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ナノコスメを知る 秘話6

ナノコスメを知る 秘話5」の続きです。

前回、微粒子酸化チタンの皮膚内浸透について
全くもってバカバカしい研究発表・論説を
公の場にさらしたケースのお話をしました。

その新聞記事をご紹介しましょう。

↓以下全文転載
——–
光触媒として使われる酸化チタンの微粒子を
妊娠中のマウスに注射すると、
生まれた子の脳や精巣に粒子が入り込み、
細胞死や機能低下を引き起こすことが、
東京理科大学の武田健教授と
栃木臨床病理研究所の菅又昌雄所長らの研究
で分かった。

1日付の日本薬学会の専門誌に発表する。

酸化チタンは光を当てると、
汚れを分解する光触媒として、
便器や浴室のタイルなどに使われる。
日焼け止め化粧品にも含まれる。

実験は直径40ナノ・メートル(ナノは10億分の1)の
酸化チタン粒子0・1ミリ・グラムを
食塩水に混ぜて、
妊娠中のマウスに4回皮下注射した。

生後6週目の子どもを調べると、
末梢(まっしょう)の血管が詰まり、
大脳皮質や海馬で細胞死が確認された。

精巣にも異常が見られ、
精子を作る能力が2割以上低下していた。

酸化チタンは世界保健機関が
「発がん性の可能性がある」と
指摘している。

国立医薬品食品衛生研究所の菅野純・毒性部長は
「吸い込んだ場合でも同じような毒性があるか、確認が必要」と
話している。

(2009年2月1日13時46分 読売新聞)
———

これらの論説に対して
一般人レベルの消費者からも

「どこの世界に日焼け止めを皮下注射するバカがいるんだ!」
「アルコールや砂糖・塩でも皮下注射したら病気になるわっ!」

と、実験方法の不適切さに対して
轟々たる指摘を受けています。

これが大学の研究室で行われた実験・・・

そして、大学の教授・研究所長の発表というのだから
開いた口が塞がらないというもの。

ましてや、それを『日本薬学会の専門誌』に公表とは・・・。

学会や専門誌の汚点にもなるとは考えないのでしょうか。
(ま、私立大だから、と言えばそれまで?)

まぁ、いわゆるこうした専門誌と言われる刊行物も
メーカーがバックについた
PRのための臨床データ発表論文が多く
広告料を支払う事で
まるで公的データとして扱われているかのような
論文として掲載してもらえるわけですから
推して知るべしといったところ。

もちろん基礎データとして
私たちも参考にはなるのですが
これを一般消費者が見て
正しく判断できるかは、別問題。

事の重要さは
『微粒子化された酸化チタンが、皮膚内に浸透するかどうか?』
である点を、
消費者に見失わせてしまうのです。

何が言いたいのか、
それを新聞にデカデカと掲載してしまう
一般紙の資質も何をかいわんや・・・です。

これでは、メディアの信憑性が叩かれる今
新聞離れが進むのも当然・・・
と、言えるかもしれません。

とまぁ、それはさておき

私は薬学・医学の専門ではありませんので
こうした臨床に対する評価をする事はできませんが
私達化学屋レベルでも分かる
皮膚科学的見地で考えてみた場合
一般的にはこう考えるのが合理的かもしれません。

私見になりますが、
私なりの論点で酸化チタンの皮膚内浸透について
評価をしてみます。

次回に続く。

2 COMMENTS

管理者

(2013年11月26日 16時23分11秒 科学者Aさんのコメント)

これはひどいですね。

何がひどいって、正しい科学的アプローチの方法やメカニズム解明までの道程をしっかり理解できておらず、
また発表された研究内容の本質が分かっていないにもかかわらず、彼らの研究を批判してしまっていること。

あるかどうか裏も取れていない推論を並べて、
一つの重要な知見を、「汚点」とまで言い切ってしまいのは本当に残念です。

それも「私は薬学・医学の専門ではありませんので
こうした臨床に対する評価をする事はできません」と明確に言っている「化学屋」が言っているのでから、
本当にどうしようもない。

筆者がどういう意図を持って批判しているのかその点を明確にしてほしいところです。

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美里 康人

(2018年04月04日 16時59分39秒 に返信)

科学者Aさんへ

4年以上も経った今頃になってコメントに気付き、申し訳ありませんでした。
過去ログをお読み頂いている方々もおられるようなので
一応、コメントを返しておきます。

まずはご自身が、人の記事への批判を書き込むのであれば、良くお読みなられてからにすべきでしょう。

私は、「試験アプローチの妥当性」の観点から、「このやり方では意味がないだろう」と指摘しているわけです。

もともとの試験に至ったキッカケは、こうしたナノレベルの微粒子系固形粒子(金属)がカラダに入った時の影響の治験を得る事が目的だったはずです。
そして、それが実生活の中で可能性として議論のターゲットとなっているのは、化粧品に使用されている酸化亜鉛・酸化チタンである事は周知の事実です。

もちろん、それ以外の工業用途で使用されている事例もありますが、触媒材料として塗料に練り込まれたりと、固体化されているので、この実験目的の対象外である事はシロウトでも分かります。
そしてこれに対しては、作業者への懸念を推定して、「吸い込んだ場合でも同じような毒性があるか、確認が必要」とコメントを出していて、これが正しいです。

ですので、まさか化粧品を注射する人も飲む人もいるわけはないので、まずは経皮吸収の可能性があるか否かが、問題の根幹です。
この試験で経皮吸収の可能性が示唆されて後に、体内安全性試験へとプロセスを進めるのが、スクリーニングのセオリーです。

ここをしっかり読み解いてからコメントを下さいませ。

美里

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