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続いて、ビタミンC誘導体『APPS』についてのご質問ですが、間違いないでしょうか?
間違いないものとして、お話しを進めてまいります。
こちらのブログを拝見すると、ビタミンC誘導体としては浸透性・効果の面でかなり有効だとされている『APPS』が、酸化されやすく問題あり、と書かれているとの指摘ですね。
で、これが事実なのかどうかをお知りになりたい、と。では、ぶっちゃけ話をさせて頂きますと、これは間違いではありません。
リン酸型である事と、それに付随しているのが脂肪酸である事からだと思いますが、酸化のしやすさという意味では、それまでのリン酸型ビタミンC誘導体よりも酸化されやすいのは事実です。実際問題、これまでのリン酸型なら高濃度商品で5~6%の配合が普通なレベルになってきていますが、APPSは3%も配合するとかなり酸化が早く、化粧品としての品質は確保できません。
さらに、水分の存在はそれに輪をかけますので、化粧水や美容液・ゲルアイテムは一層条件が悪い事になります。
ですので結論的には、化粧水や美容液などの水ベース製剤の場合のAPPS濃度は、1~2%程度が安定性の限界、と思っておかれるのが良く、それだけ酸化されやすいという事になります。
という事で、用時調整のパウダーの使用がもっとも適切、という事になりますね。ちなみに私の経験則では、クリーム製剤なら3%程度でも半年程度は品質維持が可能なレベルが達成できますね。
EUREKAさん、こんにちは。
こちらでは初めてですので、初めまして、ですかね(笑)さて、「レチノイン酸」についてのご質問です。
結論から先に申し上げますと、EUREKAさんの見解で間違いありません。
つまり、日本では皮膚科医でしか処方できないものですね。では、この手の市販品の諸事情をご説明申し上げます。
■レチノイン酸トコフェリル系
これは、化学に少し知識のお有りなEUREKAさんならお察し頂けるかと思いますが、これはエステル化された誘導体ですので、レチノイン酸そのものではありません。
ですので、皮膚内に導入された後に分解されて『レチノイン酸』になる事を期待しての誘導体です。ただし、これはビタミンCの例でも言われているように、エステル結合部分が人間の皮膚が持つ酵素『エステラーゼ』によって切れるか切れないかは、ビミョーなところです。
ロート製薬は、これを使って臨床試験を行ったところ効果が得られたとの事で、積極的に製品化されていますね。ただこの原料、2004年のFJにも技術情報として掲載されていましたが、その後あまり使われている実績もないので、効果のほどは・・・と思っています。
一応、参考までにURLを掲載しておきます。
http://www.fujisan.co.jp/product/1281680952/b/63457/■レチンA
確かにこれは純粋なレチノイン酸製剤ですが、こちらは海外からの輸入商品で、いわゆるコスメシューティカルズ商品ですね。
ですので、日本で認可を受けた商品ではありません。
以上で、疑問は解決しましたでしょうか^^
長年、化粧品の仕事をしていて、つい最近まで私もこの事実に気が付かなかったのですが、実は男性がお顔に使う化粧品には、女性以上に気を付けないといけなかったんです。
(私は自分専用を作っているので、気付かなかった・笑)その理由がまさに上記がよい実例なのですが、男性というのは毎朝必ずヒゲをゾリゾリと剃ります。
はい、この時点でお察しの早い方はお分かりですね^^;
男性は、毎朝カミソリでガリガリと顔を傷を付け、血まで流しているんですね(笑)
なので、傷だらけの皮膚に化粧品を塗りこむ事になるわけです。ご想像どおり、並みの化粧水ではしみて痛くてたまりません。
ですので、ヒゲ剃りが欠かせない男性には、低刺激な化粧水やクリームを使わせて差し上げないといけないという事です。これ、市販の化粧水を色々と試したところ、意外な事に女性用の化粧水は結構な商品がピリピリして痛みを感じますね^^;
まぁ、昔からヒゲソリ後の化粧水というのは、アルコールたっぷりでベタベタしないモノ、イコール、ピリピリしても「おっしゃ!さっぱり!!」と気にしないというのが相場でしたので、特に問題とはならなかったわけです。
でも今は過敏肌の男性も多いので、ピリピリする化粧品は要注意かもしれませんね。ちなみにこれを知って最近は、女性用敏感肌コスメ開発の試験に男性を利用しています(爆)
アイテム選びの参考にもなれば幸いです(^_-)~☆
こんにちは。
大変有り難いお言葉を頂き、嬉しい限りです。
消費者の方々自らサークルとして活動される事は、業界にとっても大変望ましい事と思います。
