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スプレータイプ日焼け止めを適正に使うには?

日焼け止め104

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美里康人
紫外線からお肌を守る日焼け止め

塗布量を正しく使っていますか?
驚きの検証結果が出ています

 

今回も私達の業界技術誌にて発表された実験論文の中から、皆さんにとって身近な内容をピックアップして取り上げようと思います。
今回の話題は、私と同様に業界技術者のPN「ミライ」さんが昨年に取り上げておられたのと同じソースで、復習のような部分も多くありますが、あらためて着目すべきポイントに目を向けてみました。
ただし前回もあらかじめ記したように、以下の検証実験結果はあくまで実データのひとつであって、方向性の示唆として受け止めることを推奨します。

とはいえ、今回の実験もかなり精度を検証した上で行われており、皆さんが実際に使用している現実にかなり則した検証になっていると思います。
ぜひとも、日焼け止めの使い方の参考にして頂ければと思います。

塗布量の基準

日焼け止めは、何を基準に購入されていますか?

まぁ、いまさら何を聞くんだっていうお話ですが、もちろん一番の基準はSPFとPAの表示数値であることは間違いないでしょう。
お肌にとって非常に有害となる紫外線からお肌を守るために使用するわけですので、これは当然のことと言えます。
それを踏まえて、使用感やテクスチュア・シチュエーションに応じた選び方をしていくというのが、購入の基準となることでしょう。

で、これまた今さらのお話ではありますが、この紫外線防御効果については、きちんと塗布量を守らないと表記されているSPF・PA値の効果が得られないことは、皆さんもよく承知されていると思います。

ここでまず皆さんには製品に必ず表記されているこの数値の基準を、頭に入れておいて頂きたいんですね。

すでにご存じの方も多いと思いますが、この紫外線防御効果をあらわす数値は、国際的な規格にのっとって測定されたものが表記されています。
この試験に際しては、きちんと塗布量が示されています。
そりゃそうですね。
塗布量が変わってしまうと一定した数値が得られませんので、当然のこと。

で、その塗布量は2mg/cmと決められています。
分かりやすくいえば、額程度の10cm×10cmの面積に対して0.2gということですね。
お顔の面積がだいたい平均して400cmとされていますので、この4倍の0.8g(800mg)が一回に使用する量の基準になります。

このあと、データでこうした数値が出てきますので、覚えておいて下さいね。
では、早速報告論文の内容に入っていきます。

実際の塗布量の検証実験

さて、最初に論文のデータで私が驚かされたのは、実際にユーザーさんが使用した日焼け止めの使用量を正確に測定したデータです。
日常的に日焼け止めを使用されている20人で実験が実施されたそうで、比較的信頼性があると考えて良いのではないでしょうか。
しかも、測定量はバラつきを排除するためにかなり綿密に計算されており、非常に興味深い数値が示されています。

で、実際の測定値ですが、前回と同様に論文データを転載はできませんので、文面でお伝えしますと以下のような結果になったそうです。
製品は、以下のタイプに分けて実測されています。

・乳液(ミルクローション)
平均約270mg
・ジェル
平均約400mg
・下地(ベースクリーム)
平均約180mg
・スプレー
平均約130mg

いかがでしょうか。
あらためて見ると、実に驚きの数値ではないでしょうか。

塗布がしやすくベタつきが少ないジェルがもっとも平均値が高かったようですが、それでもおよそ半分程度ですね。
きちんとそれぞれにバラつきも示されていますが、せいぜい多い人の上限は1.5倍程度で、到底正規な塗布量に該当するこの数字の2倍まで塗布した方は、ひとりも認められなかったということになります。

特にベースクリームやスプレーがひどく、1/4にも達していないことが分かっています。

これでは、記載されている数値は全く期待できないことになります。

実際にもやってみる

ちなみに自宅でもかみさんに実験をさせてみましたが、ここはやはり業界人。
機能性コスメの背景を知った上で使用していると結果は意外にも適切で、以下のようになりました。
使用した製品は、「金のアネッサ」です。

