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全成分は出したくない

一気に暑さはやわらいで涼しくなりましたが
秋雨前線が居座り始めて
台風シーズンに突入しましたね。

昔は「秋晴れ」と言ったもので
秋は夕立もなく安定した天候だったはずなのですが・・・。

これも地球温暖化の影響???

そんな事を想う今日この頃ですが
化粧品の話題で、最近非常に気になることが。

私もネット通販で化粧品を買おうと
ショップサイトさんを訪れることがありますが
そこで最近気づいたことが
どこも、ほとんど全成分が明記されていないですね。


以前は大抵表記されていたものですし
運営サイトによっては
義務付けられていたこともあったような・・・。

とにかく、どこの辺りからか
消え失せてしまっています。

もちろん、メーカーさんのHPには
きちんと収載されていることも多いのですが
ショップサイトさんには明記されていないことがほとんど。

これって、どういう理由からなのでしょうか?

想像できる理由は以下でしょうか。

・商品から転記していることから、間違っているとめんどくさい事になる
・コピーされて、SNSやブログなどに利用される
・ただ、出したくない

まず1番目
確かに、全成分は法的に定められた商品表記
例えHP上であったとしても
それが間違ってどこかに明示されていると
これは薬機法的な問題になり兼ねませんし
少なくてもメーカー側からは変更を求められます。

成分の名称って
1・2文字違うだけでも
全く異なる成分になるケースもありますし。

例えば
「ラウレス硫酸・・・」「ラウリル硫酸・・・」

消費者さんの側からみれば
「似たようなもんじゃん。」
と感じるかもしれませんが

いえいえ、これは全く別物と言ってよいほど
異なる界面活性剤です。

「ラウレス・・・」の方は
化学構造の間に酸素(O)が付与されていますので
ヒトへの安全性が大きく変わってきます。

人によっては
「どうせ化学合成成分なんだから、どっちでもいいし使いたくないよ。」
とおっしゃるむきもあるかもしれませんが
原料を開発した企業さんの側からしてみれば
少しでも安全性の高い
そして、環境に優しい洗浄剤を開発したいとの
強い思いから鋭利研究されて
商品化されたものですから。

いわば、時代とともに進化した洗浄剤なわけで。

もしもこの記事にご興味を持たれた方は
「AES」(アルキルエーテルサルフェートの略)で
ググって調べられてみて下さいね。

と、話を戻しましょう。

なので、間違った表記をしてしまうリスクがあるなら
義務ではないので、表示しない・・・ということでしょうか。

確かに、私も何度か記述間違いを見かけていますが(笑)

次いで2番目
これだけブログをはじめSNSが世に広がると
注目を集めるための目的に
こうした情報をコピペして用いる方が多い。

あ、確かに自分も全くの無実とは言えませんが(苦笑)

だいたいが、全成分はテキストで明記されていて
コピペが可能なことが多いので転載する人が多いですね。

いい方に利用されるのなら良いですが
悪い見本のように晒されるのは
メーカーさんにとって迷惑でもあります。

そして最後の3番目
よく分かりませんが、メインの理由はこれじゃないのかなぁ・・・。

よく考えてみれば通販なんかの場合は
お客様の手元に届いた時点で
既に売っちゃってるわけですから
購入前の情報で
「コレ、いやだわ。」と思われるような
いらぬ情報は出したくないですよね。

「合成がー」
とか
「ポリマーがー」とか・・・。

今どきは消費者の皆さんも賢明になりましたから
成分をみて嫌われたくはない・・・
ということなのでしょうか。

いや、まぁ、これは
私の勘繰り過ぎかもしれませんので
メーカーさん、悪しからず(苦笑)

とはいえ、消費者の方々にとっては
事前に商品の中身についてしっかりと情報を精査し
そして商品を購買したいものですよね。
ただでさえ
怪しいPR文が踊る商品が多い最中
ですから。

いずれにしても、私などはそれを踏まえて
全て晒してもつつきようのない処方設計が
ポリシーでもありますので
なんら臆することはないつもりですけれど。

いや、もっといえば
むしろ、出して欲しい(笑)

だって、賢明なユーザーさんほど
全成分から特長を感じ取って頂けると思うからです。

最後はちびっとピノキオになった美里でした(笑)
すいませんでした!

ま、どこかの商品でお目にかかれればと思います。

by.美里 康人

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