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お主、ただ者ではないな・・・の、クレンジングジェル

クレンジングジェル

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美里康人

今回はユニークな設計の
市販製品の紹介になります

今回は始めに、緊急でお題とは関係のないお話を少しだけしておきたいと思います。

最初に・・・

といいますのも、先週からこちらのブログのアクセス数が異常に膨らんでいることが判明し、今どきの言葉で”プチバズ“とも言える意味不明な状態が確認されまして、驚いた次第です。
それこそ大手ブランドさんの商品を一部でとりあげたのがバレたり(笑)、はたまたスパム攻撃にでもあったのか!!!と、私としても頭の中がパニック状態となっていたのです…

いやはや、こちらは長年にわたり細々と運営しておりました美容マニアの方向けのブログゆえに、まさにとんでもない事態!!!というわけでした(汗)

その後日、ユーザーさんからの回り回った問い合わせからその理由が判明し、10年以上ものお付き合いになる美容専門家の咲丘さんがご自身のyoutubeで名前をお出し頂いたことが分かり、全ての謎が解けました。

もう長いお付き合いですし、言ってくれればよかったのにダマってとりあげて頂いたので、慌てふためいてしまいました。
あ・・・でも、もしもお伺いがあれば間違いなくお断りしていましたけれど・・・。
悔しいけれど、私の性格を知った上での画策ということでしょうね(苦笑)

まぁ、私のことはさておきまして、私の仕事柄でいえばお仕事を越えてこれほど深く長いお付き合いをさせて頂く美容家の方はかなり珍しく、咲丘さんは本当にしつこい(笑)ほど専門技術のことに食い下がるお方で、プライベートにまでおよんで本当にお勉強をされる方です。
おそらく、お若い技術者さんなら舌を巻くほど、よく化粧品技術のことをお勉強なさっておられます。
こちらも多忙な時には「いい加減にしてくれませんか!」と言いたくなることもしばしば(笑) いわゆる、技術屋泣かせというヤツでしょうか。
ユーザーの皆様にとっては、全国各地におられる美容専門家の方の中でも秀でて素晴らしいと太鼓判を押させて頂ける方ですので、youtubeをはじめアドバイスをご参考にされるとよろしいかと思います。

あ、ちなみに咲丘さんブランドの美容液は、私は関係していません(笑)
私がお仕事を越えて仲良くさせて頂く美容家の方は、直接の仕事はお受けしていないことがほとんどなのです。
なぜなら、そうなるとこうして公の場でお互いを切磋琢磨することができなくなるからです。
結局、ブランドを大きくする武器・・・と周りに揶揄されると、技術者同士として関係性が維持できませんので、常にお商売を抜きに忌憚なく化粧品技術のことを語り合える関係を保っておきたいという関係なのですね。

最近は、身の周りでよく知る美容家の方がメディアによく露出されており、これからもどこかで関係性が露呈することがあるかもしれませんが、同様にブランドPRといった目的はさらさらない関係と思って頂ければよろしいかと思います。
岡部先生と同様、たくさんのお客様の仕事をさせて頂いておりますので、そこはどうしてもそういったことが出てくるかもしれませんが、何卒ご了承下さいませ。
職業柄、一切ブランドさんの宣伝は致しませんので。

さて、前置きが長くなってしまいました(汗)

今回は、前回のシリーズ記事でとりあげた、市販クレンジングの性能の続きみたいなものでしょうか。
実は最近目にした市販製品の中で、これはなかなか見られない素晴らしい処方設計技術と感じた製品をご紹介しようと思います。
つまりは、前回の見極め術の中からはみ出た異端児とも言えます。

使ってみての性能も確かめましたので、ご参考にして頂ければと思います。
あ、ちなみにtwitterでもつぶやきましたが、私が開発に関わったブランドさんでもありませんし、メーカーさんとなんの繋がりもありませんので、誤解なきようお願いできればと思います。

では早速、本題へ。

クレンジングジェルなのに?

最初に、今回とりあげさせて頂く製品が前回の記事で整理したカテゴリーのどれに相当するのか、ここを記しておこうと思います。
それは「混合タイプ」の中に属し、この中の「オイル配合クレンジングジェル」に該当します。

しかしながら記事にも書いたように、普通は水性のクレンジングジェルに単にオイルを配合しただけでは界面活性剤に取り込まれてしまい、メイク落ち性能があがるわけではないと解説しています。

でもご紹介する処方設計はひと味もふた味も他の製品とは異なり、さすがは医薬品メーカーさんと思わせてくれますね。

では、具体的にどういう製品か解説していきます。

優れた機能のポイント

もったいぶったわけではなく、製品はこちら。

優れたクレンジングジェル

ブライトエイジ クリア ジェルクレンジング(第一三共ヘルスケア)
https://brightage.jp/stc/item/brightage/clear_gel_cleansing.aspx

こちらはネーミングの通り、キレイな透明の水性ジェルタイプになります。
普通ならば水性のジェルクレンジングはメイク落ちはあまり期待できないし、シリコーンベースの日焼け止めなどは落としづらいですが、こちらはスルっと落とせるのが大きな特長です。
透明ジェルのクレンジングの、使用感概念が変わると思います。
ここはやはりオイル成分も使われていることが、大きな機能性向上に寄与しています。

成分表示はこちら。
ただし、医薬部外品ですので順は不動です。(成分名表記も、一部異なります) また、分かりやすいように、設計に関わらない美容成分は省いてベース成分のみにしています。

