以前に記事にしましたように
いよいよ今月から後継者の子の研修が
始まりました。
予告通り、彼女の新米どたばたな日々の
ブログもスタートしています。
3ヶ月間、私のラボでみっちり
化粧品研究者として学びますが
実際に実務に従事するのは工場さんの研究室で
来年の年明けから
配属になる予定です。
すでにアシスタントが
先日のブログでも書いているように
正直、相当にキツいです。
3ヶ月後には即実戦で
あらゆるアイテムの試作にむかって
ビーカーワーク(ビーカーを使って中身を試作する実験)に入らせるわけですから
普通なら2・3年はかかる化粧品製剤の基礎を
たった3ヶ月で詰め込まないといけません。
これは並大抵の研修ではありません。
これが大手ブランドさんなら
ひとつのアイテム毎にこ個々人担当も分かれていますから
まずは化粧水から…などとじっくり基礎を学べるのですが
中堅OEM会社はそうはいきません。
お客様の要望される全てのアイテムに
対応しなければなりませんから
私自身が執筆した教科書をベースに
顔を突き合わせての講義と
勉強の毎日です。
大学で専攻してきた勉強など
ほんの一部でしか役立ちません。
しかしながら、必ず学校で学んできたこと
たとえば、化学と繋がりがありますので
それをつむいでいくかのように
ひとつひとつをリンクさせて
思い起こさせます。
そうすることで
思い出したことと現実とが繋がって
脳内とカラダに焼き付いていきます。
ですので、教科書の進みに非常に時間が掛かりますが
しっかりと脳内に刷り込まれていきます。
そして大切なのは
どこか身のまわりの身近なことと
連結させて理解しやすく説明することです。
例えば
皮膚の構造に存在するバリア層とは?
この課題に対して
細胞間脂質→セラミド
そして、これによって作られている層は
脂質二重層→ミルフィーユ
いずれも身の回りでイメージできるものとリンクすると
忘れることもなくなります。
こうして、勉強などというのは
昔と違って時短で詰め込むことができる時代です。
技術屋が育つのに10年・・・などと
言われた時代は終わりです。
インターネットやデジタルメディアを含め
あらゆる手段を駆使すれば
10年を1/10に短縮して学ぶことが可能な時代です。
そして時短で基礎をしっかりと蓄えたら
早期に先人がやり得なかった新しい技術開拓をしてもらいたいというのが
私の願いであり、先輩として役目と感じます。
きっと、大手ブランドさんも驚愕する
実戦向きの若手技術者さんに育ってくれることでしょう。
ただし、最初に書いたようにこの3ケ月
この道はラクではありませんし
本当に厳しいのは間違いありません。
今どきのお金儲けのように
思い付きで大金が転がり込んでくるような
そんな甘い世界ではないのが現実です。
その分、いざ実戦の場に出た時にでも
先輩諸氏の技術者の方々と
同じ立ち位置で議論ができるようになるはずです。
ということで
そんな研修の合間
せっかくのお休みの日ではありましたが
一緒にこんなイベントに行ってきました。
「におい展」~「悶絶」から「美臭」まで in 横浜会場
↑クリックで公式HPへ
化粧品に「におい(香り)」は重要な要素です。
この先でこの化学や素材(香料)について学ぶことになりますが
こうした体験が、難しくなく頭に刷り込まれて
いずれお勉強とリンクしてきます。
臭いにおい
いいにおい
なかなか面白かったですよ。
皆様もいかがですか?
では、また。
by.美里 康人