さて今回は、いよいよ特殊アルカリ電解水が
ただのアルカリ物質を含んだ水とは全く異なる検証を
示していきます。
途中からこのブログにお越し頂いた皆さんにもわかるように
ここで話題の最初を振り返りましょう。
雑貨で使われている「水の激落ちくん」といった
一般的なアルカリ電解水は
確かにかずのすけ氏が提唱しているように
電解質として水に食塩を加えたり
あるいは海水をくみ上げて電気分解した
いわば電気分解によって生成したアルカリ側の
「水酸化ナトリウム」(NaOH)を含んだアルカリ電解水です。
とはいえ、その含有量はたいした量ではありませんので
皮膚に付着したりしてもすぐに影響を及ぼすといった事はありませんし
仮に子供さんが飲んでしまっても
特に問題になる事はありません。
ですので、雑貨品として洗浄用に活用されています。
ただ、目に入ると強い刺激がありますし
手に付着して洗い流さずに残っていると
カサカサになったり、肌荒れに繋がったりという影響があります。
対して、私達が化粧品に使っている特殊アルカリ電解水は
こうした食塩を使って電気分解された単純なものではありませんので
全く異なる別モノです。
その検証を示そうというのが、今回のお話ですね。
皆さんにも分かりやすい、その3つを説明します。
<検証その1>
まず、水酸化ナトリウムを含んだ水であれば
pHが12になっている状態から中性のpH7にするには
それなりの酸性物質が必要になります。
それこそ、ビタミンC(アスコルビン酸)やクエン酸といった
酸性物質を加えない事には中和する事はできません。
しかしながら私達が化粧品に使用する
特殊な技術を用いたアルカリ電解水は
皮膚に塗布して数十秒の単位で
pHは中性に戻っていきます。
簡単な実証実験画像です。
浸透力が高いのでちょっとわかりづらいですが
2分後にはpH8程度まで下がっている事が
分かると思います。
つまり、皮膚に付着している汗やアミノ酸といった
ごくわずかな微量酸性物質によって簡単に中和されてしまう
ということです。
「pH8だったらまだアルカリじゃん。」
そんな声も聞こえてきそうですが
さらに2分も放置しておけば6~7になりますし
少し前にも説明したように
pHというのは水素イオンの乗数なので
pHが4下がったということは
10の4乗、つまり1万分の1に落ちたということになります。
アルカリ性物質を含んだ水なのであれば
こんな現象が起こることはあり得ません。
<検証その2>
次もアルカリ物質を含んでいない検証ですが
画像などのビジュアルで示せないので申し訳ありません。
仮に、激落ちくん程度の0.2%程であっても
アルカリ物質(水酸化ナトリウム)を含んだ水なのであれば
目に入ろうものならどんなことが起きるか
皆さんもお分かりかと思います。
いきなり目がつぶれるような事態にはならないにせよ
眼球を刺されたような衝撃的な痛みで
とんでもないことになります。
石けんやシャンプーが目に入った時の痛みの
数倍の刺激という感じでしょうか。
ところが
特殊アルカリ電解水はムリヤリ目に入れても
そんな刺激はありません。
もちろん、食塩水や海水
はたまた、目薬でも目に入ればシバシバして違和感を感じるので
この繊細な眼球でなんにも感じないわけにはいきませんが
驚くほどに目を開けたままで
ガマンしていられます。
それは弊社の洗顔フォームで
お顔全体に泡立てて目を開けてみれば
すぐに体験できます。
目を閉じたままカランの位置をまさぐる必要はありません(笑)
<検証その3>
これはちょっと科学的な検証データです。
化学をかじったことのある方なら
理解しやすいと思います。
ある電気工業企業さんと大学が
共同で研究された論文からの引用ですが
人さまの論文なので、内緒でデータだけ
勝手に拝借してきちゃいました(苦笑)
発表論文の内容や推定考察の確か性などは論じませんが
生実験データが興味深いのです。
