◆◆FILE No.084 / 2008年8月配信◆◆
カガク、ニガテ。。。有機物・無機物~その1
いよいよ夏本番です。
皆さん熱中症などには十分ご注意下さいね。
で、そんなムォォっとした夏の最中に
頭に虫が湧くようなこんな課題は
ちょっと苦痛かもしれませんね(苦笑)
でも今回は季節アイテム真っ只中の日焼け止めに関係するお話。
ちょっとお耳を傾けて下さい。
* * *
さて、唐突ですが
男性と女性の脳の構造を見比べると
女性は「化学」という学問は肌に合わないそうです。
もちろん例外はありますが
一般的にそういう傾向があるのは
生物学上の構造の違いから
どうしても仕方のないことのようです。
ただ、ウチのスクールのカリキュラムに盛り込まれているように
化学はお肌と化粧品との関係をきちんと知る上で大切なことですし
きっと皆さんの大きなツールとなるはずですので
できる限り「なるほどサイエンス」的(いや、ケミカルか・・・)に
消化しやすいように説明していきますので
頭の片隅記憶しておいていただければと思います。。
*
さて、皆さんは日焼け止めアイテムを探している際に
『ケミカル・ノンケミカル』
こうした言葉を耳にしたことがあるでしょうか?
なんだかカッチョいい言葉ですね(笑)
でもいきなりですが
これって、大きな間違いです。
化学のことを少しでも知っている人であれば
苦笑するしかない造語です。
読書の皆さんは
明日からこの言葉を小耳に挟んだり目にしたりしても
「ふふ~ん」と思ってもらえればいいでしょう。
では、一般ユーザーを中心に
ケミ・ノンケミと使われているこの言葉って
どういう意味なのでしょうか?
はてさて、実はここで有機物・無機物という言葉が出てきます。
この言葉がどういう由来から派生したのかは定かではありませんが
どうやら二つの説があって
1.有機物をケミカルと解釈し、有機物を含んでいない「ノン」の意。 |
2.有機物をケミカルと解釈し、対する無機物の「無」を「ノン」と訳した意。 |
こんな辺りが語源のようです。
つまり、化学的に有機物に該当する
「紫外線吸収剤」を含む日焼け止めを、ケミカル
反対に、化学的に無機物に該当する
「紫外線散乱剤(酸化チタン・酸化亜鉛など)」を含む日焼け止めを、ノンケミカル
と呼んだのだそう。
*有機物を含まないという意味で「ノン」か。
まぁいずれにしてもどちらも化学用語としては間違い。
有機物は「organic」
無機物は「inorganic」
ですね。
おやおや? オーガニックってどこかで聞いたことがありませんか?
そう!
最近流行のオーガニック野菜・オーガニックコスメってのがコレ。
有機栽培野菜・有機農法で作った植物エキスを配合したコスメ
という意味ですね。
とりあえず
どちらが良いのか良し悪しは別として
紫外線吸収剤を使っていない日焼け止めを
ノンケミと呼んでいるようですが
紫外線吸収剤は有機物
紫外線散乱剤は無機物
こうして覚えておけばOKです。
もちろんどちらも化学ですから
ケミカルものです(笑)
じゃ、この有機栽培・有機農法っていったいなんぞや???
そして、紫外線吸収剤とどんな関係が???
酸化チタンや酸化亜鉛は無機物で、紫外線吸収剤とどう違う???
お暑いので、この辺りは来週に回しましょうか。
こんな感じで分かりやすくいきますので
ついて来て下さいね。
ヒントは
有機栽培とは、動物の糞などを肥料に使う農法。
通常一般的な無機農法は、肥料にリンや窒素・カリウムなどを使います。
とりあえずこれで
ホームページやブログで鼻高々にコスメを語る人
そして怪しいコスメメーカーの謳い文句など
かなりのピノキオちゃんの鼻をへし折れますね。
でも
「大人はあえて語らない」
ですよ(笑)