台風15号が関東を直撃し
夜明け前からもの凄い風に見舞われて
朝の交通機関にも大きな影響を及ぼしました。
都心部は災害に弱いことが露呈した一日でした。
かくいう私は
自分の会社まで原チャリ通勤(笑)
あちこちの倒木や突風で散らかった枯草をかきわけ
通常通り仕事をしました。
で、今日の本題ですが
久しぶりに少しお勉強の話を致しましょう。
今回は「pH」のお話。
以前にもここで少し触れたことがありますが
これもメルマガの過去記事を引用してみましょう。
<以下、原文ママ>
『ペーハー』という言葉は皆さんよく耳にしますよね?
この言葉、実は「pH」と書いて、化学の専門用語なんですが
皆さんその意味をご存知でしょうか?
「低けりゃ酸性で、高けりゃアルカリ性なんでしょ?」
もちろんそれで正解なのですが、ではここで一つ質問です。
<pH10の石鹸を、水で10%に薄めたらpHはいくつ位になるでしょうか?>
これって、現実にお肌の上で経験している洗顔の際のパターンを
大雑把に疑問にしてみました。
さて、いかがでしょう。
少なくとも
「1/10の”1”になる・・・」
という方はおられませんよね。
pH1なんていうと、どえらい強い酸で焼けてしまいますね(笑)
まずペーハーというのは、『水素イオン濃度』の事を指していると説明しておきます。
ようするに”powerH”の略で、「H」とは水素の事ですね。
<ここまで>
この先はpHの小難しい説明をしていましたので
ご興味がおありの方は↑の過去ログリンクからお読み頂くとして
今回はちょっと切り口を変えましょう。
まずは、一応簡単に説明。
ここでいう「水素イオン濃度」とは
基準になるイオン電極を用いて測定し
そのイオンに対する比較数値であり
まずは『絶対値ではない』ということを知っておいて下さい。
簡単にいえば
私の低い(笑)身長を比較基準とし
「ワタシは10cm低いよ・・・。」
とか
「ボクは5cm高いね。」
そういうものさしの数値と考えてもらえば良いでしょう。
そしてそのpHで表す数値は、乗数です。
つまり、pHが7の中性は
「10の7乗のイオンの数」
ということです。
これで、上の引用記事の答えがお分かりですよね?
pHが10のアルカリの石けんを水で1/10に希釈したって
pH1の強酸性にはならないですよ?(笑)
まぁ、少なくても薄める水のpHが中性の7としたって
「10倍に薄めたら限りなく7に近くなる・・・。」
これも×です(笑)
上で説明したようにpHは乗数を表していますので
「10倍に薄めても、ひと桁落ちて数値は1下がるだけ」
これが正解にもっとも近いですね。
「近い」と申し上げたのは
希釈するのはpHが7付近の水ですので
完全にpHが1下がるわけではなく
<1ですね。
ですのでお答えは
「9に近い」になります。
この実験を公式サイトの中にアップしていますので
ご覧になってみて下さいね。
ということで
仮にバスタブいっぱいにためてあるお湯に
石けんを入れて少し泡立てるだけでも
pHは8~9のアルカリ性を示しますよ。
さてさて、これならメルマガをご覧になっておられた方は
焼き直しか・・・つまらん・・・になっちゃいますね(苦笑)
で、また例のイケメン科学者ちゃんを批判することになっちゃうのですが
ここに「あぶなくないアルカリ電解水が存在する理論」の
メカニズムのヒントが隠されているのです。
いや、まぁ、とはいえ、今じゃエラソーに語っている自分も
数年前までは理解できていなかったんですけどね(苦笑)
自分でその「あぶなくないアルカリ電解水」を
こわごわ目ん玉にぶっかけてみて「えぇぇぇぇ!!!」となるまでは。
確かに、化学屋は理解不能に陥るんです。
「酸とアルカリの中和反応」は化学の原則ですし
酸とアルカリが等量で中性になるのが
鉄則ですからね。
こうして高等化学へと進んでいきますから。
で、少しずつ中和していくと
こうしたpH曲線を描くのが定石ですので。
これが基準で化学反応を学びますので
脳内で、pHがイコール
酸性の強さとアルカリ性の強さになっちゃってるんです。
でもね、ここにもヒントはあるのです。
この曲線って、真ん中(中和状態)の8~9付近から前後は
一気に立ち上がってますよね。
つまり中性状態の液に
酸やアルカリ物質がほんの少しでも加われば
pHは一気に上がったり下がったりするわけです。
で、その先の上下はゆるやかになる、と。
まず、この現象の原則が第一の理由。
そしてさらに今回の最初にご説明した
「比較の示性値であること」
ここが重要です。
完全な純水な水は一切の成分どころか
一切のイオンを持っていません。
なので完全に中性の7のはずなのですが
実は【普通環境ではpH測定できない】のです。
なぜなら、イオンが皆無だから
空気中の二酸化炭素がほんの少しでも溶け込むだけで
pHは5といった数値になってしまうからです。
これは純水のpHを実際に
きちんと測定した人だけが分かるのですが
ちょっと混ぜるだけでもほんの微量の二酸化炭素が溶け込み
すぐにpHがパラパラとバラつくんですね。
酸性の強い酢を水に一滴入れてもpHは5になる
そして、たった空気中のわずかな二酸化炭素が溶け込むだけでも
pHはすぐに5になる。
これが大きなヒントですね。
つまり温泉のように
鉱石(石)からほんの微量溶け出してきた金属物質(アルカリ性)
つまりほんの微量のミネラル成分だけでも
アルカリ温泉はpHが8だとか
長野の温泉のようにpH11だとかになるというわけです。
温泉に入っている皆さんはお分かりのように
ここに危険なアルカリ物質が含まれているわけではないですよね。
それは、元がなんにもイオンのない水が
基準になっているからなんですね。
なので、この大量の温泉にほんの一滴のお酢をたらすだけでも
一気にpHは酸性になります。
そしてこれで酸性物質が入りましたので
ここから先は中性にしようとすると
化学の理論のようにアルカリ物質が必要になってくるわけです。
pHの数値は
その液の危険性を表しているのではないというお話でした。
危険性は、【酸の強さ(酸度)】【アルカリの強さ(塩基性度)】で
判断されます。
今日はここまでです。
by.美里 康人