最近も、「シャンプー鑑定」と称して根拠のない偏った評価を垂れ流し、結果として自然派コスメの利用者を獲得しようとするあざとい商売をする輩も出てきたりと、なかなか真実を伝える情報にたどり着けない世の中になっています。
消費者の皆様方がこうした姑息な手段に対応していくためには、結局いかに情報交換をするかと、情報を精査・議論する場が必要だと思います。そして私達業界の人間は、そうした精査の目に晒されても堂々と胸を張って商品の姿なりを伝えられる『業界改革』をしていかねばならないと思います。
『買って頂く』姿勢も大事かもしれませんが、迎合しなくても『社会に必要な商品』として認めて頂けるモノ作りを心掛ける業界が理想ですね。『思いやり』
今の社会で大変よく耳にする言葉ですが、本当にそれを日常的に心掛けられるかどうか、そして「深さは?」と自身に問いかけられるかどうかは、生涯のテーマという気がしますね。
私もまだまだ未熟ですので、こちらこそ皆様の指南を仰いでいきたいと思います。胸に染み入るお言葉、噛みしめて頑張りたいと思います。
ありがとうございました。クレンジングオイルは別として、確かにおっしゃるように、保湿目的の美容オイル製剤に関しては特に技術的な要素が何もあるわけでもなく、テクスチュアの問題だけと考えるのが妥当かもしれませんね。
元来、爪にしてもお肌にしても同じなのですが、オイルをそのまま塗布する事は美容理論に叶っていないので、これは当然の事と思います。
お肌も爪も髪にしても、細胞の構造や生理をしっかりと理解すれば、水分と油分を適度な比率で補ってこそ「保湿」が達成できるのであって、水分だけでも油分だけでも皮膚の保湿にはならないという論理的な概念が一般消費者に浸透しない事が問題なのでしょうね。
ですので、大手ブランドをはじめとし、きちんとした肌理論を踏まえて商品開発を心がけている化粧品メーカーであれば、美容オイルなるカテゴリーの商品は存在しないのが道理という事になります。とはいえ、髪やお肌と異なり、爪だけはちょっと肌理論に沿えない要素があるのは確かです。
それは・靴下や靴・ストッキングなど、常に何かに接触している。(拭い去られてしまいやすい)
・死んだ組織であるため、浸透しない。この2点の問題、特にひとつめの靴下や靴などですぐに拭い去られてしまう点は大きな問題で、少々乳液やクリームを塗布したところですぐに落とされてしまうため、かなり過剰なケアをしなければならないと考えるべきでしょう。
これは、ハンドクリームといった常に落ちやすい境遇にさらされている部分のケアに過剰が油分が配合されているのと同じですね。という事で、商品のオススメよりも、手の場合と同様にちょっとしたケアのコツをお教えしましょう。
上で書いたように爪というのは何かを塗布してもすぐに落とされてしまうのが大きな難点です。
これを補うために、「寝ている間のケア」をお勧めします。
つまり、ネイルオイルを塗布した状態で靴下を履いて寝るんですね。
こうする事で、オイルは一晩中爪を保護してくれますので、改善効果が高くなると思います。本来であればこの爪の上にパックのように保護するフィルムでも貼ればさらに効果があがるのでしょうが、他の指の部分が油分過剰になってふやけたりするので、ちょっと難しいですね。
ひょっとしたら、爪に一枚一枚貼る「ネイルパック」なるものを作れば、売れるかも?(笑)いや。。。ニーズが・・・^^;
以上、ご参考まで。
ご無沙汰でした、sumireさん。
@cosmeもご覧になっていただいているとの事、少し安心しました。
あそこに顔を出すとバトってしまうので控えめにしてはいるのですが、まぁ叩かれてナンボだと割り切る事にしています。さて、いつものごとくご質問へのコメントです。
■一つ目・・・海外とドメブラの消費期限の考え方
いいところに疑問を持たれましたね。
まず、大勢のところでは法的な問題が基準になっているのですが、化粧品の商品品質基準についてワールドグローバルな法規制はありませんので、各国の法規制に従って明記されているのが基本になります。
そういう意味で、どこの国で生産されたのかによって表記方法は異なります。で、日本の場合は薬事法で3年以上の品質保持が義務付けられていますので、基本的には3年以内に使い切ってもらう事を原則とする事で、特に表示の義務はありません。
つまり、表示がないという事は3年間安心して使用できる、という意味です。
ただし、品質的にこれ以下で消費者に使い切ってもらいたいという理由がある場合には、消費期限を決めて『明記して良い』事になっています。対して海外の傾向としては、消費期限を『明記する事を義務付けている』国が多いですね。
