今回は少しラボの身の回りことについて
記事にしてみます。
あまりユーザーの皆様には関係ないかもしれませんが
私の近未来に関係する出来事なので
サラっと読み流して頂ければと思います。
ちょっとワクワクな展開も織り交ぜていますので。
さて、私と面識のおありな読者の方は
ある程度ご存じなことと思いますが
もう私もこの業界でのお仕事は35年を越え
ということは、もうあと数年で隠居ということになります。
まぁ、今の時代は企業の定年も
65歳でも早いと言われてますし
「仕事人生70年」が一般的になるのも
近未来のことでしょう。
とはいえ
いつまでもこんなじいさんが化粧品の開発をしているのは
私的には許せないと思っています。
化粧品は女性を美しくする大切なツール。
新鮮な脳ミソで
大胆かつ斬新な発想ができる
若くて活きのいい研究者が前へ出るべきです。
まー、ただ私の化粧品に対する
思い入れの意思を引き継ぐ
はたまた野心のある人材は
なかなかみつかりません。
なにより、化粧品が心底好きと感じている
技術屋がいない…(苦笑)
「仕事だから」
言ってしまえばそういうことなのかもしれませんが。
ま、化粧品が好きとなると
男性はなかなか難しいところもあるでしょうが
それでも、彼女や奥様も含め
女性がキレイになることを望まない男性は
おられないはず。
ならば、これに自分が関われる仕事ならば
やりがいを感じると思うのですけどねぇ…。
なによりユーザーの皆さんが
大いに意外と驚かれるのが
女性の技術者に
化粧品を好きと思っている方がなんとも少ないこと。
これまで企業で育成してきた研究者や
学会でお会いする業界人の顔ぶれを見ても
メイクをされていない女性が
非常に多く目につきます。
ね、ビックリでしょ?
それも致し方のないことは
分からないではありません。
なぜなら、自社で基礎研究から商品開発まで
全てを担っている大手ブランドさんは別として
メーカーさんをお客様として受託するOEM工場では
自分たちの化粧品に対する思い入れを
カタチにさせて頂くことは非常にマレだからです。
つまり、得意先様が仮に利益優先主義なメーカーさんであっても
企業としての生業では
商品を提供せざるを得ないからです。
結果的に新規な商品の設計開発よりも
「速攻で売れる商品作り」が優先となるケースが多いからです。
つまり、夢を持ってこの世界に入っても
打ち砕かれてしまうことが多いというわけです。
いわば、これまでよく記事に書いてきたように
「すさんでいる業界」が
人材育成にも影を落としているんですね。
また、一方の大手ブランドさんの場合は
あまりに研究所の規模が大き過ぎて
担当がひとつのカテゴリーの商品だったり
もしくは、基礎研究のみばかりの職務だったりするため
リアルに自分の夢を映せない・・・
というのもあります。
そんな業界の中にあって
自分の後継者として育てがいのある人材が
なかなかみつからずにここまできています。
そんな、長年探し続けて諦めかけていたところに
ひょんなことから・・・。
いましたね~、身近なところに。
きちんと化学と香粧品学を学校で学び
研究者として夢を頂いてこの業界に入り
夢を諦めて、販売の世界で努力を続けていた女性が。
化粧品の開発者としては未経験ですが
「化粧品に夢を抱いて」
ここが重要ですね。
なにより、研究者として夢が叶わなかったことを
悔やんで腐っていなかったことが一番。
そして、夢が叶えられる可能性を手繰り寄せられたことで
涙ぐむほど感激をしてくれたこと。
こうでないといけません。
確かにこの業界は
ユーザーさんの立場に立ったとき
時には自分がおすすめしたくないような商品を
市場に出さざるを得ないこともあるでしょう。
しかし、そんなメーカーさんばかりじゃありません。
本当にいいコスメを女性に提供したいと
同じように夢を描いてメーカーを起業された方もおられます。
ようは、自分にしっかりとしたポリシーがあれば良いのです。
そして、何年の経験を積んでもニュートラルで
それを腐らずいつまでも持ち続けることが大切でしょう。
ということで
ようやく後継者がみつかりました。
しかも、皆さんもよく知る大手ブランドさんで
埋もれていた人材を、引っ張ってきました(笑)
引退までにはまだ数年ありますので
化粧品製剤学の一からしっかりと伝承し
大手ブランドさんに負けない技術屋として
育てていく予定です。
近い将来、表舞台に出ていくことになるでしょう。
ちなみに、彼女には新米研究者として
新鮮な目線で日々のブログを書いてもらう予定です。
きっと皆さんも、新米化粧品技術者がどんなことを学び
どうやって成長していくか
そんな世界に興味があるでしょ?
特に、この世界で花形職業としてあこがれている方には
非常に参考になると思います。
まもなく始まる彼女のリアルな奮闘記に
期待して下さい。
by.美里 康人