◆◆FILE No.005 / 2006年5月配信◆◆
プロが教える?あんた何のプロなのさ~:美容部員編
最近よくスキンケア論で目にするようになったのが
「プロが教える○○○美容術」
「皮膚科医師がスキンケアアドバイス」
HPやブログ、そしてメルマガでもごちゃまん状態となりました。
また、この手の手法を使った本も、ズラリと棚を占領しています。
中には、ベストセラーに手が届きそうな勢いの本もありますね。
この手でまず多いのが、元BA経験の方のスキンケア理論。
次にエステシャン(過去経験者も含む)の方。
そして○○クリニックと名のつく個人皮膚外科医でしょうか。
今回から3回に渡り、ユーザーを惑わすカルトな「自称プロ」についてお話を進めます。
最後は超有名になってしまったお方に、デインジャラスにメスを入れる予定ですのでお楽しみに。
さて、第一回目の自称プロは、BA経験者さんの場合。
皆さん、よくよく考えてみれば不思議に感じませんか?
カウンターにお話を聞きに行きますと
『お客の上に立ってアドバイスをしている』
という意識が、必ずどこかに見えますね。
あれって、おかしいと思いませんか?
われわれ業界人から見れば
???え???
だって、BAさんだからって美容専門学校に通った訳でもありませんし
医学・薬学を学んで皮膚科学の知識を持つ訳でもないですから。
メーカーに就職して、数週間ほどの基礎知識の研修を受けるだけです。
あとは自社製品の知識と勧め方、そして接客マナーを数ヶ月かけて学びます。
これで何故ユーザーに対してスキンケアの方法や皮膚科学
果てはアンチエイジングや、ホワイトニングの理論までアドバイスできるのか不思議でなりません。
それって、研修の資料を棒読みしてるだけじゃん・・・
もちろん、BA研修プログラムや検定等の教育制度はメーカーによって様々ですから
BA教育レベルの高いメーカーもあります。
他にも自分の知識のある部分と薄い部分をきちんと認識し
なおかつ五感を常に磨いて努力しているBAさんも中にはおられます。
そういう方は、分かりもしない成分の事を知ったかぶりをしてユーザーに説いたり
皮膚科学理論を語ったりはしませんね。
お肌を見る目や手の感触を経験を積んで日々養い
それを元にユーザーに適切なケアのアドバイスをしておられます。
また、私達技術屋に懸命に商品や成分の特徴を学ぼうと
熱心に食らいついてくるBAのお友達もいます。
こういったレベルの高いBAさんは、カウンターで少し話を聞けばすぐに分かってしまいますね。
いきなりお客様に対して高い目線からスキンケア論を話し出すBAさんは、ポイして良いでしょう。
商品の説明だけをお聞きし、できれば肌診断のデータだけもらってとっととその場を去りましょう(笑)
まずはお客様の知識レベルを話の中からしっかり引き出し
それから自分のとるポジションを判断していくといった人間的に意識レベルの高い人でなければ
本当にユーザーの事を考えてアドバイスしてくれるはずもありません。
だって、お客様の中にはもちろんBA経験者もおられる訳ですし
医師や看護婦さんもいらっしゃるのですから。
考えてみれば、自分が生き恥を晒したくなければそうするのが当然の接客業なはずですよね。
ちなみに先般某デパートのコスメカウンターに情報収集に行った際
低姿勢からきちんと私から話を引き出して「よくご存知ですね。」と探りを入れてきたBAさんは
たったお一人だけでした・・・
最悪なのは、私が男だからと研修生を当ててきたメーカーKのカウンター・・・。
あのね・・・
AVじゃあるまいし、私はあんたの「はぁ・・・はぁ・・・」を聞きに来たんじゃないんだよね(苦笑)
という事で、さすがにBA経験者の方はテクスチュアやお肌に対する鋭い観察力をお持ちですから
自分の趣味で商品を使った感想を公表されていらっしゃる方は良いとして
タカBスキンケア論サイトやブログは、よーくこの辺りを踏まえて判断するのが良いでしょう。
最近はアルバイトBAさんや派遣社員の方も多いので、くれぐれもご注意を。
私の研究補助として手伝いをしてくれていたBAアルバイト経験者の子いわく。
「あの頃は、大した知識もないのにエラソーにお客さんに語って商品を勧めてたよなぁ・・・」
だってさ。
いくら「お金をもらってたんだからプロ」と理屈をこねたところで
こんな方々にスキンケア論を語られたくないですよね。
信じる者は・・・救われません。
注)
決して美容部員の方々の職業を誹謗しているのではない事を、ご了承下さい。
また、個人の職能を評価している訳ではない事も
ご理解下さいますよう、お願い申し上げます。