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化粧品とコラーゲンの話(前編)

コラーゲン化粧品

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美里康人

意外と分かっていないコラーゲン
化粧品における活用の”なるほど!”なお話
今回は前編で序章

最初にコラーゲンとは何者なのか、知っておかないとこの先のお話は理解が難しくなります。
しかもこれを知っておくことで、ユーザーの皆さんは髪やお肌のアンチエイジング成分がうんと理解しやすくなるはずです。
なにより人のカラダの6%がコラーゲンで構成されていますので、知っておくと化粧品の成分のかなりの部分と繋がりがあって、うんと化粧品成分のサイエンスが理解しやすくなります。

ということで、コラーゲンとはなんなのか基本的な説明をしていきますが、実に大ざっぱに書いていきますので、技術や専門の方が読むとツッコミどころが随所にあるかと思います。 そこはユーザーの皆さんが理解しやすい範疇ということで、広い心での解釈をお願いします。

コラーゲンって何者?

冒頭で、ヒトのカラダの6%がコラーゲンと説明しましたが、この数値をみて「え? 意外と少ないじゃん・・・」と感じた方も多いかと思います。
いえいえ、実は以下の絵を見て頂ければお分かりの通り、ヒトのカラダの大半は水分と脂肪をたっぷりと含んでいるために、体重比でこうなってしまうのですね。

HPリンク:キューサイ株式会社
https://corporate.kyusai.co.jp/collagen/chapter1/1.html

コラーゲンと化粧品
出典:『私たちのカラダに不可欠なコラーゲン』(キューサイ社)より

分かりやすい例えをすれば、“水や油をたっぷり含んだスポンジ”をイメージしてもらえばよいでしょう。
重さのほとんどは液状の水や油ですが、全体の見た目は全てがスポンジ。
つまり、カラダの固形物部分の大半がタンパク質で、内臓組織や血管、そして皮膚もほぼほぼタンパク質でできているというわけです。
そして、そのうちの30%がコラーゲンということです。

大胆に言えば、ヒトのカラダの水分と油を搾り取ってしまえば、残るほとんどがタンパク質ということになりますね。

で、コラーゲンとはどういうものなのか簡単な言葉で説明すると、ようは「各種のアミノ酸が長~く連なったモノ」です。 長くというと曖昧ですが、この数はおよそ数千個(分子量では数十万)といったレベルと思っていてもらえればよいでしょう。
非常に長く連なっているので、ネットなどで解説を調べると「鎖」とか「チェーン」とか、さらには「繊維状」などといった言葉がよく出てきます。
それ位長く連なったものとイメージして下さい。

簡単ですね。

でも、アミノ酸と言われても・・・といった方々には、人体の必要成分として「必須アミノ酸」などといった言葉がよく使われるように、ヒトのカラダは20種類のアミノ酸から構成されていますので、その程度の理解でOKと思います。 ここを化学的に深堀りする必要はありません。
「酸」とついていますが、ユーザーの皆さんが理解するべき化学のレベルでは、酸性・アルカリ性の「酸」とはほぼ無関係と思えばよいでしょう。 アルカリ性の塩基性アミノ酸もありますので、ここはスルーの方向で構いません。

一応、きちんと学びたい方のために、そのアミノ酸を列記しておきましょう。

 バリン
 イソロイシン
 アラニン
 アルギニン
 グルタミン
 リシン(リジン)
 アスパラギン酸
 グルタミン酸
 プロリン
 システイン
 トレオニン(スレオニン)
 メチオニン
 ヒスチジン
 フェニルアラニン
 チロシン
 トリプトファン
 アスパラギン
 グリシン
 セリン

皆さんもよく耳にするアミノ酸は、味の素の主成分で有名な「グルタミン酸」。 食品の旨味成分として、醤油や味噌にもたくさん含まれている成分ですね。 余計なおせっかいですが、こうして天然の素材から抽出したアミノ酸ですので、化学調味料ではありません。
あとはお魚やイカなどが旨味になって出てくるのは、「イノシン酸」。 化粧品によく配合されている成分では、「アルギニン」「セリン」なんかも有名。 この辺りは、誰でもが知っているアミノ酸の名前でしょうか。
他にもサプリメントに記載されていたり、商品名で見るものもありますよね。