論文は、鉄が錆びないアルカリ電解水の実験ですが
どこが興味深いかというと
実験対象を水酸化ナトリウム溶液(0.2% pH12)として
物性を測定しているところです。
アルカリ電解水も同じpH12ですが
この酸化還元電位の違いに注目して頂きたいのですね。
ちなみに、化学と英語に疎い(自分です・笑)方のために
このデータの内容を解説しておきますと
一番上のアンダーラインを引いた「100mM NaCl」とは
%換算に直すとおよおよそ0.2%になり
「Electrolyzed・・・」(電気分解)したアルカリ側は
だいたい0.2%の水酸化ナトリウムと同等という理論になるわけです。
そして、一番下のアンダーラインをひいた「NaOH solution」とは
「水酸化ナトリウム水溶液」の事です。
ここには記載されていませんが
pH12なので約0.2%になります。
で、水酸化ナトリウム溶液は
精製水などと変わりなく、還元電位は+260mV
つまり、水酸化ナトリウム溶液であっても
還元電位に変化はないということですね。
これは化学の摂理でもしかるべき数値です。
ところが一方のアルカリ電解水は
なんと-680mVです。
これは水素が限界まで溶け込んだ水素水並みの還元電位で
全く別モノの化学物質とも言える数値です。
このアルカリ電解水は食塩を電解質としたものなので
化学理論的にアルカリ電解水側には
水酸化ナトリウムが生成しているはずなのです。
かずのすけ氏の主張がコレですが
確かに私達化学屋は
みな学校でこうして習ってきた化学の定説です。
しかし、明らかに物性値が異なるんですね。
もちろん、見た目では分かりませんし
見ての通りpH値も変わりません。
こうした実験データを元に
アルカリ電解水をマイナスイオン水とPRしたり
水素イオンが豊富な活性水素水などと
アピールする人たちがいるというわけです。
まぁ、私はそんな怪しいことまで言うつもりはありませんが(苦笑)
ただ、実験の物性値はpHと同じく精密な機器測定ですから
データはウソをついたり、誇張したりしませんので
ここは何かのメカニズムがあると考えるのが
化学の専門家であるべきです。
なんて、エラソーに書いてきましたが・・・。
私は電気化学や電子は苦手ですので
なんでこうなるのかのメカニズムまでは
さっぱり、わかりませ~~ん(苦笑)
ちなみに、私も疑り深い性格の化学屋です。
弊社の研究室にもORP計がありますので
特殊アルカリ電解水を測定してみましたところ
やはり-200mV付近を示しました。
上のデータのような
食塩を電解質としたアルカリ電解水ほどは低くありませんが
普通の純水やアルカリ物質を含んだ水(+200mV以上)とは
圧倒的に異なることを確認しています。
以上、特殊な技術を用いたアルカリ電解水は
水酸化ナトリウムを含んだような
アルカリ溶液とは全く異なりますし
単純に食塩が入った水を電気分解しただけの
アルカリ電解水とも異なる検証を述べてきました。
もちろん、pHが12もあっても全くの無刺激ですし
かといって普通の水と違う事も
触ってみればすぐに分かります。
〇ウォーターのように怪しい水で業界を賑わしてきたような
水ビジネス商品とは異なることも。
ただ、こうしたアルカリ電解水をちょびっとだけ配合した
いわゆる「まがいモノ商品」がこれから氾濫してくるのは間違いなく
くれぐれも翻弄されないよう、ご注意下さい。
なにせ、仮に精製水で10倍に希釈しても
pHだけは1しか下がりません(つまり、pH11)ので
ご注意のほどを。
浸透性や還元電位を含め
期待される様々な美容効果は1/10になってしまっていますので。
「この商品はどうなの?」
そんな疑問をお持ちになりましたら
→の公式サイトからメールでお問い合わせ下さいませ。
分かる範囲でお答えさせて頂きます。
このシリーズはこれで完結としましょう。
長いお付き合い、ありがとうございました。
ではまた。
by.美里 康人