こんにちは!
どうやら、このシリーズが非常に人気だったようでして・・・。
化粧品の業界では
この数字マジックを使ったPRが大流行のようですね(苦笑)
そして
「えーっ! ダマされてたんだ。。。」
との声が多数。
という事で、このPR文言の数字マジックについて
続編を取り上げていきましょう。
「え??? まだあるの?」
すいません・・・冷静になってお読み頂ければと思います。
* * *
さて今回は、「〇倍!」編です。
HPの広告などでよく見かけますね、この文言。
「増量してリニューアル。 〇倍になりました!」
こんな感じでしょうか。
これが3倍や5倍でも「おぉー!」と感じますが
中には破格とも思える
「なんと10倍に増量!」
なんてのも見かけますよね(苦笑)
いやー、ホントなら素晴らしい。
いや、ホントの事でしょう。
広告表示では、虚偽の記載は許されていませんので
ウソの広告表記ならば罰せられますからね。
「ならば、やっぱりホントにすごい事?」
いやいや、そうとは言えないかもしれません。
「かもしれない」なので
本当に素晴らしい商品になった可能性も、否定はしません。
ここは事実関係が分からないので
誤解のないようにお願いしますね^^;
ただ、一方では
「ならば、前のは大した事なかったんだ・・・。」
この事実は変わりようがありません(笑)
いや、まだこの増量した商品がホントに凄くなっているのならば
それはそれで、まだよしとして良いのでしょうが
それも怪しい。。。
例えば、この増量が商品の有効成分の事だったとして
もともとが微々たる配合量だったとしたら
10倍になっても、「微々量」が「微量」になっただけ。
仮に0.01%だったものが10倍になっても
たかだか0.1%になっただけの事。
この数字、私がこの文を書くのに
数字のマジックとして勝手に作ったモノだったら良いのですが
長年のこの仕事の中でフツーに経験してきた数字ですので
作り話ではないのです・・・実際(苦笑)
厚労省でも、「配合している」と明記する限りは
植物エキスの場合では、1%以上。
つまり、エキスの固形分量(有効成分量)はだいたいが1%ですので
有効成分として0.01%以上とされています。
これは、機器分析で成分分析をすれば検知できる濃度を根拠としています。
これ以下は、効果も認められるはずもありませんし
「配合していると言うなっ!」って事です。
まぁ、実際にこうした「〇倍アピール」商品の開発に携わったわけではありませんので
事実関係は不明です。
ただ・・・OEM工場の研究にいた頃に
植物エキスを1%以上も配合している設計を手掛けた事は
かなりマレだったと言っておきます。
今なら自分の会社でそんな仕事はしたくありませんがね(苦笑)
まぁ、非常に高価な成分である有効成分を0.1%から10倍の1%に
さらに、もしも1%から10倍の10%にしたとしたら
はっきり言って、コストがひと桁膨らむ事になりますので
そのままのお値段で消費者に提供できるわけはありません。
もともとひどい商品だったのが、まともになっただけなのか
それとも、まだまだコストに余力をもったひどい商品なのか
どちらかと考えてよさそうですね。
〇倍にしなくても
もともとコストパフォーマンスの高い
良い商品作りを心がけたいものです。
このシリーズ、次のネタをお楽しみに。
いや・・・ネタではないですよ、本当のお話(笑)
by.美里 康人