梅雨入りとともに、6月というのにいきなり台風が通過しています。
なんだか年の波乱を感じてやまない、美里でございます。
こんにちは。
早速前回の続きになりますが
私達が長い歳月をかけてようやく開発を成し遂げてきた
「特殊還元性アルカリ電解水」の技術。
これを真っ向から否定されていた
専門家を名乗るブロガーの方の理論が
私達業界人が拝見すると「ナニコレ?」な件についての続編です。
確かにプロフなどを拝見する限り、化学専門のご出身のようですので
化学の理論については、それなりに理論解釈はされるようです。
しかしながら今回の指摘を含め、記事の随所を読ませて頂く限り
せいぜい、化学専攻の大学生さんあがり、か?
業界技術人からは、そんな不躾な評価さえ漏れ聞こえてくるのも仕方なく
ユーザーさんからもてはやされている事に
疑問を抱かざるを得ません。
当たり前の事ですが
そんな、大学の化学専攻の出身者さんは世の中に星の数ほどいます。
それで化粧品の処方設計や成分の事
そして皮膚科学の事にまで及んで語られると
「ナニコレ?」と裏で批判を浴びても仕方がありません。
まだそれだけなら良いですが
他社の商品や技術を非難するなど、もってのほか。
私達化粧品技術者仲間の後輩が見ても
「あちゃぁ・・・痛いね(苦笑)」というお話し。
そして、いよいよ本題の掲題の件に触れます。
私達が手掛けているマイナスイオン水と謳われている電解水は
アルカリ物質を添加しているわけでもなく
(添加したら『水』として薬務課の認可が得られるわけがない)
全くなんの効果もない「ただの水」でもありません。
確かにお書きになっているように
「何も含まれていないただの水」ではないのは事実。
ミネラル分が高濃度で含まれていますので
何も成分がないのではありません。
こうしてミネラルを含んでいるので
化粧品の表示名称の上でただの「水」表示では全くつまらず
本来は特別な表示名称が欲しいのですよ、実は。
だけど、東京都庁からは「水ですね」と言われて
証明書も発行されてしまいましたから
いわば「仕方なくただの”水”表記」なんです。
確かに、成分を添加しているのではないですし
そんな事を言えば、アルカリ性や酸性温泉水はどうなるの?というお話しになります。
つまりは、人工的に作られた高濃度の温泉水、と
そう考えれば分かりやすいんですね、この水への理解は。
実際に日本の温泉水でも
もっともpHの高いのは白馬八方温泉で
なんとそのpHは、11.5もあります。
他にもpHが10を超える温泉は、複数存在します。
コレらって、か〇の〇けさんの化学理論では
危険!なんですかね?
これらの温泉の効能が、非常に優れているとは言われても
目が失明しただの、皮膚が溶けただのと
そんなとんでもない被害トラブルは
聞いた事もありませんね(苦笑)
じゃ、この温泉水を人工的に作るにはどうしたら良いか?
