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ナノコスメを知る 2020年版 その1

今回から3話に分けて
【ナノコスメを知る 2020年版】と題しまして
化粧品業界におけるリポソーム技術の最新裏話に
触れようと思います。

この話題については
ずいぶんと以前からシリーズで取り上げていて
業界の裏話を特集してきています。

美里的、リポソーム史

リポソームの話題の過去記事はこちらです。

<<ナノコスメの秘話シリーズ No.1~No.14>>

【ナノコスメを知る 秘話1】
そもそもナノって・・・?

【ナノコスメを知る 秘話2】
化粧品のナノ技術について

【ナノコスメを知る 秘話14】
モイスチャーリポソームのお話

あらためて振り返るともう8年も前に書いた記事で
業界的にはこの後も
どんどんこの技術のコスメが広がりをみせています。

思い返せば、たまたま自分はこの技術を
コーセーさんが開発(モイスチュアリポソ-ム)されていた当初から
競争のように取り組んでいましたので
思い出深い技術でもあります。

この技術の良さはよく分かっていましたが
まさか、美容業界でここまで広まるとは
思いもよりませんでした。

・・・と、思い出に浸っている場合ではないですね…。

今回は最新事情『2020』として
上の記事から8年を経過した現在の
その裏事情についてまとめてみようと思います。

コーセーさん以外のリポソーム技術への取り組み

もう皆さんはよくご存じのように
コーセーさんがこの技術の
オーソリティであることは有名です。

では、コーセーさんレベルでこの技術を全面的に活用した
他のブランドがないのか?といえば
実はなかったわけではありません。

さすがにどちらのブランドかここでは書けませんが
一般医薬品系のZ社や
宝石工場分野で著名なM社といった
そこそこ大きなメーカーさんが開発を手掛け
商品展開をしていました。

ただこの頃は、リポソームという言葉自体が
コーセーさんしか使えなかった(*注)ことで
この技術を全面に押し出していなかっために
ほとんど市場では認知されずにきています。
*注)「リポソーム」という言葉は医療用語で、化粧品のPRには使えません

技術に生真面目で、本当にリポソームの特性がよく分かる
いいコスメでした(過去形)

中小ブランドはいかに?

では、それ以降にナノコスメブームが勃発し
「通販コスメなどでもよく見るけど?」
という声が聞かれます。

ここが今回の話題の焦点になります。
なぜなら、ユーザーの皆さんにとって
もっとも身近だからですよね。

ということになると
工場的には自社工場ではなく
OEM工場の技術事情ということになります。

さて、OEM工場のリポソーム技術はどうなのでしょう?

ここを見極めるポイントが
この先で見えてきます。

で、このOEM工場のリポソーム技術にも
2パターンがあることを覚えておいて下さい。

①自社で開発したリポソーム
②原料メーカー供給のリポソーム完成素材を添加

以上の2パターンですが
これまでの記事に書いてきたように
①のケースは非常にレベルが高く
そう簡単には達成できない
コーセーさん並みの開発力を有する工場さんに限られます。

一方の②のケース
どこの工場でも入手は容易ですし
いまどきは手作りコスメの材料として
ユーザーさんでも手に入れることが可能になっています。

ただしこの場合は完成品での入手になるため
カプセルの中に内包されている成分は
どこも同じということになります。

よく見かけるところでは以下の成分でしょうか。

  • ビタミンC誘導体、およびビタミンA・Eの混合成分
  • EGFなどのグロスファクター系混合成分
  • コエンザイムQ10
  • アスタキサンチン

これらは、既存の化粧水や美容液に
添加するだけでPRできますので
いわばどこの化粧品会社でも
達成できちゃうというわけです。

まぁ、配合量は極微量添加からがっつりまで
工場さんの考え方で様々でしょうから
ここには触れずにおこうと思いますし
お茶を濁しておきましょうか。

安易にやっちまうと、実はトホホな事実

ただここでひとつだけ
ユーザーの皆さんに見極める術を伝授するとすれば

『リポソームは安定性が悪い』
という点です。

そして、不安定になって品質が劣化すると
『誰でも分かる』という点です。

つまり、商品のうたい文句にされているほどに
配合量がきちんと達成されていれば
ものの数か月から1年以内には
目でみて分かるほどに白く濁ったり
底に沈殿物や浮遊物ができてしまうということです。
(ここは後ほど、例を示して詳細に触れます)

もしもいつまでたっても透明だったり
なんの変化も起きないキレイな化粧水である場合は
よっぽど素晴らしい製品か
はたまた、「ほんの一滴しか配合されていない」
いずれかと考えればよいでしょう。

そんなリスキーな技術であるのが
このリポソーム技術というわけですね。

というわけで
いわゆるポン付けとでもいいますか
いわば「名ばかりナノコスメ」の裏側を
ご紹介しました。

次回は、ホンモノ?と言えるコスメの技術について
見極めるポイントも含めて具体的な話題に入ります。

では、また。

by.美里 康人

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