<ベース成分>
水、濃グリセリン、BG、α-オレフィンオリゴマー(オイル成分)、ジグリセリン、POEラウリルエーテルリン酸Na(界面活性剤)、トリイソステアリン酸POEグリセリル(界面活性剤)、オレンジ油、天然ビタミンE、ラベンダー油、ローマカミツレ油、ベタイン、水添大豆リン脂質、パラベン、ソルビット液(多価アルコール)

前回の記事のセオリーでいけば、水が最初にきていますので、どうみてもリキッドクレンジングという感じですよね。
なのになぜ、α-オレフィンオリゴマーといったオイル成分が配合されているの?と疑問に感じることでしょう。
もしくは、これならクリーム(乳化製品)じゃないの?と想像されるような設計にも見えますね。

そのあたりの謎を、次で解明しておきましょう。

液晶の技術

さて、上の成分表をみた上で、前回の記事の見極めノウハウの中でクレンジングジェルのセオリーから大きく外れている部分が、もうひとつあります。
それは、「合成ポリマー」が見当たらないことですね。

ジェル状の設計にするには、必ず合成ポリマーが必要と書いてきました。
これはクレンジングジェルだけでなく、保湿ゲル製品でも全く同じです。
増粘させるポリマー成分がなければゲル製品が作れないのは、処方設計の大原則です。
ところがこの製品には、そういったポリマー成分が一切含まれていません。(”オリゴマー”はポリマーではありません)

ここがこの製品の特長の大きなポイントで、グリセリンとオイル成分と界面活性剤の組み合わせによって、ある配合量の領域で透明なゲルが設計できる特殊な製剤というわけです。 もちろん、ここに増粘させるためのポリマーなどは必要ありません。
このゲル化領域の配合比率は、非常に繊細で狭い範囲でしかなし得ません。
また、界面活性剤やオイルの種類も厳選しなければならず、どんなのでもできるというわけにはいきません。

そして何より、仮に透明ゲルはできたとしても、メイクとなじめばお肌の上でツルっと広がっていかないといけないという、大きな壁が立ちふさがるのですね。
つまり、オイルが表に出てきてメイクと一緒になじんでくれないと、機能が果たせなくなるわけです。
使わせて頂いた限りでは、まさに製品のPRに書かれている通り、お肌に乗せた瞬間に「すっととろける」という表現がまさにピッタリで、全くストレスやタイムラグがなくメイクとなじんでいきます。
これは相当な研究を重ねた結果の設計だろうと想像できます。

この特殊な製剤技術をユーザーの皆さんに説明するのは難しいのですが、皆さんの耳に聞きなれた言葉でいえば「液晶技術」の応用と言えます。
スマホやテレビの液晶とは少し意味が異なるのですが、語源は同じです。
液と固形状の結晶との中間的な状態で、「液晶」という言葉が使われています。

ということでこちらのクレンジングジェルは、水性のジェルなのにメイク落ちが非常によいという、なかなかユニークな製品ということですね。
オイル成分にストレスを感じる敏感肌の方でも、使える可能性があります。
ただし、オイル成分もそこそこ配合されていますので、洗い流した後に少しオイル成分が肌残りします。
でも昨今はクレンジングバームのオイル残りを”保湿“とか”潤い“と感じるユーザーさんも多いので、オイルクレンジングほどヌルつきが残るわけではないこちらは、ちょうどいい保湿感が維持されるのではないかと思います。
とはいえ、オイル成分が全くお肌に合わないユーザーさんは適合しないかもしれませんので、そこはご注意下さい。
あとは、合成界面活性剤や合成オイルは使われていますので、ナチュラル嗜好の方は一考されて下さい。

他社ブランドではできないのか?

最後になりましたが、ならばこのような設計の製品は他社ブランドには存在しないのでしょうか?

実はその昔、このタイプのクレンジングジェルが大流行した時代があったのです。
私の世代の女性方はご存じかと思いますが、花王さんや資生堂さんにもこの手の製品があり、市場ではかなり出回りました。
ただこの製品は非常に不安定なゲルで、温度が加わると分離をしてしまったり、一部が液状になって機能が損なわれてしまうといったトラブルが頻発した繊細な製品でしたので、今では市場からほとんど姿を消してしまった歴史があります。
これは上でも書いたように非常に繊細な配合率で設計されているため、何かのキッカケで簡単に崩れてしまうという性なんですね。
また、こちらの製品も同じですが、このタイプのクレンジングジェルは、濡れた手で使うと機能が一気に落ちてしまいます。
そこはご注意頂く必要があります。

そのような背景で、今はほとんどこのタイプの製品は見られなくなりましたが、まだまだ技術力によっては市場を獲得できる可能性を秘めた、ユニークな製品をとりあげてみました。
また、実は同様の製品がごくわずかに見受けられることもありますので、今回の記事を参考に探されてみて下さいね。
もし同様なタイプの設計であれれ?と感じた製品がみつかれば、ご報告をお願いしたいと思います。

で、ちなみにこの製品は安定性が保たれているのでしょうか?
弊社でテストをすることもできるのですが、そこはこれ以上踏み込むのはゲスというものですね。
私が手にした限りでは全くそのような不満はありませんでしたので、大丈夫ではないでしょうか。

またこういった製品をみつけましたら、こちらでご紹介していきしょう。

ではまた次週。

by.美里 康人

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