「ナノコスメを知る 秘話9」の続きです。
前回までに、ナノコスメと言われるナノ技術のひとつ
微粒子酸化チタンや微粒子酸化亜鉛のお話をしました。
次に、もうひとつのナノコスメとしてよく語られる
「成分のナノ化技術」について
お話を進めていきます。
このナノコスメとして
化粧品メーカーでよく謳い文句で使われる文言が
『浸透化技術』
『真皮にまで成分を送り届ける』
といった表現です。
つまり、成分を皮膚内の奥深くにまで
浸透させる技術という意味です。
では、ここでは具体的に
何をナノ化しているのでしょうか?
おそらくユーザーの方々は
「成分をナノ化している。」
と解釈されている方が大半ではないでしょうか?
しかしながら、これは根本的な間違いです。
例えば、なんらかの植物エキスを
皮膚の内部に送り届けて有効性を高めたいとしても
有効成分というのは化学分子ですから
それを小さくするなんていう事はできません。
例えば高分子(ポリマー)であれば
色んな分子の集合体なのでそれを分断し
分子を小さく分解するという方法はあり得ますが
有効成分は基本的に単体の化学成分であるため
それ以上分解する事はできません。
とはいえ、ユーザーがこうした誤解を招くように仕掛けたのは
謳い文句の表現をしているの販売メーカーであり
販売側の重責だと言えるでしょう。
では、いよいよ本題ですが
そうなると、何をナノ化しているのでしょうか?
その答えをカンタンに言うとすれば『粒子』です。
でも、ユーザーの皆さんには
粒子と言われてもなんの事やらよく分かりません。
酸化チタンの場合は
素材の大きさそのものを粒子と言い
それを小さく砕いたものを微粒子と呼んで
ナノ化していると理解しました。
でも、ここでは既に分子の状態になった化学物質です。
ですので、全く意味が異なります。
その答えは『乳化粒子』です。
実は、乳化粒子と言ってしまうと
誤解を招くケースもあるのですが
まぁ、ユーザーの皆さんに分かりやすいように
ここは大きな意味で『乳化粒子』という事で説明していきましょう。
続く・・・