そしてこの20種類あるアミノ酸が直線にたくさん連なってコラーゲンになっているのですが、まずはアミノ酸が一直線にたくさん連なったモノは、皆さんもよく知っている言葉でよく使われています。
それが上で書いた「タンパク質」です。 カラダの固形物部分はほとんどがこれで成り立っていて、コラーゲンはたんぱく質の種類のひとつと覚えておけばよいですね。
ヒトのカラダのほとんどが、アミノ酸が長く繋がったモノでできていると覚えておけばよいでしょう。
アミノ酸はほとんどが水性成分ですし単体ならば水に溶けるのが多いですが、こうして長く連なって繊維状の高分子状態になると、もう水には溶けなくなります。 皮膚や髪の毛もタンパク質ですが、お風呂に入って溶けた経験などないでしょうから、そういうことです。
ちなみに上の絵にあった体内の水分の中にも、単体のアミノ酸は溶け込んでいます。

あとは小麦粉も植物性のタンパク質ですが、水に溶いても溶けずにダマになりますね。
水を入れてコネコネしてあげればグルテン(麺類)になったり、お鍋で熱してやればようやく透明になってトロミになったりゲルゲルになりますが、これもそういうことです。 溶けたのではなく、繊維状になったタンパクが水を抱え込んでゲル状になっただけのことなのです。

で、ここで大切なことをひとつ知っておいて下さい。
このアミノ酸の連結ですが、不思議なことに電車みたく同じアミノ酸が長く連なることがありません。 同じアミノ酸同士がくっつくのではなく、異なった20種類同士が選ばれて連結していると覚えておいて下さい。
この「選ばれて」というところが大切で、人がそれぞれなのと同じように、繋がっているアミノ酸の種類や順番の違いで個性があり、パターンでそれぞれに呼び名や記号がつけられています。

そしてタンパクが理解できたところでコラーゲンの説明に戻りますが、このアミノ酸の一列になった集団のタンパクが、さらにらせん階段のように3重に絡み合っている特殊な繊維状が、コラーゲンと呼ばれていると思えば間違いありません。
髪の三つ編みみたいなものですね。 ヒトの皮膚も髪の毛も、こんな繊維でできています。
なぜこうして3重になるかは、また後ほど解説していきます。

でも、コラーゲンは魚といった魚類や哺乳類、さらには鳥など様々な動物にありますし、存在している部分もカラダのあちこちにあります。 皮膚もそのひとつですし。
なので、それぞれ異なったアミノ酸の種類で構成されていますので、それによって性質もそれぞれに違うということになるわけです。

ということで、コラーゲンがよくアンチエイジングへの期待として化粧品に配合されるのは、こうして動物のあちこちの構成成分と同じものであることから、応用されていると考えれば納得できると思います。 単純にヒトの皮膚と一体化するかどうかは別として、何かの機能に関与することへの期待というところです。

コラーゲンの不思議

さてこのコラーゲン、数千個におよぶ連なったアミノ酸の構成によって種類もいくつか分類されています。
その詳細を知る必要はありませんが、化粧品に関わるヒトの皮膚がどんなので構成されている種類かくらいは知っておいて損はありません。

ヒトのカラダを作っているコラーゲンは19種類あると言われており、皮膚のコラーゲンは以下が確認されています。

<ヒト皮膚の構成>
 Ⅰ型コラーゲン 80~85%
 Ⅲ型コラーゲン 10~15%

どう違うのかまでの化学的な深堀りはここでは触れずにおきますが、ほとんどがこのⅠ型(type1)とⅢ型(type3)とでできていると覚えておけばよいですね。

それよりも、上で書いたこのタンパクが“なぜ3重のらせん繊維になるのか”の不思議について、解説しておきましょう。
コラーゲンのタンパク繊維には化学的に特長があり、アミノ酸の並びの3つ目のところに必ず「グリシン」が繰り返しで存在するのが特徴です。 そしてこのグリシン同士が並ぼうとするために、必ず3本のチェーンになるというわけです。

自然の摂理の不思議という感じでしょうか。
何を基準として3つごとにグリシンを自然に選択して並ぶのか、人体のサイエンスやゲノムにまで詳しくない私には、自然の不思議でしかありません。

さぁ、ここまでいかがでしたでしょうか。
サイエンスのお話は、長くなると読むのもお疲れになるでしょうから、この先のスーパーでお安く手に入る食品のコラーゲン(ゼラチン)と高級コスメのコラーゲンは同じなのか?とか、実は50年もの歴史があるタンパク質の化粧品への応用、そして最新のアンチエイジング成分技術とも繋がりがある・・・といった具体的なお話は、次回に持ち越しましょう。
一週間の間に、再度ここまでの記事を熟読頂いてきちんと基本の理解を深めておいて頂ければ、さらに「なるほど!」な話題になるかと思います。

ではまた次週。

by.美里 康人

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