの課題で消費者に浸透せず、数年前に採用を断念していますが。

また、失敗に終わりましたが、非イオン活性剤を使用して泡立たたない洗浄剤へのアプローチにもチャレンジしています。
まだまだ本筋にはなれませんが、資生堂さんもこうした研究に意欲的に取り組んでいます。

他には、安全性を追求した両性界面活性剤もその解決策のひとつですが、石けん文化が長いことからなかなか使用感がなじめず、主流にはなれない状態が続いています。

一方で、ユーザーさん側がこの課題を乗り越え、石けんの良いところをうまく使いなす方法を提唱する人たちもおられます。
私もそのひとりですが、最後にそれをまとめておきましょう。

石けんの良いところを活かす使用法

さて、まとめるにあたって最初に質問ですが、皆さんは固形石鹸や洗顔クリーム、そしてボディソープを含む石けん系洗浄剤を使用し、すすぎ後にお肌が「キシキシ」になる肌現象を、「さっぱりと落ちた!」と思っておられませんか?
実は私も、まだ15年くらい前まではそう思っていました。

残念ながら石けんで起きるこの現象は、さっぱり落ちたからではなく石けんカスが皮膚に残って起きる「石けんカス」(金属石けん)の感触なんです。

これは石けんシャンプーをお使いの方はよくご存じですが、石けんで髪を洗ってみればすぐに体感できます。
髪に指が通らずギシギシになるあの感触が、お肌で感じるキシつきの要因なんですね。
この感触を、さっぱり落ちた実感と誤解してしまっているわけです。
その証拠に、この後石けんカスを除去するクエン酸でリンスすると、油分も塗布してないのにツルツルになります。

本来、皮膚がキレイになって洗浄された状態は、皮膚に何も残らない食器洗剤で洗ってみれば分かる通り、手指で触れば「キュキュ」とする感触になります。
いわゆる、お風呂を洗って浴槽を指でこすった時のあの「キュッキュッ」とする感触ですね。

結局、長年のライフワークであのキシつきが、洗った後の感触としてずっと脳に残っているために、ビオレや両性系の洗浄剤で皮膚を洗うと感触が変わって、「落ちてない・・・」と感じてしまうというわけです。

もう一度書きますが、ここでも石けんを否定しているわけではないんです。
石けんのよいところは、本来この「石けんカス」を作らない使い方が理に叶っていて、もっとも石けんの良いところを活かしてくれるんですね。

それは簡単なことです。
上で書いた通り、石けんは洗う時やすすぐ時に使用する「水」がもっとも大事なキーになっています。

海外や日本の温泉だけでなく、日本でも水道水には多少なりともカルシウムやマグネシウムが含まれています。
ポットに溜まる白いアレや、蛇口などのステンレス部分に白く付着するアレが、そうです。
ですので、石けん中の残留油脂や脂肪酸と反応して、必ず石けんカスが生じます。
ということは、つまりこうしたミネラルが全くない軟水で洗えば良いというわけです。
とりあえず試してみるのに身近なものでは、スーパーで手に入れられる純水でやってみればすぐに分かりますね。

そうすると何が起きるか?
石けんカスができなくなるため、もちろんキシキシがなくなってサッパリするのは当然です。
それだけでなく、ここに石けんのもっとも良いところが体感できます。

それは、石けんを作る時に配合した植物油脂や脂肪酸が残り、洗いあがった後のお肌をツルツルにしてくれることです。
もちろん、オリーブ油を使った石けんであれば、オリーブ油がお肌に残ってくれるんです。
つまりこれがお肌のうるおい成分として残ってくれる、まさにスキンケアとなるわけです。
製品によっては、化粧水要らずと言っても過言ではありません。

だまされたと思ってお試ししてみて頂きたいですが、きっと皆さんは驚かれると思います。
すすいだ後に残った油脂分で、ヌルヌルになって最初は戸惑われることでしょう。
「すすげてないみたいで、ヌルついて気持ち悪い・・・。」と思われる方もおられるかもしれません。

なぜこうなるかを説明しますと、石けんというのは反応が完全ではないので100%がケン化されていません
純石けんなど、何日もかけて熟成するのはそういう理由から。
そのため、固形石鹸であれば油脂、洗顔クリームであれば脂肪酸が必ず残っています。
これが石けんカスになります。

ですので、軟水で使うと石けんカスが生成しないために、この油分が保湿成分として残ってくれてお肌がツルツルになるわけです。
キシキシに慣れているととまどうかもしれませんが、きちんとお肌はキレイに洗浄されていますので、スキンケアができたと考えれば良いですね。

そしてこの後に絶対にお試し頂きたいのが、その後にもう一度水道水を掛けてみて欲しいんですね。
どうなるか?

はい。
もちろん、面白いほどに瞬間で石けんカスができて、お肌が「ギシっ!!!」となります。
これを体感すれば、石けんカスの実態も実感できると思います。

ということで、これは他の洗浄剤では絶対にあり得ないメリットです。
これを応用し、アトピーが改善された例もたくさんあります。
乾皮症に悩むご老人の方のために、軟水器を導入している介護施設も多数あります。

一度、体感だけでもぜひともお試し下さい。
どう石けんを使いこなせば良いのか、ご自身なりの答えがみつかるかもしれませんね。
体感されてこれはイイ!と感じましたら、シャワー部分だけでも良いので軟水器を設置されると完璧ですね。
家庭用だと数万円で買えますよ。
洗顔だけでも軟水を使うことで、一気にスキンケアが変わるかと思います。
ご参考までに。

ではまた次週。

by.美里 康人

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