これって、よく見るとおもしろいですね。
海外の『表示が義務』に対して日本の場合は、『表示して良い』。
これがsumireさんが懸念したところの、「日本と海外との品質への認識の違い」ですね。で、話は戻りますが、外資のコスメが日本向けで販売されている場合、海外の表記法に従って使用期限が設定されていませんので、日本の法規に則って表示の義務付けがありません。
という事は、イコール3年の品質が確保されている、と考えるべきなのですが、おそらく根本的な文化の違いがあるため、私達が認識する『品質保持』とはニュアンスが異なると思います。例えば、欧米の品質異常とは以下の場合が主眼におかれています。
・腐敗
・機能が失せている対して日本の消費者は
>・外観の変化
・臭いの変化に主眼を置いて品質異常と判断する傾向がありますので、例えば分離や変色といったものは外資では品質異常と考えていません。
まして開封後に起きたこういう現象は、自己責任というのが一般的な認識です。
仮にクリームが分離していても、機能的には問題ないのだから混ぜて使えば良い、とまで考えるのが欧米の風潮です。という事で、指針を示せなくて申し訳ないのですが、感覚としては欧米のコスメは早期に外観上の変化が起きても不思議はない、と思っておかれるのが良いかもしれませんね。
こんにちは。
いつもご利用、ありがとうございます。
今年は6月から猛暑が続いていますが、体調はいかがでしょうか。
熱中症、くれぐれもご注意下さい。さてご質問の件です。
商品の評価にならない範囲でのコメントになりますが、ご了承下さいね。
まずはこの商品の全成分を拾ってきました。<全成分>トラネキサム酸(有効成分)、精製水、デカメチルシクロペンタシロキサン、メチルポリシロキサン、ジプロピレングリコール、パラメトキシケイ皮酸2-エチルヘキシル、セバシン酸ジイソプロピル、2-エチルヘキサン酸セチル、メチルシロキサン網状重合体、ポリオキシエチレン・メチルポリシロキサン共重合体、水酸化アルミニウム、フェニルベンズイミダゾールスルホン酸、ステアリン酸、1,3-ブチレングリコール、トリ2-エチルヘキサン酸グリセリル、ポリオキシエチレン(14)ポリオキシプロピレン(7)ジメチルエーテル、トリエタノールアミン、トリメチルシロキシケイ酸、エデト酸三ナトリウム、ジメチルジステアリルアンモニウムヘクトライト、ステアリン酸アルミニウム、エリスリトール、イソステアリン酸、フェノキシエタノール、酸化チタン、微粒子酸化チタン
私が今までメルマガやコメントで書かせてきて頂いた基本スタンスを前提にすると、シリコンなどの皮膚内に浸透しない油分で構成された乳化系は、ウォータープルーフ効果はあるが有効成分などの効果成分は浸透し得ないという評価をしてきました。
ただし、化粧品の製剤技術も日々進化しており、この概念をくつがえす処方技術も開発されてきています。この全成分をみると、そうした資生堂の新たな技術を垣間みる事ができます。
その技術をカンタンに説明すると、いわゆる「ポリマー型シリコン」の応用技術です。
よくアンチシリコン派の方が「シリコンはポリマー」だと指摘していますが、実は化粧品に使われている一般的なシリコン(ジメチコン・シクロペンタシロキサンなど)はポリマーとは言いません。(クルマのコーティングに使用されるシリコンポリマーと勘違いしているのでしょうね。)で、この商品には網目状になったポリマー型の新しいシリコンが使われており、今までの界面活性剤を使ったシリコンのウォータープルーフ製剤とは異なる剤型で作られていると想像されます。
網目状になったシリコンを分かりやすく言うと、シリコンで作られたサカナを捕まえる網のようなものと考えると理解しやすいかと思います。
一般的な日焼け止めはシリコン・油分・水分を界面活性剤を使ってひとつに乳化し、分離しないようにしているのですが、これをうまく使う事で有効成分が含まれた水分を乳化せずに網の中に個別にレイアウトしておく事が可能になります。
つまり、網でシリコンと水分を別々に捕まえている、と説明すれば分かりやすいでしょうか。
そのため、有効成分の層はお肌の上に塗布する時に網から押し出され、皮膚の中へと浸透していく可能性があるというわけです。ただこれはあくまで理論的な推論の範疇ですので、実際に製剤技術としてそれが理論通り構築されているかどうかは定かではありません。
あくまで可能性、という事でご理解下さい。まぁ、おそらく大手の資生堂の事、さらに言うとこれは医薬部外品ですし、論理的に説明がつかない剤型だと厚労省の承認は得られませんので、当たらずとも遠からじ、だと思います。
m-トラネキサム酸の有効性はどうか不明ですが、製剤的にはそれなりに期待できるよう作られていると思います。
