日差しが春らしくなり、外に出るのが億劫でなくなってきましたので
アウトドアな自分は、それだけで気分良く仕事が進みます(笑)
おそらく自分の場合
北の国に住んでいたとしたら
生涯の仕事は半分もできていなかったかもしれません（苦笑）
それはさておき･･･。
早速このシリーズの４編目に入りましょう。
今回は、ちょっと化粧品とは異なるカテゴリーの商品でよく目にするＰＲ文言。
サプリメントなどでよく見かけると思います。
ＴＶでよく見掛けますね。
「な、なんと！ 〇億個っ！！！」
だいたいが、ビフィスズ菌だとか乳酸菌だとか
いわゆるカラダに良いとされる「菌」がほとんどでしょうか。
これはもう、憶する事なく言い切ってしまって良いですね。
「ダマされないでっ！！」と（苦笑）
普通は想像もできないこの数、「億」の数字だけで
見ている消費者の感嘆を誘いたいのでしょう。
しかも、億のつく数字は
宝くじの一等の金額に印象を結びつけてくれると、期待したいのでしょうかねぇ･･･。
いや、ホントひどいものです。
では、その数字のメカニズムをご説明しましょう。
上でも書いたように、こうしたＰＲで示している場合の数字は
ほぼ全てが「菌」ですね。
で、菌というのは、いわゆる人にとって悪さをする汚いばい菌も含め
「個」で数える事ができるのですが
例えば今、コップの水の中に１秒で良いので指をチャポンと差し入れ
この水をラップして放置しておくとしましょうか。
あ、一応念のため、酸素がないと菌も窒息してしまいますので
小さい穴をひとつだけでも開けておきましょうか。
当たり前の事ですが、普通に誰でも指や爪の先にはたくさんの菌が潜んでいますので
この水の中には最低でも１個以上の菌が入った事になります。
そしてこの水を、そのまま室温で二日間置いておきます。
さて、２日間たったこのコップの水には、何個の菌が繁殖したでしょうか？
この答えは、数えなくてもだいたい分かるのです。
どんな菌でも、ほぼ同様のペースで繁殖し
なおかつ繁殖し得るその上限も、だいたい決まっているからです。
その数は、なんと１ｇの水の中に１億個なんです。
という事は、そのコップの水が２００ｍｌほど入っていれば
「なんとっ！ ２００億個！！」(笑)
つまり菌なんて、放っておけば数日でこうなっちゃうもの。
ちなみにこの個数ですが
だからといって１兆個にはなり得ないんです。
なぜなら、１ｇあたりで１億からせいぜい１０億個が限界なのです。
それ以上は菌同士が環境中にある栄養素を取り合って不足になってしまい
菌の繁殖が止まってしまうためです。
分かりやすく言うと、１個のパンだけで人間が何人もでは
栄養が足りなくなって死んでしまうのと同じですね。
水１ｇの栄養分では、菌もせいぜい１０億個程度までしか生き永らえないというわけです。
なので、ビフィズス菌だろうか乳酸菌だろうが
１ｇの中に〇億個存在しているのは、当たり前のフツーの事なのですね。
という事で、もうお分かり頂けたと思いますが
身の周りでは、皆さんが毎日飲んだり食べたりされているヨーグルト。
これには乳成分を醗酵させた乳酸菌が
１ｇあたりで数億個入っている事になります。
当然ですが、乳酸菌をメいっぱい繁殖させてありますからね。
商品としては、パッケージに最低でも数十グラム入っていますので
スーパーで１個買って全部食べるだけで
それこそ「１００億個」の乳酸菌を摂取しているんですね。
大入り容器の商品になれば
４００ｇほど入って１００円ですからね。
この中に含まれている乳酸菌の個数なんて
どこのヨーグルトだって、そんなＰＲなどしちゃいませんよ。
納豆だって同じです。
あの中に納豆菌（学名: Bacillus subtilis var. natto）が
１パック中に数十億個はいるっていう事です。
つまり、発酵食品は全て同じです。
いかがでしょうか？
もう、笑ってしまうレベルのお話でしょう。
大量のカラダに良い菌は
お高いサプリに頼らずとも、スーパーで数十円で売っているわけです。
あの「〇億」という桁の数字は
こういった微生物の常識的な数字から拾ってきたモノだったのです。
確かに事実ですから、虚偽の広告ではありません。
しかしながら、役者さんがあんなに力を入れてアピールするような事ではないですね(苦笑)
何も知らないご年配の方をダマそうという姑息な販売手段に
悪意すら感じますし
腹立たしい思いでいつも見ています。
おい、〇〇〇食品よ
ホントいい加減にしろよっ（怒）
あ、あそこは化粧品も販売してますねー。
まぁ、信頼性については皆さんのご想像にお任せ致しましょう。
今日はこの辺で。
by.美里 康人