・日常外出で、その後のベースメイクを意識した塗布厚
1.08g
・アウトドア遊びを意識したメイクをしない塗布厚
1.75g

使用前に製品を精密計量し、使用後に再度計量しましたのでわりと正確です。

UV103
0.8gが基準ですから、しっかり規定量を満たしていたので意外でした(苦笑)
さすがの金アネは透明性が高く、少々あつ盛りしても白浮きしにくいことも、大きく影響していると想像できます。

とまぁ、こんな感じでご自分の使用量を確認してみるのも、使用量の感覚がつかめるのでオススメです。

参考までに、こういった正確な重さを計りたい時は、ホムセンなどで買えるキッチンスケールではダメですね。
最小が1gまでしか表示されませんので、小数点以下のグラム数が誤差範囲になってしまいます。
このレベルの正確さを求めるには適しません。

今どきはこういった少量を精密に計る安いデジタルスケールが売られていますので、1台あれば活用できますよ。
なんと1.000円以下で買えます。

計り

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適正量を塗布した時に顔の白浮きがしないかなど、アイテムの評価をするのにも活用できます。
特にノンケミ系の製品などは、適正量を塗布すると真っ白になってしまうといった性能のケースもありますので、人の評価をアテにせず自分自身できちんと確認するのは、いいコスメを選ぶポイントでもありますね。

ということで、一度はご自分の使用量を再確認してみて、これまでよりも少し多めに塗布するような工夫や、表記数値の半分程度の時間で塗りなおすといった工夫をされて、対処されるのがよいかと思います。

そして今回も最後に、特に目を見張るほどに数値のひどかったスプレータイプに驚きの結果が出ています。
昨今は使用感がさっぱりしていることから使う方が増えていますので、要注目です。

スプレータイプはこんなに使う必要が!!

日焼け止め105

今回のこの論文で着目すべきは、スプレータイプの使用量だと提言されています。
というのも、この実験で噴射時間と塗布量の関係性を実験で導き出されていたからです。
これは他のアイテムと違って誰が使っても同じ量が噴霧されるため、人によってのバラつきがうんと少ないわけです。
まさに「噴霧時間=塗布量」で算術的に計算ができ、確かに重要なデータですね。

で、データをみると実験を行った方の平均噴霧時間が2.5秒で、測定された塗布量は平均値が0.5g/cmとなっています。
つまり、1秒あたり0.2mgの塗布量ということです。

ということは簡単な計算。
この結果から、塗布にはお顔で10秒の噴霧が必要ということが分かりました。

10秒・・・長いですね。
一般的にはちょっとムリかも。
せ~の~で、10秒間息を止めないといけません(笑)
手に取る使用法だとしても、5秒ずつ2回くらいに分けて取らないと手の中であふれてしまいます。(ガスを含んでいて膨張しているため)

まぁ、この結果に関しては、私の持論としてスプレータイプで日焼け止めはムリと結論付けているため、さもありなんな結果ではあるのですが・・・。
もともと業界に入った時はヘアスプレーの開発もしていて、噴霧時間と塗布量の関係性は熟知していましたので、高圧ガスをキャリアに使ったエアゾール式では、どう計算しても日焼け止めの使用量が適正にはならないんです。
メカニズム的には、ポンプ式のミストの方が塗布量は多くなるので、そちらの方が期待はできそうです。

ということで、スプレータイプはサラっとして使い心地が良いので、使う場合は短時間で何度も噴霧し直す使用法でサポートされることをオススメします。

ただし最後に再度念をおさせて頂きますが、スプレータイプは誰が噴霧しても同じ塗布量になるとはいえ、製品によって多少なりとも違いがあるので、必ずしも上の噴霧時間がイコールにならないケースがあることも記しておきます。
LPGやDME・窒素ガスなどガスにも種類がありますし、メーカーさんによってキャリアガスの配合量やガス圧力にも微妙な違いがありますので、あくまで参考の数値にされるとよいかと思います。

すでに紫外線が激ツヨのシーズンに入っています。
まだ暑くないからと、つい油断してしまう危険シーズンとも言えますので、アンチエイジングのためにもしっかり対策をしましょうね。

ではまた次週。

by.美里 康人

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