◆◆FILE No.089 / 2008年11月配信◆◆
10代の美容意識
さて今回は、10代からの美容について考えてみようと思います。
読者の中にも10代の方がおられるかもしれないですが
皆さんは、今の10代女性のお肌を見てどう感じておられますか?
さまざまな意見があるかと思います。
・今の子はキレイになった。
・肌が荒れている子が多い。
・ニキビ肌に悩む女性が多い。
また、お肌についてとは異なりますが
・早くからメイクに手を出し過ぎ。
こうした意見もあるかもしれません。
私達が感じるこうした肌状況の裏には
さまざまな時代背景や環境の変化が隠されています。
まず時代背景としてもっとも分かりやすいのは
中高生からスキンケア・メイクに懸命になる美意識です。
サイトにもメディアの調査結果を掲載していますが
明らかに10数年前とは感覚が異なっています。
恐れずに私見を述べさせてもらうとすれば
年少の頃からのスキンケアは大切ですが
メイクは×だと思っています。
時代の変化とともに起きている気温の変化。
エアコンなどの普及による生活環境の変化。
オゾン層破壊や酸性雨の問題。
そして食生活の変遷など
さまざまな環境の変化を考えると
お肌に対する意識も変わって当然と言えます。
例えば最近ヨーロッパでうるさく提唱されるのは
紫外線による幼児への影響です。
既に乳幼児の時期から日焼け止めを使うのは
常識となってきています。
もちろん、ビタミンD不足から起きるくる病(骨格の変形)などの問題もあるので
必ずしも太陽光線から完全に隔離することが正しいとは言えませんが
皮膚がんなどの要因となる紫外線からは
できるだけ子供の頃から
避けておくに越したことはないという考えです。
話しを戻しますが
こうして皮膚科学がどんどんと進み
皮膚の生理が化学的に解明されてきた今
環境に対応したスキンケアをきちんと取り入れることは
健康な肌作りに大切なことと言えます。
そういう意味においては
今の中高生の美意識に対する感性は重要で
義務教育の頃からスキンケアを意識することは
大変良いことだと思います。
物心ついた頃からいい洗顔料を選ぶ
そして、日常から基礎化粧品を使ってスキンケアを怠らないという習慣は
大変良い傾向と言えるでしょう。
また、しっかりと自分のお肌を観察する訓練は
大人になってからのスキンケアにとって
大切な基盤作りになります。
さて、こうした傾向は必ずしも良い一面ばかりではありません。
この『うつくし女性ブーム』は
メイクアイテムの技術の発達とも相まって
少し捻じ曲がった方向にも発展してしまっています。
まだ発育が十分でない頃からのメイクは
やはりお肌にとって良くないと言わざるを得ません。
いくらメイクアイテムの技術が発達したと言っても
根本的な部分はそう変わっているわけではありません。
やはりファンデーションは
毛穴を塞いでいる事に気付かねばなりません。
お肌でもっとも敏感とされる目周りに
あらゆる成分が含まれたメイクモノを使うことは
アレルギーの誘発に繋がりますし
まつ毛の抜け毛に悩まされる要因にもなり兼ねません。
こうしたメイクアイテムは
皮膚内部で形成される美肌育成の妨げにこそなっても
決して皮膚細胞の構築を促してくれるものとはなりません。
そして若い頃からのこうしたメイク文化は
「メイクさえすればいつでもキレイになれる」という
よくない意識の副産物さえも作り上げてしまっています。
つまり、『美肌構築』に対する意識が希薄になっているのです。
食文化に目をむけると
菓子やインスタント食品を多量に食する
そして焼肉など栄養価の高いモノを欲のままに貪るなど
こうした食生活をかえりみず
メイクで常にお肌を酷使したあげく
ひどいニキビ肌に悩まされるという現状を作り出しています。
「今さえよければ」という今の風潮では
おそらく中高生の皆さんのお耳には
届かないとは思いますが・・・(苦笑)
といっても、本来反省すべきであるのは美容業界であって
こうした現状は美容業界が作り出した悪環境ということでもあります。
あまりに中高生層を意識したお遊び感覚のメイク商品の数々。
確かにこれで企業が潤うので
安易にこうした中高生のお遊び感性に沿うのは
分からないではありません。
でも、今美容業界が真剣に考えなくてはならないのは
正しいスキンケア知識の育成と思ってなりません。
どこか
そういったことに真剣に取り組むメーカーさんはないものですかねぇ・・・(涙)