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「化粧品開発展」2023 所感記事

化粧品開発展01


美里康人

業界一大展示会
「化粧品開発展」の様子

早いもので、あっというまに1月も半分が過ぎました。
お正月気分も抜けない早々に、皆様もご承知のように業界一大展示会が盛大に開催されました。
2021年はコロナウイルス問題で縮小状態でしたが、今年は3万人に手が届く近年にない大盛況となったようです。

化粧品開発展

「化粧品開発展」HPより

今回はいつもの記事をひと休みし、この展示会の様子やちょっとユニークな成分の情報などをお伝えしましょう。
ユーザーの皆様も、興味をお持ち頂ければと思います。

どんな展示会?

最初に、この展示会はどういったイベントなのか、少しだけ説明しておきましょう。

“開発展”というネーミング通り、化粧品を販売しているメーカーさんというよりも、製品の開発や製造をしている企業さんを中心とした展示会です。
そういう意味では新しい原料を供給しているディーラーさんなどのブースも多いですね。
他にも昨今は大学の研究室も参入が多く、新技術や新規原料などの研究発表も多くみられます。
過去にはこのような展示で化粧品メーカーさんが新規素材に目をつけられ、大きく話題になった成分もあります。

とはいえ、雰囲気的にはOEM工場さんの展示がかなりのスペースを占めていると言え、販売会社さんにとってはユニークなOEM工場さんを掘り起こすイベントと言えます。

少し意外かもしれませんが、美容室のヘアケアブランドとしては有名な“ナカノ”(中野製薬)さんも出典され、こじんまりとしたブースでしたがたくさんの人だかりができていましたよ。
プロ向けの品質で、今後は店頭での市販製品も拡充していくかもしれませんね。

で、私といえばtwitterでもお伝えしたように、私達が普段ご協力頂いているOEM工場さんのお手伝いで、技術説明でブースに立たせて頂いたり、お世話になっているメーカーさんへのご挨拶や商談、そして情報収集のために各ブースの観覧に回らせて頂きました

展示の傾向分析

では、簡単ではありますが、今年の化粧品開発展の傾向をお伝えしておきましょう。
今回は盛況な展示会でしたが、自分がブースを見て回った感じでは、今年はあまり新しい技術や成分は見掛けなかったように思います。
それは幾人かのお客様に伺った限りでも、目新しいものは見掛けなかったといった意見が多かったように感じます。

そのためか、ブースに立たせて頂いた限りでも、新規な技術に大変ご興味を持たれた方が多く、ほぼひっきりなしに新しい開発技術の展示に解説を求められたのが現状です。

そのような中、私達も昨年から提唱してきた「ラメラ」という言葉。 この傾向があちこちで目にできたと伺っています。
セラミドを中心とした角質層深部のミルフィーユ構造“ラメラ”を補うスキンケアは、花王さんやコーセーさんの論文などからどんどんとメジャーになってきているように感じます。
もちろんこれは、ただ単にセラミドを配合しただけでは意味がないことも、説明すると驚かれる方が多かったですね。
今後のスキンケアの新たなトレンドになる予感が高まります。

そういう意味では、やはり技術力が求められるクレンジング剤はなかなか新しい製剤がなく、皆さんお探しの様子でしたね。
お肌にストレスとなりやすいオイルを避けながらも、しっかりとメイクが落とせるクレンジング剤が求められている現状が、垣間見えた展示会でした。

研究機関の研究発表

冒頭でもお伝えしたように、ここ数年は大学を始めとした研究機関などの研究発表や学術発表の展示も多く、それぞれは小さなひとコマのブースですが、興味深い研究成果がいくつか見られました。

そんな中、技術者ゆえの私が目に止まった展示を一点だけご紹介。

オイルゲル

技術発表のyou tubeがコチラ

デンプン由来の低分子量オイルゲル化剤
農業・食品産業技術総合研究機構 食品研究部門 食品加工・素材研究領域 バイオ素材開発グループ

ユーザーさんはピンとこないかもしれませんが、少量の配合%でオイルがゲル化できること、そして配合量に従って定量的に粘性があがっていく点がこれまでの食品用ゲル化剤とは異なる特徴とのこと。
これはゼリーやプリンのようにボロボロと型くずれするようなゲルではなく、トロリとした流動性のあるオイルゲルも作れる可能性を秘めているということになります。

オイルゲルクレンジングや、ポリエチレンを使わない天然由来原料で設計されたクレンジングバームも可能性が出てくるわけですね。

技術者の方にはヒントを明かしたようではありますが、残念ながらまだ化粧品成分として使うためのINCIの登録がされていませんので、新たな展開に期待したいところです。

他にも、少し前にヒト幹細胞培養液で話題になったアンチエイジング成分の「エクソソーム」ですが、素材に含まれている含有量を分析する技術が確立された研究成果が展示されていました。
意外にもこれまで含有量を特定することが難しかったのだそうです。

あまり厳密なことには触れませんが、この技術開発によって実は身の周りの身近な素材にもたくさん含まれていることが分かってきて、今後はそういった素材が化粧品にも拡散していくかもしれません。
本当に意外な、そして身近な身の回りの食材に含まれているそうです。
非常に高価なヒト幹細胞培養液に拘る必要性はなくなる可能性も、秘めている発表でありました。
こちらでは述べませんが、近いうちに露出してくるかもしれませんよ。

今回はあまり面白い記事ではなかったかもしれませんが、今後の美容業界が変わっていきそうな話題がありましたら、また取り上げようと思います。

今回はこの程度で、筆を置かせて頂きます。
ではまた次週。

by.美里 康人

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