温泉の元を入れる?(爆)
残念ながら、ミネラル成分(鉱物質)は水には溶けないんですね。
市販されているいわゆる入浴剤の「温泉の元」の類いは
炭酸水素ナトリウム
つまり一般的には「重曹」と呼ばれる成分がメイン成分で
これはミネラルが塩(”しお”と読まずに化学用語で”えん”と読みます)になっていて
水には溶けますが、アルカリではなく中性(微アルカリ性です)。
なので温泉に含まれるミネラル分とは非なるものです。
分かりやすいのが、ポットなどに溜まる水道水の白い結晶
つまりカルシウム。
あれが、本当のミネラルです。
水に溶けないために、だんだんと濃縮されて高濃度になると
結晶して溜まってしまうわけです。
これはミネラル分の中でもカルシウムの例ですが
ナトリウムやマグネシウム・カリウムなども同じ。
こうしてミネラル分は水には溶けないため
アルカリ温泉のように高濃度で
そのままミネラル分が溶け込んでいる水を人工的に作るのは
非常に困難というわけです。
温泉のように長い年月をかけ
自然に鉱物(鉱石)から溶け出したミネラル分が溶け込んだ水を
人工的に再現するのは実に難しい事なんですね。
なので、これを人工的に作り出すには
温泉の成分を参考にしてミネラル分の元になる電解質を添加し
その上で電気分解をして作る、この方法しかありません。
もちろん、この電解質成分に何を使うかがノウハウで
企業秘密です。
化学の世界の事をご存じならば
工業用途でこの電解水の酸性側を滅菌水として使用されているのは
周知でないと困りますね。
と同時に、アルカリ側はアルカリ電解水であって、そのまんまです。
学校の実験では、水に食塩(電解質)を加えて電気を通し
酸性側とアルカリ側に分ければそれぞれが生成されるのは
化学の常識です。
この時に副産物として塩素と水素が発生するという現象は
私の時代には中学校の授業で習いましたよ。
家庭用の電解水生成器も普通に売られていますし
これはいわばその簡易タイプです。
そして、私達が扱う特殊な電解水は
この「電解質である食塩」に、異なる物質を使っている事。
そりゃそうです。
食塩だけじゃミネラル分はナトリウムだけになってしまいますので
それでは差別化したミネラル水にはなりませんからね。
そして酸側とアルカリ側に分離する事に特殊なノウハウを要する
特殊な電解水というわけです。
ただ、電解質を電気分解して成分そのものは存在しなくなっているので
結果的に薬務課の判断は
「全成分表記では、ただの水」
となってしまったというわけです。
ここまで書いてきた化学の論理は
なんら難しい事ではありません。
化粧品技術者なら誰でも理解できる範疇の説明です。
にも拘わらずあの記事は
「・・・・・・;」
こういう中傷記事はあまり好まないのですが
この技術をウリにして差別化商品を売られているメーカーさんは
当然こんなテキトーな事を書かれちゃ文句も言いたくなるでしょうし
なによりこの記事
『美容と悪徳商法』の記事カテゴリーに入れておられますからね(苦笑)
申し訳ないですが・・・ご本人が開発されたとアピールされておられる
「なんも入ってないコスメ」にどんな価値があるのか
小一時間聞いてみたいものです。
私からするとアレが
「悪徳なんちゃら」では?
高いお金を出してユーザーさんに購入して頂くプロが作る化粧品は
それなりに説得力のある
そして、どこをどうひっくり返されても胸を張って
「これは良いぞ!」
と言える技術力のある商品を
提供していきたいものです。
まだちょっとページが余りましたので
他にも気になった「あいたた・・・」という記事を取り上げておきます。
過去には、ビタミンCの記事にも触れていましたね。
その中にリン酸型ビタミンC「リン酸L-アスコルビルMg」を配合した美白医薬部外品の記述があります。
で、医薬部外品の承認前例の配合量が3%???
「え???」
いや、まぁ、そう思っておられるならそれで構いませんが
弊社がメーカーさんにご提供させて頂いている
医薬部外品のビタミンCホワイトニングローション処方は
そんな薄くはないですわ(苦笑)
私達、業界技術者は「知らぬが仏・・・」と思ってスルーしておきますが
実はこれをご存知のメーカーさん方は影で
「あーあ、ヤっちゃってるよこの人・・・。」
そう思われている事を知っておくべきでしょうね。
この方のブログにはコメント欄に
「識者の方のご意見によって改定や訂正させて頂き・・・云々」
なんて記述が随所に見られ
ご意見賜りたい、みたいな真摯な姿勢をカモフラージュしているようですが
これだけ上から目線で仰々しく書きまくり
そして他社さん商品を批判、中傷で叩きまくっておいて
記述内容に間違いがあったならば
恥と知るべきと感じます。
私達、化粧品技術者がここまでの知識の蓄積をしてくるのには
何十年もの年月をかけた勉学、そして実験や試作
そうして積み上げてきた結果の、プロなわけです。
それを二枚舌のように堂々と「教授賜りたい」等とは・・・
ご丁寧に白衣をまとい、さんざんプロ面しておいて
甘えるのもいい加減にしろ!と言いたいですね。
知らなければ書くなヨ!知ったかちゃん
それだけです。
今回の記事はここまで。
ではまた。
by.美里 康人