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ガセスキンケア理論を見抜く 後編

ここのところあまりの多忙のため
間が長く空いてしまいました。
楽しみにして下さった方には
本当に申し訳ありません・・・。
なんとか合間を見計らって継続していきたいと思います。

* * *

さてさて、前回「ガセスキンケア理論を見抜く 前編」の続きで
「皮膚のもうひとつのバリア機能」のお話です。

基本的には皮膚のバリア機能は
細胞間脂質によって担っている事を前回書きました。

しかしながら
それだけでは細菌などの微生物や
化学物質の侵入・物理的な攻撃から
皮膚を守る事がままなりません。

そこでもうひとつのバリア機能。
それは「タンパク質」です。

タンパク質というのは
アミノ酸の集まりである事は
皆さんもご存じでしょう。
十種類以上にも及ぶアミノ酸が
らせん状に繋がって硬いタンパク質ポリマーを
形成しています。

さらにこの繊維状のタンパク質は
縦のらせん結合だけでなく
らせん同士の横の結合も有しており
繋がりを強固にしています。

この横の結合は
「水素結合」「スルフィド(SH)結合」などがあります。

で、このタンパク質の結合がいかに強固であるかは
同じケラチン構造を持つ
髪の毛や爪を見る事で分かります。

水が内部にまで浸み込んでいく事もないですし
少々の熱では溶けないどころか
よほどの強い物理的攻撃でも与えない限りは
切れたり切削するのも難しいですね。
また外敵によって
目に見えて損傷をする事も滅多にありません。

皮膚の場合は
これらにコラーゲンやエラスチンといった真皮層に繊維を持ち
さらに弾力性を与えていますので
弾力のある強さを持っているというわけです。

言うならば
コンニャクのような感じと言えば
分かりやすいでしょうか。

これらの結合組織は
強い酸やアルカリ
はたまた非常に反応性の高い化学的物質でも持ってこない限り
カンタンに壊す事は難しいのですね。

総じて言うと皮膚と言うのは
もっとも外側に細胞間脂質と硬いタンパクで形成された
よろいのような角質層を持ち
そして表皮層・真皮層には弾力性のあるタンパク繊維により
守られているというわけです。

ただし、ここでよく皮膚の図を見て頂きたいのは
神経細胞は表皮層のすぐ下にまで伸びていて
さらには毛穴部位は
角質層がないためにすぐに触れるところに存在するため
ちょっとした刺激や異物によってこの神経細胞センサーに触れ
その結果皮膚の指令系統に指示を与え
紅斑を起こしたり
痒みを生じたり
さらにはブツブツが発生したりといった

現象を引き起こします。

これは皮膚や人間のカラダが
危ない状態になっているという事ではなく
「これ以上入ってこないでね。」という
信号を示しているという事です。

化粧品を使用して
カブレや痒みを生じる事があります。

これは危険な成分によって皮膚を損傷していると
慌てる方がおられますが
その前段階でセンサーが働いて
危険信号を示していると考えれば良いのですね。

安心して良いというわけではありませんが
皮膚がとんでもない事になっていると
あまり騒ぐ事もない程度と
考えるべきなのかもしれませんね。

今回は
人間の皮膚って実は意外と強いんですよ
といったお話でした。

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