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化粧品浸透技術への妄想

化粧品の浸透性

化粧品の浸透性については
これまでに、製剤技術のお話も
メカニズム解説とともに何度か取り上げてきましたね。

ナノコスメのお勉強ところで取り上げました
リポソーム技術もそうですし
物質の分子の大きさについても。

その中で、生体親和性
そのメカニズムに非常に重要な意味を持つことも
皆さんご理解頂いたことと思います。

そこで今回は
ちょっと視点を変えたところからの
可能性のお話。

生体親和性

皆さん、「ポカリスエット」はよくご存じですよね。

今ではスポーツドリンクも同じ考え方で
「カラダに水を」をコンセプトに
開発された飲料水ですが
ヒトの体はただの水は浸透しないことに着目し
効率よくカラダに水分を補うメカニズムを一から見直して
開発された革新の飲料水技術ですね。

ある意味、革新的な飲料水技術ということです。

もともとこれは医療分野で活用されており
点滴の「生理食塩水」がこれにあたります。
それを応用したのが
ポカリスエットということです。

多少塩辛くても、カラダにとっては非常に効率のよい飲料です。
学者さんの言葉によれば
ヒトも海の生物から進化したものだから
海水=食塩水と関わりが深いのだということだそうです。

つまり、食塩も含めた「塩類」
生物生体との親和性と深いかかわりがあり
内臓や皮膚といった生体組織と親和が良いということなんです。

ここでひとつだけ触れておくと
この塩類に共通しているのは
「Na(ナトリウム)」や「K(カリウム)」や「Ca(カルシウム)」
こういった金属物質で
つまり、「ミネラル」です。

化粧品には活かせない?

というわけで、そうなると
これを化粧品にはいかせないものか?
こう考えたくなりますよね。

使う成分的には食塩でも構わないのですが
化粧品に配合可能な成分には
他にも様々な塩類があります。

しかし、単純な事のようですが
ここには大きな壁があります。

・食塩以外の塩類は、水に溶けにくい(もしくは溶けない)
・カルボマーといった高分子や乳化物に影響が強く、設計を壊してしまう

他にも色々と影響はあるのですが
いずれにしても化粧品として製剤化するのは
非常に困難です。

でも、生体への浸透メカニズムは十分に解明され
そして既に医療分野・飲料分野で証明されていますので
なんとか化粧品に活かせないものか・・・。

そんなことが頭の中にこびりついている
美里の今日この頃でした。

次回は久しぶりに
新しく開発に着手している
新時代のコスメ製剤のお話をしようと思います。
お楽しみに。

では、また。

by.美里 康人

2 COMMENTS

管理者

(2020年03月16日 12時02分03秒 マルリンさんから頂いたコメント)
こんにちは、ランキングから来ました。
化粧品について、いいよ~と言われている商品を選んでしまいますが、何が良くてすすめているのかもわからなかったのです。
こちらの記事で、角度を変えたところでの視点からとらえる化粧品。私にとって新鮮で、基礎化粧品により親しみがわきました。らたしのような無知な者にも分かりやすく説明してくださって、読みやすいです。ありがとうございました。

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美里 康人

(2020年03月17日 12時23分46秒 返信)
マルリンさんへ

ご訪問とありがたいコメント、感謝です。
まだまだユーザーの皆様のお役に立ててるには足らず、できる限り継続していきたいと思います。

ご愛顧頂ければ幸いです。

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