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手作りコスメってどうよ?~まとめ(FILE No.010)

メルマガアーカイブ

美里康人

2006年にスタートしたメールマガジンのアーカイブページ。
『コスメの真実・裏側』は、このメルマガがきっかけで出版された書籍でした。

◆◆FILE No.010◆◆

手作りコスメってどうよ?~まとめ

ここまで市販コスメの裏側を少し触れてきましたが、これらの現状を踏まえると
消費者が賢くなってメーカーに対峙する手段がおぼろげに見えてきます。

*
1.メーカーの怪しいケア法に翻弄されないようしっかりとした正しいスキンケア法と知識を身に付け、商品の価値を見極める事。
2.国内ブランドのチープなメーカーに対しては、成分をしっかりと見る事で手抜き商品を見破るテクニックを身に付ける。
3.外資ブランドに対しては、成分の特性をよく知る事で、製剤面で消費者レベルで作れるような商品を見極める目を持つ事。
有効成分の特異性をしっかりと見て活用する事。
*

改めて視点を変えて考えてみると
これらは本来消費者として当然の権利と義務であるはずですし
日常の買い物でいつもそれを意識しているはずなのですが、どうでしょうか。

例えば皆さんがパソコンを買うとしましょう。
お読み下さっている皆さんもパソコンに対する知識はさまざまでしょうから
大型量販店で勧められるメーカーパソコンでお任せ、といった方もおられます。
海外ブランドの商品は、そのお国の技術レベルがある程度分かりますから
商品に対する信頼度もある程度は認識できた上で選択しますね。
また、ちょっとパソコンのメカに詳しい方であれば、今は簡単に自分で手作りできる時代ですから
自分の好みのパフォーマンスのものを作るという方も多いでしょう。

ようはこうです。

・パソコンケース
・マザーボード(いわゆる、基盤)
・ハードディスク
・メディアドライブ(フロッピーやCD・DVDなど)
・メモリ
・キーボードやマウスなどの入力付属品

これらを買ってきて、組みたてるだけでとりあえずパソコンは完成します。
もちろん、設定に多少の知識は必要ですが、マニュアル本を読んで多少の知識を得ればできてしまいます。
この作業は、ほとんど私達素人のレベルでできてしまう訳ですね。
あとは、自分で好みのソフトを買ってきてインストールするだけです。
当然、メーカーパソコンを買うよりも格安でできますし
パーツのお値段は販売店で値段がついていますので誰でも確認ができます。

さてこれを化粧品に対比させて置き換えてみましょう。
パーツはこうでしょうか。

・水
・保湿剤
・油成分
・界面活性剤
・防腐剤
・有効成分

これらを組み合わせれば、とりあえず化粧品は完成します。
パソコンのソフトの部分が、エキスや有効成分といったところでしょうか。

ここで化粧品がパソコン業界とは違う重要なポイントが露呈した事に気付かれたでしょうか。
まず一点目。

・パーツの値段が一切分からない

ようやく今は化粧品の構成成分はオープンになりましたが
しかしながらその成分の価格などほとんどの消費者は知りませんし、もちろん公開もされていません。
それがゆえに、私たちから見れば1kgあたり10円~20円レベルの単なる精製水にも関わらず
あのバカ高い薬局方の精製水が「安い!」と、誤った認識ができてしまう訳です。

次に二点目。

・設定に必要なマニュアル本に該当する、「化粧品製剤マニュアル本」がない。

なぜこれがないのでしょうか?
不思議でなりません。
それがゆえに、前回のマガジンで書いたように材料販売サイトのレシピ集や
そういった方達の書いた出版本のレシピがさもマニュアルであるかのように
一般ユーザーに勘違いされてしまっているのが現状です。

こうしたものはプロが書いたものではありませんから
中身が目に見えない・機能が判断できないのを良い事に内容は実に幼稚で
プロから見るととても使用に耐え得るものではない事が分かります。
早い話が、消費者が判断できないのを良い事に
適当な経験則でレシピを作って材料を売っているというだけの事。
(今後少しずつ実験室でも解明していきます)

これはまさしく化粧品メーカーと同じ事と言わざるを得ません。
しかも、薬事法の裏をかいくぐって誰でも商売ができるだけに、さらにタチが悪いですね。

一般的な消費者行動を基準に考えて業界の問題点を挙げましたが
食品にしても然り、こうした業界の問題点は私達身の回りで他には皆無なはずです。
自宅で材料を買ってきて作るか、それとも外食で家庭料理にはない価値を求めるか。
同じですね。
ようするに
商品のどこに価値観を見出すかの判断は消費者個人の選択に委ねられていますが
全ての購入商品はある程度原価を調べる手段があり、価値を判断する材料がなくてはならない訳です。
これが「適正価格」のボーダーラインという事になります。

ポイントをまとめてみます。

つまりパソコンの場合、材料原価と、組み立て・設定に係る時間と労力、そしてソフト代が分かりますし
私達消費者はある程度の適正な原価を計算する事ができます。
それを基準に
価格を極力抑えた商品や、自分好みのパフォーマンスやデザインを追求して手作りを選択する場合。
そして、テレビ機能や録画機能が付加されていたり、コンパクトに作られていたり
購入するとお高いソフトが予めインストールされていたりと
こうした付加価値が付いている商品を選択する場合、となります。
当然、メーカーパソコンには保証が付きますが
手作りの場合、壊れたり調子が悪くなったりといったトラブルの責任は
自分で負わなければならないというリスクも、消費者は十分理解した上での事になるはずです。
これは料理でも全く同じ。
家庭で作るか、それとも外食で済ますかは、こういった判断基準があって当然なんですね。
これが、「消費者の権利と義務、そして責任」です。

化粧品の業界は、物を売るがきちんと満たされていない事が分かります。
まぁ、といってもここには「皮膚に使用する」という条件が付いている事から
薬事法という法律がブレーキになっているという現状があるのですが。

*

これらをきちんと解消し、是正するためには
様々な媒体を通じて化粧品の基礎についての情報をどんどん提供し
そして成分についてなども正しく勉強する場を提供する事で消費者の意識向上に努めるのが
私たちの本来の義務なのかもしれません。

逆に言えばこれは、適当な商品の多い現状の業界への警鐘でもあり
そして業界の適正化に繋がる事だと言えるでしょう。

全ての業界がそうであったように。

*

今回は少々お話がズレてしまいましたが
こうして皆さんがお使いの化粧品を自分で作りたいというニーズは当然の事ですし
消費者としてきちんとコスメの中身を知る権利もあります。

しかしながら
女性のお肌を整え、美しくするのが化粧品の本来の姿だとすれば
その機能や効果をそれなりにきちんと果たすものを家庭で作れる環境には程遠い
そう言わざるを得ないのが現状なのです。

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