次のお題に入る前に
少しの間化粧品よもやま話に
おつきあい下さい。
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皆さんが日常でよく耳にするこの言葉
「有効成分」
なんとなく意識せず使っていると思いますが
実はコレって
業界的に重要な意味を持っています。
化粧品について言うと
まず、この言葉そのものを使う事はできません。
と書くと、ユーザーの皆さんは驚かれるでしょうか?
でもこれは事実です。
この後の話を分かりやすくするために
再度ここで復習しておきましょうか。
皮膚に適用する(塗布・散布・浸漬など)全ての商品は
薬事法で以下の3つの商品カテゴリーに分けられます。
1.医薬品
2.医薬部外品
3.化粧品
一例としてざっと羅列すると
皮膚塗布薬全般・湿布薬・目薬・育毛剤・シャンプー類・ヘアコンディショナーを含むセット剤・ヘアスプレー・基礎化粧品・メイク化粧品・マニキュア・香水やオーデコロン類・石鹸・ボディソープや洗顔フォーム・入浴剤・手洗い洗剤などなど。
つまり
皮膚や髪に直接塗布する・接触させる製品は
全て含まれるという事になります。
もちろん
インターネットなどで販売されている手作りコスメ用材料も
「手作り化粧品用材料」という用途がどこかに明記されている限り
全て上の3つのどれかにあてはまり
薬事法の例外は認められません。
いずれ早い時期に一斉取り締まりが入りますので
ご覧になっている方々の中に
「化粧品」として生産されていない
原料を販売されている方がおられれば
早期に撤退の検討をされる事をお勧めします。
*よく誤解されている方がおられるのですが、「化粧品用原料」はあくまで原料であり、決して「化粧品」ではありません。
実際は軽く考えておられる方がほとんどなのですが
もしも薬事法違反で摘発を受ければ
刑事処罰を受けて前科一犯となって前科が付くだけでなく厚労省のHPに業者名・責任者名が公表されますので
立派な犯罪者・前科者という事になります。
もちろん、3年以下の刑務所行きもあります。
実際、つい最近も身近な方で
年間10本も売れていなかった手作りコスメキット
これをHPで販売していて摘発を受け
科料60万円の刑罰を受け
しっかり手錠をかけられた方がおられますので
他人事ではなく、よく認識しておかれて下さい。
罪の意識のない犯罪ほど怖いものはありませんね(苦笑)
* * *
お話が大きく逸れましたが
「有効成分」のお話しに戻ります。
ここまで書いたように
薬事法で規定されている皮膚に塗布する商品に関しては
1.医薬品
効能効果を期待する主剤の薬剤を「有効成分」と規定する。
2.医薬部外品
「シミを防ぐ」「育毛を促す」「整肌効果」「ニキビを防ぐ」など
既に薬事法で規定された効能に限定し
さらに効果が法的に認められた効果成分に対してのみ
「有効成分」として呼ぶ・記載する事を認められる。
3.化粧品
効果・効能があってはならないため
「有効成分」という文言は使用できない。
それじゃ
化粧品の宣伝広告文や謳い文句でよく目にする
美白やアンチエイジングといった効果
「アレはいったいなんなの???」
まぁ、つまり、薬事法に抵触しない範囲の
「美肌効果」の範疇という事になるでしょうか。
決して「有効成分」の「有効性」ではないんですね。
宣伝を見ていると
誰がどう見たって有効性を謳っているように見えますけどね^^;
今日はこれまでという事で。