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業務用シャンプーの違法販売

美里康人業務用シャンプーの薬機法違法転売が発覚し

大阪府警に検挙されたニュースが。

どういった薬機法違反を犯すとこんな事件となるのでしょうか。

お盆休みはブログもお休みし、すっかり仕事を離れていました。
この灼熱に加えて休みボケがひどいかもしれませんが、何卒お許し下さい…。

薬機法違反は罪が重い

さて、このお盆休みの間に、薬機法に関わるニュースがかけ巡りましたね。

 

※サイトはこちら→https://www3.nhk.or.jp/kansai-news/20200814/2000033612.html
(リンク元:NHK NEWS WEB*リンク削除の節は了承下さい

業務用のシャンプーを転売しただけの一件ですが、製品に記載されているロット番号(製造記号)を消して販売して逮捕され、ニュースにまでなった事件でした。
ニュースをご覧なった消費者の皆さんは、何か凄い違法行為を行った事件のように感じられたかもしれませんね。

でも実際は、ただ単に製品の底部分に印字されている記号を除光液でちょっちょっと消して、他の方に販売しただけのことです。
そうはいっても、これで月に600万円は売り上げていたとのことで、驚きの商法と言えます。

おそらくは業務用として販売している製品を一般消費者に販売されていることを知ったメーカーさんが、地方自治体か消費者生活センターあたりに通報されたのだと思いますが。

とはいえ、この事件で皆さんが感じることは

「こんなことだけで逮捕され、全国ニュースになってメディアにまで晒されるのか…。」

という点でしょう。
おそらくこの行為を行った企業さんは、もうダメでしょうね。
もちろん実行犯の個人はこれで前科一犯で、「前科者」ということになります。

そうなんです。
薬機法違反って、非常に厳しい厳罰が下ります。
手錠も掛けられますし、取調室に拘置されるのも普通です。

どうやらこの手の商売はおいしいらしく、過去にもこんな事件がありましたね。

こちらも600万円ほど売り上げていたということです。

厳罰に処される薬機法違反のケース

このような大きな事件として報道されていないケースでも、販売会社さんなんかは薬機法の知識など持ち合わせていないので、ちょっと思い付いた販売方法を行っただけでもこうした事態に発展することがあります。
時として意外につまらない販売行為の発想で、こうなることがあるんですね。

例えば、二つ以上の製品を混ぜるような使用方法を勧める「用時調製」
ただ使用法をオススメするだけなら警告だけで済まされますが、複数の製品を勝手にセットにして梱包し、混ぜる使用方法を明記してあればもう摘発対象です。

スマートフォンのバナー広告でよくこの文字を見ます。

「ニベアと混ぜると、シミがペロン!」

これ、ランディングページのバナー広告なので、商品のメーカーさん直接の広告ではないと逃げ道を作っているのですが、そんな言い訳はもう通らず明らかな薬機法違反広告になりますので、そのうちにヤラれますね。

他に意外なところでは、「販売会社さんによる詰め合わせ」
化粧品は、工場で最初からセット販売(詰め合わせ)する形態で生産されたものなら良いですが、販売会社さんで個々の製品を勝手にセットにして個別包装形態にすることは「製造行為」にみなされて違法になります。
よくあるケースとしては、シャンプー・コンディショナー・育毛剤の三点セット、といったケースですね。

とはいっても、全ての薬機法違反がこんな厳罰を受けるわけではありません。
例えばネット広告やチラシの表現に、微妙な効能などが謳われていた…なんて程度では警告や是正措置程度で済まされ、改善報告書を提出させられる程度です。
そこはボーダーラインがあります。

では、どんなケースにこうした厳罰が下ることがあり得るでしょうか。
分かる範囲でまとめて列記してみましょう。

・製品そのものに違法性がある
例えば化粧品なのに医薬部外品の明記がされていたり、部外品の承認を受けていなかったりといった場合
他には手作りコスメの販売に違法性が確認された場合も、同様です。
化粧品の違法製造行為ですので。

・製造行為に違法性がある
今回のように製造記号がなかったり、工場が認可を受けていない・販売名が間違っているといった場合

・医薬品や医薬部外品の効能に抵触している
例えばアトピー改善やかゆみ止めなど、医薬品の効能・効果に抵触する効能の文言を明示している場合

・製品の品質が明らかに劣化している
腐っている・大きく分離しているといった、ひどい品質劣化を起こしている場合

・違法販売
薬機法の中では、医薬品は販売者に認可が必要とされており、これに反した販売行為を行った場合

他にもまだありますが、思い付いた範囲で書き並べてみました。

コロナ禍で起きた事例

最後の販売者の問題は、つい先頃も「イソジン」などの医薬品を転売している業者や個人が摘発されていますね。
これも薬機法違反で、こちらは医薬品の違法販売に該当しますので、結構な厳罰で摘発されます。
化粧品や医薬部外品は誰が販売しても構いませんので、同じような口内洗浄液製品の医薬部外品や化粧品・雑貨商品は対象外ですね。

販売会社さんや、OEM工場に生産を委託されているメーカーさんなどは、こうした薬機法の怖さをご存じないことが多く、ご教授差し上げると「そんなことがダメなの?」とおっしゃるケースが多々あります。

直近のコロナウイルス禍では、「除菌」という言葉を使った手指消毒製品がまさに該当します。
人体に使用する製品の「除菌」「殺菌」医薬部外品の効能に該当しますので、化粧品や雑貨では明示できません。
「クリーンにする」といった、それと思わせるような言葉やラベルの表現で、化粧品として販売されているものが多いと思いですね。

これも、人体に使うのではなく身の回りの雑貨商品の殺菌製品は雑貨で認可の必要はないため、普通に化粧品でも表記できると思ってしまうようです。

というわけで、まぁこういったほとんどの摘発事例は、「チクり」と言われる通報によるものが多いとされています。
特に目立って売れている製品はよくライバルメーカーに敵視されて通報されることが多いので、これをご覧になられている関係者の方々は、ご注意されて下さい。

もしどう判断すれば良いか分からない場合は、公式サイトの方へお気軽にご相談下さい。
ではでは。

by.美里 康人

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