アルコール除菌剤の直近情報
ツイートを含め、以前から手指の除菌剤について
業界の内情情報をリアルタイムに取り上げてきています。
ツイートでもつぶやきましたが
アルコールを使ったハンドジェル系の商品は
原料としてのアルコール(エタノール)そのものが昔から政府に取り仕切られていて
もう私達中小の工場においては
発注制限の指令が一斉に敷かれましたので
完全に入手が止められてしまいました。
なので、ユーザーの皆さんが
普通にドラッグストアなどで目にする大手メーカーさんの商品以外は
もう供給されないことになってしまいました。
ということで、今後ますます手指の除菌用のアルコール製品は
ユーザーの方々の手元には届かない状況が続くことになりました。
私達もここまで努力を続けてきたのに
本当に残念です。。。(涙)
とはいえ、悲観的なことを言ってても仕方ありません。
まだ私達にやれることはたくさんあります。
アルコールで手が荒れて
どうしようもない方もおられるようですし
さらには、アルコールアレルギーの方もおられますので
「ノンアルコール」の除菌剤があります。
そこで、ノンアルコールの除菌剤にはどんなものがあるのか
今回はこれを記事にしてみます。
GW期間中でもありますので
ご自宅でネットを通して製品を探されてみるのも
良いと思います。
ただし、絶対に間違ってはならないのは
手指を含む人体に直接使用する製品と
テーブルや食器といった身の回りのものを除菌する雑貨製品は
全く別物であるとしっかり覚えておいて下さい。
必ず製品には使用用途が明記されていますので
この大原則は絶対に忘れないで下さいね。
医薬品を含む除菌製品全般に使われる殺菌剤
まずはこちらの一覧をご覧下さい。
厚労省よりデータが発表されている
たくさんの殺菌剤の一覧に以下になります。
健栄製薬さんが医療関係者向けに公開しています。
https://www.kenei-pharm.com/medical/countermeasure/base/05.php
とはいえ、これは私達技術者が利用するデータですから
ズラズラと書かれてある成分がなんのことか分からないと思いますので
消費者の皆さんが探すのに利用可能な
殺菌剤成分をピックアップしてみます。
除菌剤には必ず殺菌剤成分が記載されていますので
ご利用頂ければと思います。
塩化ベンザルコニウム系、塩化ベンゼトニウム系
この2点の除菌成分は「カチオン系殺菌剤」と呼ばれ
昔から病院などの医療機関で頻繁に使われている
消毒液の殺菌剤成分です。
その昔、病院などでは
ステンレスの洗面器にピンクの液が満たされていて
ドブンと手を浸して殺菌したあの消毒液です。
ですので、ウイルスや病原菌に対する死活性能は
きちんとデータが取られている成分です。
私達が手に入れる方法としては
医薬品としてドラッグストアでも購入でき
いわゆる業界ではオスバン液と言われる
「オスバンS」がこの製品になります。
こちらは病院などで希釈して用いる原液ですので
これを使用用途によって
50~100倍に希釈して使用する薬剤です。
いわば、洗面器にキャップ1パイ入れて
水で薄める、という使い方ですね。
とはいえこちらは医薬品ですから
もう真っ先に医療関係に大量に供給されおり
残念ながら既にドラッグストアや薬局では
もう手に入らない状況です。
一方で、この殺菌剤は
人体に使用する化粧品や医薬部外品にも配合が可能ですので
これを活用した製品が順次市場に投入されています。
この成分名をキーワードに探されると
まだまだ入手可能な製品はみつかると思います。
次亜塩素酸製品
これはいわゆる「塩素系」と言われる殺菌剤で
「次亜塩素酸」を使用した製品です。
塩素が発生して殺菌効果を発揮してくれますが
身の回りでは、漂白剤として使われる
「ハイター」もこれにあたります。
ただしこれは濃度が非常に濃く漂白目的の商品ですので
そのまま皮膚に使ったりするのは厳禁です。
浄水場で水道水の消毒にも使われているものもこれで
水道水が塩素臭く感じるのも
その影響によるものです。
塩素はもともとがガス成分で
水の中に含まれていてもどんどん大気中に揮発しますので
濃度が薄ければ手指など人体に使用しても
自然に気化してしまいます。
そのため、効果は高い反面
濃度さえ適切であれば
安全性は非常に高いと言えます。
実際に人体に使用できる濃度に調製し
改良されたのが「クレベリン」ですね。
便乗値上げで高騰していますが
まだ入手は可能な製品のひとつでしょうか。
ただし、ここでよく消費者は誤解を招いています。
実はこの次亜塩素酸
この殺菌剤の一覧には掲載されていません。
なぜなら上で書いたように
次亜塩素酸そのものは開封するとどんどん気化してしまい
効果がどんどん失せてしまうためです。
なので誤解を招くのが
「次亜塩素酸ナトリウム」です。
成分名に「ナトリウム」とついてますが
これだけで全く異なる成分と考えて良いでしょう。
殺菌効果にも違いがありますし
人体には残ってしまいますので
人体への影響もまた異なります。
きちんとした知識がなければ
これは手指などには使用してはいけません。
もしどうしてもこれしか手に入らなければ
手指などに塗布してしばらく置いたあと
水で洗い流して下さい。
そうすれば落ちてしまいますので安心です。
身の回りの除菌製品としてまだ市場にはありますので
最後の手段としてこれをうまく活用するのも
ひとつの手段かと思います。
ただし、赤ちゃんは手指を口に入れたりしますので
転用使用はあまりオススメできません。
クロルヘキシジングルコン酸塩
この成分も人体に使える殺菌剤としては非常に有効で
医薬品会社が医療向けに製品を販売しています。
医薬品用途ですので少々お高い製品がありますが
今後はこの薬剤を使用した製品が出てくるかもしれません。
ちなみにこの殺菌剤が配合された製品で有名なのが
「オロナイン軟膏」ですね。
非常にお手軽に入手可能で
便乗値上げもされていませんが
手指の消毒のために毎回これを手に塗るわけにもいきませんので
ちょっとオススメするにはムリがありそうです。
以上が手指の除菌製品の現状ですが
上で書いたようにアルコール製品が
まだ当分は入手困難が続きますので
上記の製品がネットで調べてもしみつかれば
お早目に入手しておかれるのが良いかと思います。
ただし、くれぐれもアルコール系の除菌剤と異なり
適切な濃度にはご注意下さい。
医薬品に使用される薬剤ばかりですので
勝手に増量したりすると影響力が強いことをお忘れにならないよう
ご注意下さいませ。
最後に、ウイルスの感染は
口や鼻からの飛沫感染よりも
感染者さんの手指から触ったモノに移り
それが人に拡大する感染の方がはるかに感染率が高いので
マスクよりもうんと重要な予防ですから
しっかり除菌剤を常備して対策しましょうね。
特に電子タバコを含め喫煙される方は
タバコの吸い口を必ず指で触りますので
手にウイルスが付着していると
一気に感染リスクが高まることをお忘れなく。
飛沫感染といったって
唾を飛ばして会話したり顔を近づけたりしない限りは
そうやすやすと人の口や鼻に飛んだりしませんからね。
このGW中に少しでも終息に近づくことを
祈るばかりです。
では、また。
by.美里 康人