9月に入ると一気に涼しくなって、セミの声も聞かれなくなりました。
夏男にとってはなんだか寂しいと感じている、美里です。
こんにちは!
まだまだ残暑はこれからでしょうが
暴力的な猛暑はもうなさそうな気圧配置です。
夜は秋の虫の声に
耳を傾けられてみてはいかがでしょう。
さて、日焼け止めの話題最終章です。
前回までで、市販されている日焼け止めをタイプ別に分類して
それぞれの見分け方をまとめてきました。
最終章の今回は
ユーザーの皆さんが商品を選ぶ時の参考になる
それぞれの特長とデメリットについて述べます。
では早速、まずは【ノンケミカル】タイプから。
有機成分が入っていない事から
敏感肌の方に良いと言われています。
だいたい、商品のSPF値が50
PAは++程度まででしょうか。
説明にも書いた通り、このタイプは無機成分である紫外線散乱剤
つまり金属酸化物パウダーが、かなりの配合量で使われています。
SPF・PA値にもよりますが
酸化チタン・酸化亜鉛含め、少なくても7%以上
商品によっては10%以上配合されています。
SPF値・PAの高さとリンクして
その配合量が多くなります。
そのため、やはりお肌がギシギシするような
違和感のある使用感は否めません。
これを嫌う方もおられますが
これはこのタイプの宿命。
改善のしようがありません。
また、刺激物に過敏な方でなくても
パウダー成分が毛穴を覆う事から
白ニキビといった、毛穴トラブルを招く方もおられるようです。
あと、いかにも「塗ってます」感のある白浮きが好まれないため
昨今はほとんどの商品が白浮きしない
微粒子のパウダーが使われていますが
メーカーによっては
水が入ると白くなるアイテムもありますね。
海などに入ると一気に白くなって
「あれ?」と思った経験がおありでしょう。
これはパウダーが白くなったのではなく
微粒子パウダーを均一に分散させるための界面活性剤で
水と油が乳化されて白くなるんですね。
これもひとつのデメリットでしょうか。
とはいえ、敏感肌の方であれば
SPF30程度までのアイテムを頻繁に塗り直す事で
快適に活用できるでしょう。
次いで【ケミカルタイプ】です。
こちらも、SPFは50程度まででしょうか。
有機成分の紫外線吸収剤が配合されている事で
敏感肌だと合わないとおっしゃるユーザーさんもおられますね。
確かに、一部のユーザーさんには合わないかもしれません。
また、SPF値を高めると紫外線吸収剤が多くなり
お肌にはベタベタするため
このベタつきの使用感を好まないユーザーさんも多いですね。
とはいえ、ノンケミカル特有のギシギシした違和感がないため
使用感で選ぶとこちらになるでしょうか。
さらに、昨今は紫外線吸収剤をコーティングした素材も開発され
お肌に直接触れないように工夫された商品も多くみられます。
皮膚に浸透しないため、オフする事で全て洗い流されます。
またこれを利用して、安心して使えるベビー用も出てきています。
SPF値が低い目で、洗顔などで簡単に落とせるように工夫され
さらにベタベタせず、みずみずしいアイテムも増えてきました。
こうしたSPFの低めのモノを
つけ直し頻度を高くしてうまく利用すれば良いかもしれません。
次に【複合タイプ】です。
これは両方の成分が配合されたタイプですが
SPF値が50以上の高い商品がこれに該当します。
だいたい50を超えると処方的に両方を使わないとクリアできないため
ほぼ確実に、両方が配合されていると思って間違いないでしょう。
ノンケミとケミカルの双方の難点を持っているため
使用感もかなり着けた感が強くなります。
界面活性剤なども多くなってしまうため
海遊びや、直射日光に長時間晒される外出の時以外は
あまりオススメできません。
最後に【スプレータイプ】
お手軽かつ、噴霧式の利点を活かして使用感もライトな商品が多く
大変使いやすいタイプです。
好みに応じてノンケミ・ケミカルも選べます。
ただし、SPF・PA性能はあまり期待できませんので
頻繁に塗布し直す事がうまく活用するコツですね。
また、スプレータイプは塗布の仕方にひと工夫が必要です。
お顔や体にシューっと吹きつけて
手で一面に塗り広げるのは、NG・・・。
これ、やっていませんか?
海などでよく見掛けます(苦笑)
これは一気に紫外線防止効果が
表記値より弱くなります。
本来は全体に行き渡るようにビッショリと濡れるまで吹き付け
商品の表記値はその状態で測定していますので
気持ち悪いからと手で延ばしてしまうと
肝心の性能が発揮できません。
なので吹き付けた後は
手でなじませるように押さえて、全体に塗り広げる事が重要です。
以上、各タイプのメリット・デメリット
そして使い方のコツなどを書いてきました。
最後に予告していました
業界で起きている大きな問題について
書いて終わりにしましょう。
今、業界的に日焼け止めは
大きな変革期を迎えようとしています。
現時点では、まだどう変わるのか誰も予想できていません。
ノンケミカルタイプは
微粒子のパウダーが皮膚内に取り込まれると問題視されて
「浸透しない事の証明」ができていないために
既に配合禁止の規制がかけられた国もあります。
また、既に微粒子パウダーを生産中止とした原料メーカーもあるそうです。
一方で、ケミカルタイプの紫外線吸収剤は
お肌から海などの環境に排出されてしまう事が問題とされ
環境汚染の問題から禁止の方向に向かってきています。
こちらも、環境排出量などというと
とてもじゃないですが、想定して試算する事が不可能な事象であるため
無害である証明のしようもないところが
ある団体の指摘のいやらしいところ。
とはいえ、いずれの問題もEC諸国から提唱されていますので
いずれ日本もハーモナイズドが問われる事になるでしょう。
既に日本でも厚労省が調査を進めています。
これがもし規制の対象となると
日焼け止めはどうなるのでしょう?
日焼けを防ぐ素材としては
粒子の大きな酸化チタン・酸化亜鉛しかなくなってしまう事になります。
となると
まるで歌舞伎役者のように真っ白になる商品しか作れなくなります。
今さらそのような商品など
消費者が使うわけもないですね。
そんな業界事情から
「飲む日焼け止め」などというわけの分からない詐欺商品が
売れてしまう事態になっているわけです。
この1・2年の間には
こうした業界裏事情に結論が出る事でしょう。
またその動向はどこかで取り上げる事にして
今回の話題にピリオドを打ちます。
では、また。
by.美里 康人