化粧品開発のご相談はビークラボへ >>

手作りコスメってどうよ?~前編(FILE No.008)

メルマガアーカイブ

◆◆FILE No.008 / 2006年6月配信◆◆

手作りコスメってどうよ?~前編

いつもは化粧品メーカーを斬鉄剣で斬りまくっていますので
今回はちょっと立ち位置を変えて、手作りコスメについて少しメスを入れてみましょう。

手作り化粧品のブームは、ちょっと落ち着きをみせた感じでしょうか。
色んなショップさんからの情報を耳にすると、販売材料の値段競争が激化して大変とか。
最近は、本来化粧品の業許可を持っていない相手に売ってはならない化粧品原料メーカーさんも
実は裏では営業に回ってたりと、おもしろい事も耳にします。
一時のブームで、背に腹は変えられないってところでしょうか。
気をつけないと、私チクっちゃいますよ(笑)
(海外に飛ばしても、ミエミエやねん・笑)

で、私の手作りコスメに対する評価のスタンスですが
私は別にコスメメーカーではありませんのでどっちでもいい。(コラコラ)

ただし、現状の手作りコスメ市場を見ていると
基本的には賛成の立場は取れないのが正直なところです。
もちろん、「ユーザーの立場に立って考えてみれば」という意味です。

その理由はいくつかありますが
今週から二度に分けてそんな事をツラツラと書いてみましょう。

*

ご家庭で化粧品の手作りを始められる方の半数程度は
市販コスメの高さに憤りを感じ、この理由が動機の方も多いようです。
まずは、お財布にどうなんだろう?といった角度から包丁を入れてみます。

今は少し材料もお安くなりましたが、以前はひどいものでしたねぇ。
一度サイトの方でも少しだけ暴露しました(こわぁ・・・;)が
おおまかに言って
化粧品の製造会社が仕入れる原料価格の、ほぼ10倍が相場
でしたね。
ひどいショップになると、20倍(ヲイヲイ;)なんてのもありましたよ。
もちろん、それに容器代や詰めるための手間賃も考慮に入れるとしても
化粧品会社みたく宣伝費がかかる訳でもないし、店舗費用が必要な訳でもない
おまけに送料は相手負担なんて考えれば、羨ましい限りの暴利・・・。
まして今やサイト運営のためののサーバーも、ショップだろうが企業だろうが無料の時代ですから
まさに坊主○儲け(笑)
ブッチャけ、これでもしもダイソーの化粧品並みの化粧水を自分で作ったとしたら
間違いなくダイソーの方がお得です。
アレって、もちろんしっかりとしたスキンケアを考えた時には必ずしも全面的に大賛成とは言えませんが
価格対効果と考えると絶大な存在と考えて良いでしょう。
活用できるところは十分に活用すれば、実にお財布に優しく頼れる存在です。
さらには、業界の価格基準を見直す意味でも、実に貴重な一石だと言えます。

*

話を戻しますが、今は材料の価格も少し安くなってきました(ほんまかいな・・・)ので
いいショップをみつければ手作りコスメもそれなりにお財布に優しいものが作れる境遇になりましたが
もともとショップさんも「なんぞいい商売はないもんか・・・」と考えてやり始めた訳ですから
ショップの謳い文句(決まって、自分や子供を敏感肌にしてる・笑)にダマされない様、注意が必要です。
ふと我に帰ると、これって化粧品メーカーと同でしょ。

*

さて、でもお財布に優しいからと始められた方ばかりではありませんので
「自然の材料で、自分に合った化粧品を作りたい!」
そんな思いで手作りを始められた方にとってはどうなのでしょう?

まず、「自然の材料」という部分ですが、これは先般のセミナーでもお話しましたね。
もちろん、化粧水などはエキスや精油だけを使って作ればこのニーズは叶えられます。
ただ、当然これだけで保湿が足りる訳もありません。
肌コンディションが整うはずもありませんから、クリームも・・・という事になります。
ここに実は盲点があります。

よくある(てか、ほとんどがそうやん)のが
「植物性乳化ワックス」や「エマルシファイイングワックス」と命名された材料を使ってのクリームでしょうか。
これが実はクセもの。
これは旧表示指定成分に指定されていた
セタノールやステアリルアルコール
といった高級アルコール(「高価なアルコール」って意味ちゃうで・笑)がメイン成分。
それに「ポリソルベート○○」なんていう界面活性剤を混ぜて作られているワックスな訳です。
他にも○○○-20だとか界面活性剤の種類はいくつかあるようですが
どれも皆さんがイヤがる昔の界面活性剤です。
しかも化粧品会社のような強い攪拌機械がある訳でもありませんから
手攪拌程度で乳化できるように、これを何%も配合するというレシピを公開していますね。

これって

こらぁーーー!!

ですよね?

とまぁ、この現実も問題ですが、それよりもさらに問題なのが
こうした材料の性質も知らないのにも関わらず
販売主が「オススメレシピ」等と一段高いところからコスメの達人ぶっているのが大きな問題点です。
プロフに必ず書いてありますねぇ。
前回までの「プロが教える???」でも書きましたが
アロマセラピーの検定合格者が化粧品とはなんの因果関係もありません。
「あんた、表示指定成分も知らんのかいっ!」
こんな状態で「私の敏感肌に合うコスメを」なんて思いは
叶えられるどころかどんどん迷路に誘導されてしまいますね。

私のところに相談に駆け込まれる方の中に
自然材料で手作りコスメを使い続けてひどい目に合われた方が多いのは
こういったところにも問題が潜んでいるのでしょうね。

でもよくご覧下さいね。

必ず

『自己責任においてお使い下さい』

と責任逃れ文句が書いてありますから(笑)

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です