ただ、一般的なメーカーの日焼け止めにこうした技術革新が用いられているとは考えにくいですね。選定の参考になればと思います。
既にシーズン真っ只中ですが、私も来季に向けていっちょ作ってみるかな。さてさてそして最後の疑問についてはこれまでと違ってちょっと難しくなります。
まさにお察しのとおり、一般的な製剤理論からすると「水に濡れた状態でのオイルやクリームタイプでのクレンジングは厳禁!」はもちろんの事です。
某美容家さんの「オイルクレンジングに水を足す」理論は、大きな間違いどころかとんでもない事を広報している許せない行為と言わざるを得ません。ただし、数年前にファンケルからこの理論をくつがえすクレンジングオイルが市場に出ました。
さらにそれを皮切りに、少しなら水があっても大丈夫、といった商品が花王のビオレで発売されました。これはどういう事かというと、特殊な界面活性剤の処方技術です。
つまり、ある程度までなら油の性質を失う事なく、界面活性剤が水を取り込んでくれるという処方技術。
ただし、実はこれは大変繊細な問題で、入ってくる水の量がある臨界点を少しでも超えてしまうと、一気に油分の機能が失われてしまうというリスクを持っています。
つまり、水分の量が少しでも限界を超えると、全くクレンジング力がなくなってしまう、という事になります。まぁ、ぶっちゃけ結論として種を明かして言うならば。
ようは、界面活性剤が過剰に多い、という事ですね。
なので、実は他のメーカーが「やれなかった」のではなく、「やらなかった」だけの事なんです。
まとめると、こんな感じ。・含んで良い水分の量がどこまでなのか厳密な数値をユーザーに知らせるのは難しく、それによって「落ちない!!」といったクレーム・トラブルを避けるためにやらなかった。
・界面活性剤を増やすと肌リスクが高まるため、やらなかった。ちなみにもうひとつ種あかしをしておきますと・・・。
実は、1~2%程度までならクレンジングオイルに水を加えても機能に差し支えはないんですね。(←コレ、コスメティックアカデミーで習った事、覚えてますか?^^)
ただし、処方によってこの許容%は異なりますので決してやらないで頂きたいですし、一様に言えるのは
「白くなったらもうダメで、全くクレンジング力はなくなってしまう。」という事ですので、くれぐれも覚えておいて下さい。
こんにちは、sumireさん。
続いてのご質問へのお答えになります。
>クレンジング後の洗顔が必要なのは・・・肌に残った「残留成分」を洗顔で落とす
必要があるからという認識でOKでしょうか?
この「残留成分」というのは、クレンジング剤の油分や界面活性剤です…か?はい、これで間違いないですね。
界面活性剤は水で流れるものが使われている事が多いので、ほとんどはクレンジング剤に含まれている油分ですが。>他には…ほこりやちり?皮膚のダニ?も洗顔で落とす部類の汚れなのかな。
そうですね。
油分で落ちないほこりやダニなんかも洗顔で落とすという事になります。
あと最近では、マスカラを落とすのも大事な機能のひとつです。
最近のマスカラは水にも強い水性樹脂を使った商品も多いので、オイル系クレンジングでは落ちにくいものも多いですね。という事で、「クレンジングで落とすもの」はメイクに含まれる油分やパウダー成分・シリコンという事になります。
つまり、メイクしていなければクレンジングは不要という事になります。なので
>水性クレンジングの一部に洗顔不要のものがあるのは、「通常クレンジング剤に含まれる油分の残留がないから」と理解しているのですが…
これで大正解!という事になります。
乾燥肌の女子さん、こんにちは。
リアルタイムになかなかお返事できず、本当に申し訳ありません。なんだか5年前の当時を思い出し、久しぶりについ熱くなってしまって申し訳ないです・・・。
本当にお肌がひどい状態になって藁をもすがる気持ちでご相談を受けるケースに出会うと、涙が出てくるほどにかわいそうな状態で本当に胸が痛みます。「私・・・とにかく普通の生活、そして普通に外出がしたいんです。」
「皆さんと同じように普通に恋がしたいです・・・。」ご相談の文面からこんな声を想像すると、ヘタな事は言えないですよね・・・涙
リアルでこんなシーンに何度も出会う度に、私でも「私ごときが・・・アドバイスなんてとんでもない。」と思ってしまいます。と・・・またダウンモードですが、これではいけませんね^^;
皆さんが前向きなスキンケアライフを送れる事を願って、まだまだ頑張ります!またいつでもご相談下さいませ。
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